2015年9月号

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第23回世界スカウトジャンボリー会場から「8N23WSJ」を運用、ARISSスクールコンタクトにも成功

4年に1度開催される、ボーイスカウトの世界大会である「第23回世界スカウトジャンボリー」が、7月28日から8月8日まで山口県山口市で開催され、世界162の国と地域から33,838名の参加者が訪れた。会場内に設けられた科学教育コーナーの「サイエンスモジュール」には、アマチュア無線の記念局(臨時局)「8N23WSJ」が設置され、連日多くのスカウトが来訪した。


第23回世界スカウトジャンボリー会場内のサイエンスモジュールに設けられた「JOTA-JOTI Plaza」内に無線局を設置

世界スカウトジャンボリーが日本で開催されるのは実に44年ぶり。これを記念し、青少年に科学技術に対する理解と関心を持たせ、世界中のアマチュア局との交信を通じて、アマチュア無線の健全な普及と発展に寄与することを目的とし、会場内サイエンスモジュールのJOTA-JOTI Plazaにアマチュア局「8N23WSJ」が設置された。


仮設された16m高のタワー上にV・UHF帯のGP、7/10/18/24MHz帯ロータリーダイポール、
50MHz帯6エレ八木、14/21/28MHz帯4エレ八木を設置。ローバンドはフルサイズのワイヤーアンテナを用意

同局が使用する無線機器は、運用希望者の資格や周波数帯に対応するため、多数の種類が必要となるが、これらは大会の公式スポンサーでもあるアイコム株式会社が提供。同社は会期中の会場内にスタッフを常駐させる万全のサポート体制を取った。


IC-7851とIC-PW1で1kW運用を行うスカウト。
ほかに同局はIC-7600、IC-9100M、IC-7200S、IC-7100Sなどを設置

通常、海外からの来訪者で、日本においてアマチュア局の運用が可能なのは、相互認証(相互運用協定)を締結している国のハムに限られるが、総務省は今回の8N23WSJについて、協定の非締結国からの来訪者も一定条件下で運用が行えるという特例措置を設けた。それにより、母国でアマチュア無線の資格を持つ多くのスカウトが8N23WSJを訪問し、最新のアマチュア無線機を使って日本からのオペレートを楽しむことができた。


D-STAR用にはID-5100とID-1を使用。期間中はD-STAR臨時レピータ局も設置された

また7月31日の夜には、日本国内と世界各国からそれぞれ選抜された、14~17歳のスカウトたち20名が、国際宇宙ステーション(ISS)の宇宙飛行士と交信を行う「ARISSスクールコンタクト」が行われた。


ARISSスクールコンタクト用のアンテナ建設や、当日の進行準備はすべて各国のスカウトたちによって行われた


ARISSスクールコンタクトを見学するため、多数のスカウトが集まった。
上空を通過する国際宇宙ステーションの光跡も確認できた

スケジュール時間の20時26分、8N23WSJのオペレーターからの呼びかけに応答してきた国際宇宙ステーション(NA1SS)の信号は強力で、20名のスカウトたちからの「ISSではシャワーが使えますか?」「もし病気になったらどうしますか?」といった英語による質問に、ISSのチェル・リングリン宇宙飛行士(KO5MOS)が1つずつ回答、無事に全員が質問を終えることができた。見学に集まっていた多数のスカウトたちは交信の模様を興味深く見守り、交信終了後は大きな歓声を上げていた。


国際宇宙ステーションのNA1SSを呼び出すコントロールオペレータの7M3TJZ 安田さん。
応答があった瞬間は歓声が上がった


選抜された20名のスカウトたちがチェル・リングリン宇宙飛行士に質問を行う

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