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大好き! アマチュア無線

第5回 IC-705でアウトドア/FT8とかしましょ! (上)


こんにちは皆さん、新人編集員のアキラです。連載の5回目、どうぞいっしょに楽しんで下さいね。

今回は、IC-705でアウトドアしてみましょう!です。第3回で作りました「ラズパイ4B」に、第4回で魂(ソフト)のFT8をインストールしましたので、これらを使っての移動運用にチャレンジです。

「DXしましょ!」のお話の流れであれば、自宅アンテナでの運用に分があるのですが、新製品IC-705が到着した今は、移動によい季節ですから、FT8を含みアウトドア運用などをいろいろと楽しんでみようというチャレンジです。

設備について、その①無線機関係。
まずは無線機や、アンテナ類+カウンターポイズ、電源など、忘れものがないように!


HF帯はダイポールとか、V/UHF帯は八木アンテナとかもいいですが、今回はミニマムスタイルの装備です。写真のように外部電源がありますが、電池パックBP-272は2個持って行きます。

HFでのFT8運用にチャレンジする計画! ②しかーし、その前に自宅で動作確認は必須。


今回はFT8の移動運用のためにLepowというメーカーの15.6インチLCDも大奮発、手持ちの22インチLCDでも使えないわけでもないのですが、悩んだあげく、しかしあっさりYオクで新品を適価で入手しました。荷物は少し軽くなるだけですが、でもちょいといいLCDディスプレイ。財布はだいぶ軽くなりましたね(涙)。


局免/従免を持っていかないと山の上でも、おまわりさんに「なんですかー」って聞かれることがあるって、移動のベテランOMさんからお聞きしたことがあります。そうね、私たちって何か魅力的で怪しい雰囲気がありますもんね。さて、忘れ物とかはありませんね!

移動運用に行ってみよう! どこへ行こうかと考えるのも楽しいです。本年はコロナウィルスが感染拡大した2020年として、歴史的な記録に残るんだろなと思いつつ、近隣以外への関所破りはご法度やし、明日の移動運用はどこに行きましょうかとただいま検討中。でも今朝はけっこうな雨です。明日は雨が止みますようにと祈りつつ近所のマクドに来て、ちょいマックならぬ朝マックをいただきながら、キムタクのCM(夏の初め頃にTVでよく出ていた)のようにバーガーを持つ。関西ではマクドといいますが、それでも朝マクドとは言わないね! バーガーくうかい?「くうかい」なら弘法大師、高野山も候補かなあ。移動先をいくつか考えてみました。

シーズン1 和泉葛城山へ <弘法は筆を誤まって!しまったーの巻>
本日は天気が不安定ですが、雨ではない。車で1時間位のところで、そうだ“和泉葛城山/和歌山県紀の川市”に移動しよう、と決定して、無線機器を積んで、いざ出発―。自宅を出て順調に小一時間ほど、昨晩の雨のせいではないと思われますが、あと数キロで通行止めに


ついてないなー、ナビでチェックして、う回路を検索して遠回りですが、紀泉高原スカイラインから向かうことに! 牛滝ならば、カルビマックでもないのでしょうか? 小腹すきましたね、でもここは既に山の中でした。



見晴らしのよい展望スペースが確保できました。さー無線しよ! 荷物を降ろす、ええーがーん2!! 無い、無い、ポータブルの外部電源を積んでくるのを忘れましたー。せっかく準備してきたFT8ができませんわ。5分くらい後悔(涙)、マックでも空海なんて言ってしまったから弘法大師のように“筆の誤り”。大師のように偉くはないけど(涙)。すぐに気持ちを切り替えまして、次回移動への訓練の1つとしてSSB運用へ。


アンテナHFJ-350Mの根本左に(小さく)写っています関ハムで入手した簡易アンテナアナライザーと、IC-705に搭載されている新機能の1つSWRの測定/プロット測定機能を使うと、アンテナの調整はすごく簡単で便利です。


50MHz/SSBで数局、144MHz/SSBでも数局とお相手頂きまして、本日の実QSOは終了。HF帯でのアンテナ調整やワッチもろもろも行いましたが、コンディション/環境もあり、本日はここまで。移動運用は空気がおいしかったです。

