2014年5月号

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テクニカルコーナー

Androidアプリ RS-MS1A講座

JK3AZL 高岡奈瑞

(5) アプリで遊ぶ

Android端末のRS-MS1Aアイコンをタップすると、アプリが起動します。Android端末のBluetooth設定がOFFになっている場合は、許可リクエストが表示されます。

最初にRS-MS1Aを起動すると「レピータリスト読み込み中」と表示されますが、これはアプリに含まれているレピータリストを読み込むためで、数秒程度かかります。もちろんID-31やID-51等と同様、レピータが増えた時は新しいレピータリストをインポートすることが可能です。なおAndroid端末が日本語環境の場合は日本語のレピータリストが、それ以外の言語環境の場合は海外向け(英語)のレピータリストが自動的に読み込まれます。

接続先の無線機にMYコールサインが設定されていない場合はコールサイン設定画面が開き、そこで入力したコールサインがID-5100に設定されます。


RS-MS1A起動時の画面

RS-MS1Aが立ち上がると、おなじみのDR画面が表示され、ID-5100のMAIN側を操作できます。DR画面をタップすることで、FROM設定やTO設定を行う(*6)ことができます。下記は画面サイズが3.7インチの小型スマホですが、ID-51の画面よりも文字が大きく見やすいです。さらに大きい10インチタブレットで表示すると、十数メートル離れた場所からでもTO/FROMの文字がしっかり読み取れるほどでした。

(*6) RS-MS1Aは送信履歴やダイレクトFROM/TO設定には対応していません。


RS-MS1AのDR

RS-MS1AにはDRでの無線機コントロールだけではなく、様々な機能が搭載されています。


RS-MS1Aのメニュー。いろんな遊び方ができそうだ。
(注:機種によってメニューアイコンの位置や形状が変わる場合があります)

画像伝送
撮影した画像や、Android端末に保存されている画像を、簡易データ通信を利用して、音声を送信しながら送ることができます。同様に、音声を受信しながら画像データを受信することもできます。
画像伝送はDVモードの低速データ部分を利用しており、D-STARのレピータ経由でも、レピータを使わない直接通信でも送受信できます。


画像送信の様子

1枚の画像送信にかかる時間は画質や画像サイズで変わります。DVモードのスローデータ部分を利用しているため、画像送信が終わるまで黙ってPTTを握っている必要はありません。QSOを楽しみながら、同時に画像も送信できます。


画像伝送に必要な時間の例

テキスト伝送
世界的にユーザの多いLINEのような感覚で使えるのがうれしい機能です。特に強調しておきたい内容や、今ワッチしていない他の仲間にも伝えておきたい内容などは、音声で伝えるだけではなく、テキスト伝送で送っておくと便利です。


テキスト伝送の様子。LINEのトーク機能のような感覚で使えるのがうれしい機能。

地図
無線機で受信した位置情報や、レピータリストに登録されている位置情報を利用して、相手局やレピータ局の位置を地図上に表示できます。また、地図上に表示されたレピータ局をタップするだけでDR機能のFROM/TOを設定したり、相手局をタップするだけでTOに設定したりできます。

メニュ表示アイコン(右上の点3つアイコン:機種によって異なる場合あり)をタップすると、レピータ表示ON/OFFや地図検索などを選ぶこともできます。

地図からレピータを設定する様子

受信履歴
DVモードで受信した相手局の情報を確認できます。また受信履歴のコールサインから、無線局情報サイトにリンクすることもできます。


受信履歴から様々な情報にリンクできる

インポート
レピータリストや相手局メモリをインポートすることができます。D-STARレピータが新設されたりした際には、アイコムのD-STARサイト(http://www.icom.co.jp/d-starsite/ )からレピータリストをダウンロードできますが、Android端末から[RS-MS1A専用レピータリスト](csv形式のファイル)もダウンロードすることができます。


ダウンロードしたファイルをインポートする。


2014/4/17に追加された花巻レピータがインポートできた。

その他のRS-MS1Aの機能群
相手局メモリ
DR機能で使う相手局コールサインやネームの追加/編集
無線機設定
無線機の機能設定(一部機能のみ)
アプリケーション設定
表示単位など各種設定を確認/変更できる
[URL設定]でリンク先の追加/編集も可能
エクスポート
レピータリスト/相手局メモリ/受信履歴をエクスポートできます。

(6) アプリをカスタマイズする

RS-MS1Aのアプリケーション設定の中に[URL設定]があり、使い手の好みに合わせてリンク先を追加/編集できる機能が用意されています。


アプリケーション設定メニュ

RS-MS1Aは受信したコールサインから[TO設定]や[相手局メモリに追加登録]、GPS位置情報が取得されている場合は[Googleマップナビを表示]の機能があり、さらにRS-MS1Aの初期設定では、
・QRZ.COMを表示
・APRS.fiを表示
のURLリンク先が登録されています。

RS-MS1Aの[アプリケーション設定]では、このリンク先URLを追加/編集できる機能があり、URLの記述内に{callsign}を入れると受信履歴のコールサインを{callsign}部分に置換してくれます。


運用状況がわかるおなじみD-STAR管理サーバのログページ

[JA3YUA]と入力して[search]をクリックすると、画面が切り替わり、JA3YUA局の履歴が表示されます。このときのページのURLは、次のように表示されます。
http://log.d-star.info/usr/view_log.php?callsign=JA3YUA&rpt1=&d_rpt=&ur_call=&mode=DV&reload=search&remtime=46

上記URLのJA3YUA部分を{callsign}に置き換えたURLをRS-MS1Aに登録すると、受信履歴のコールサインから管理サーバにアクセスできるようになります。


リンク先URL編集画面で、好きなURLを追加できる

リンク先URLにD-STAR管理サーバの検索URLを追加することで、RS-MS1Aの受信履歴からJARL管理サーバへのリンクが追加されました。


受信履歴からD-STAR管理サーバも検索表示できるようになった!

子供の頃、自作から入ったアマチュア無線の世界でしたが、誕生してわずか10年ほどの間に世界各国に普及し、操作系もルーティング方式もアプリも進化し続けているD-STARにすっかりはまっています。D-STARの世界では、ベテランHAMと入門HAMとの差はほとんどなく、より遊び心の多いHAMが次の進化の礎になれる。そんな躍動感のあるD-STAR、これからもより楽しい遊び方を見つけて行きたいと思っています。

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