シーズン2 五月山へ <ちょいマック空海のチャレンジは続くの巻>
本日は日曜日、前回に引き続き気持ちを切り替えて、本日も1時間少々で行けます五月山/大阪府池田市の展望台へ向かいます。今年はコロナのために関ハムも中止になりましたが、ここは関ハム会場と同地域の池田市にある山です。


天気晴朗なれど雲少々、日の丸展望台ノボレ!と、超OMでないとわからない台詞をいいながらリグ設営。今日は忘れ物もなく、順調にセットアップが進み、ラズパイ4BがFT8のデコードを始めています。



本日はFT8を中心に、144MHz→50MHz→HF帯の運用を予定しており、まずは144MHz/FT8でCQをだして、早速数局と交信できました。呼んだり、呼ばれたりでさらに局数が増えていきます。本日は紙ログでの交信記録記載です。そして50MHzにおりて、FT8で数局にお相手いただきました。

んーんっ何か時間表示がおかしいです? FT8/JTDXソフトではUTC時間表示ですが、時間も分もずれているなー? それでもしばらくは交信がつづき、一段落して、ラズパイ4Bを“Reboot”してみます。現象はかわりませんね? うーんなにかな? はっと、ここはWi-Fiはないぞ、そーかーラズパイ4Bはバックアップ電池もないし、基本的に時間はWi-Fiからもらうんだー、どうしましょ。

そうだBluetoothで携帯電話をラズパイ4Bにつなげば時間がOKになるかも! 手持ちの携帯をコネクトしてみる! 変化なし青い歯作戦は失敗。カシオの腕時計を使い、Bluetooth接続で時間やりとりできるモデルもあるけれどラズパイはアプリがないのですね。恐るべしアウトドア環境、ラズパイ4Bの課題に遭遇。

それからラズパイ4Bの電源を切って、再度電源ONしますと時間、分、秒のいずれも合いません。本日最初にラズパイ4Bの電源をONしたとき偶然に秒単位はFT8運用可能な時刻になっていたのだと気付きました。撤収、撤収、撤収! 本日もここまでー(涙3)。HF/FT8のアウトドア運用は次回につづくー

シーズン2.5 ラズパイ4Bのアウトドアでの時計(時間)確保大作戦
近場移動なのですぐに帰れます。家にもどり早速ネット調査開始。ラズベリーパイは甘いはずなのに、世間もラズパイ4Bも甘くない。すぐに状況はつかめました。ラズパイ界の常識、ラズパイにはRTC(Real time clock)が搭載されていません。最初のラズパイの誕生からRTCという言葉はありません。色々と解説・対策もネットにレポートされています。恐るべし素人無線家、2回も手ぶらで山に行くなんて、ただ私がラズパイ4Bを分かっていなかっただけです。

早速対策を練ることに。ネットサーフィンしましょ! 調査、調査へ! 日本語の解説もいくつかあり海外の解説もずいぶん多いです。海外のお話ですがラズパイのRTCを動かすためだけに延々と1年半以上に渡り、アイデアのやりとりをしていたサイトもあり、このスピリットには少々感動しました。山に2回ラズパイ持って行っただけのアマチュア、ボーっと生きてんじゃねーよ、ですね。

反省し色々とTRYしました、ネットの皆さんの解説のおかげで、山から帰ってから1週間ほどかけましてなんとか答えを見つけました。3つのアイデアにまとめました。その1週間を早回しで振り返りますが、ラズパイのOSに手を加える過程もあり、ここだけは初心者の私は苦労しました。(ハズ〇ルーペがあっても、世の中の解説記事は難解で読めなーい!でした。)

アイデア1 すこし強引にラズパイ4BをWi-Fi環境で立ち上げて、そのままポータブル外部電池で電源を切らずに使う方法。TRYしてみました。でも私のラズパイ4Bの内蔵OSCの精度は、約半日で1.5秒ずれるので、FT8の必要とする精度に届かずこりゃあかんでした。

アイデア2 コマンドでの時間設定
pi@raspberrypi:~ $ date --set=’2020/08/20 12:15:00’ を使った日時の設定という解説がありTRYしてみました。

でも私のラズパイ4Bでは“許可されていない操作です”とメッセージがでます。調査を続けてみますと“システムに大きな影響を与えるコマンドを実行するにはスーパーユーザーでdoする”とあります。ラズパイで時間を設定する操作は“上位”のようです。

いくつかの対処法がありますが“管理者権限でのコマンド実行”でないといけないようです。管理者コマンドの説明は避けて通れませんので、後述(次号)の2.5-3章で補足説明します。date --set=’  ’のコマンドは緊急用として知っておいてもよいかなと思います。

アイデア3 Windows®PCのようにRTC(Real time clock)をとりつける。これがやはり正攻法ですね。さあ皆さんも頑張ってラズパイにRTCを取り付けましょう。

2.5-1 ハードウェア/RTCの選定、取り付け
RTC(Real time clock)ICには、DS1307/PCF8523/DS3231などがあります。調査・検討の結果、DS3231を選びました。(AZで安く色々出ていますが、同じもので価格・条件は異なるのでよいものを選んでください)私は2つ買いましたが、なぜ2つ?だったのか、は引き続き説明していきます。


最初に買ったユニットの概要(AZでポチッ、2日掛かって到着)
本ユニットは、主に“Arduino”に対応したものですが少し安価で小型かなと思ったからですが、でも実際は少し大きいサイズで、最終取り付け場所に苦労しそうで、ありゃちょっと想像より大きいなあという感じでした。

ラズパイ用途には、基板上のプルアップ抵抗4本やリチウム電池充電用抵抗1本など、合計5本のチップ部品をとりはずさないと使えないとの事で、実際とても小さい抵抗なので簡単にパッパとはいかなかったです。まじめな話として大型虫眼鏡(100均のものでもOK)は必須。不要なチップ抵抗類を除去後、線材を使ってラズパイの40ピンに接続します。必要な配線は4本。Pin1=3.3V、I2Cと呼ばれるPin3=SDAとPin5=SLC、そしてPin6=GNDです。



5つの取り除いたチップ抵抗は、左丸の4本(小さいので慎重に)と、右上丸の1本です。

このユニットでたくさんの事を(OS関係の設定で多くの苦戦)TRY出来ましたが、結論として最後の一歩のところでユニットが働かなくなりました(まあ、たぶん私が壊しました)。くやしいーー、で次の2つ目をAZでポチッとしました。

2つ目に買ったユニットの搭載・設定(同じくAZより2日掛かって到着-待ちどおしかったです)。これも同じくDS3231を使ったユニットですが、これはラズパイ用に作られたもので、プラグインで動作します。ただし冷却ファンと干渉することがわかっていたのが課題で、配置はいかんともしがたく、でもせっかくのお気に入りケースをうまく使いたいですね。結論的にはこのユニットで“最後の一歩が到達”ができて、RTCの搭載・動作はOKになりました。


細かい話としては、バックアップ用電池は付いてこないので、100均ショップでCR1220かCR1225を調達する(どちらでも使えます)。

RTC(Real time clock)の設定のお話は以上です。お好みのRTCを選択頂ければよいと思います(プラグインでらくちんなのは2つ目ですね)。さて、今回はここまでです。

RTC(Real time clock)のハード組み込みでも、私らしい“トラさん”の発生がありましたが、次回も大苦戦でラズベリーパイOSにRTC設定を組み込むというソフトでまことにハードな作業が待っています。実践/再現ができますように取り組んでいきますね。どうぞお楽しみにお待ちください。

●あとがき
今回はラズパイ4Bを使ってFT8で遊んでみましょうと勢い良く山をめざしたのですが、反対にラズパイ4Bに遊んでもらって、出直しーなんて事になりました。私たちは、無線技術に対する個人的な興味により行う、自己訓練や技術的研究を行っているのですから(咳払いを1つ、こほん)、訓練・研究を楽しく続けます。

そして、RTC(Real time clock)などの準備が整いましたら、四度、五度とTRYを続けまして、シーズン3 XXX山 <FT8/HF運用しましょ!の巻>に駒が進めばいいなと思っています。あー山が私を呼んでいます「私を山につれてって」てね、海もいいかなー。

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次号は 12月 1日(木) に公開予定

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