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2021年の主要スケジュールと注目ポイント

新しい年、2021年がスタートした。今年、日本のアマチュア無線界における主要スケジュールと注目される点をまとめて紹介する。なお掲載した情報は昨年12月25日現在のもので、今後の状況によっては変更される可能性もあるので注意していただきたい。

主要イベントのスケジュール

今年行われる予定の主要アマチュア無線イベントの日程とJARL主催コンテストの日程は次のとおり。アマチュア無線イベントは現時点で「日付未定」のものが見られる。

★2021年の主要アマチュア無線イベント(開催日順)

・第25回 関西アマチュア無線フェスティバル(KANHAM2021)
 開催日: 2021年7月(日付未定)
 会場: 池田市民文化会館、豊島野公園、池田カルチャーセンター(大阪府池田市)
 公式ページ: http://www.jarl.gr.jp/kanham/

・第53回 東海ハムの祭典
 開催日: 2021年9月12日(日)
 会場: 名古屋市公会堂(愛知県名古屋市昭和区)
 公式ページ: http://www.tokai-jarl.jp/saiten/

・アマチュア無線フェスティバル(ハムフェア2021)
 開催日: 2021年10月2日(土)~3日(日)
 会場: 東京ビッグサイト 西展示棟3・4ホール(東京都江東区)
 公式ページ: https://www.jarl.org/Japanese/1_Tanoshimo/1-3_Ham-Fair/2020/2021-Ham-Fair_news.htm

・第20回 西日本ハムフェア
 開催日: 2021年10月(日付未定)
 会場: 日産自動車九州株式会社 体育館、ゲストホール(福岡県京都郡苅田町)
 公式ページ: https://www.jarl.com/nishiham/

毎年8月下旬に行われている東京の「アマチュア無線フェスティバル(ハムフェア)」は、会場の東京ビッグサイトがオリンピック・パラリンピックのプレスセンターとして使用されることから、開催日を約1ヶ月遅らせて10月2・3日に予定している。また毎年3月上旬に開催されている「西日本ハムフェア」は、会場である日産自動車九州株式会社の体育館が耐震工事を行っている関係で、10月の開催を予定している。


JARLのハムフェア2021案内ページより。今年の開催日を案内している

★JARL主催の主要コンテストの日程(開催日順、すべてJST表記)

・QSOパーティ
 開催日時: 1月2日(土)09時~7日(木)21時まで(※2021年から期間延長)
 周波数帯: 全バンド

・ALL JAコンテスト
 開催日時: 4月24日(土)21時~25日(日)21時
 周波数帯: 1.9~50MHz帯

All ASIAN DXコンテスト 電信部門
 開催日時: 6月19日(土)9時~21日(月)9時
 周波数帯: 1.9~28MHz帯

6m AND DOWNコンテスト
 開催日時: 7月3日(土)21時~4日(日)15時
 周波数帯: 50MHz帯以上

・フィールドデーコンテスト
 開催日時: 8月7日(土)21時~8日(日)15時(※2021年から開催時間変更)
 周波数帯: 1.9MHz帯以上

・All ASIAN DXコンテスト 電話部門
 開催日時: 9月4日(土)9時~6日(月)9時
 周波数帯: 1.9~28MHz帯

・全市全郡コンテスト
 開催日時: 10月9日(土)21時~10日(日)21時
 周波数帯: 1.9MHz帯以上

昨年、1.9MHz帯のアマチュアバンドが拡大したことに伴い、JARLは昨秋に1.9MHz帯にコンテスト周波数帯(電信(CW): 1.801~1.820MHz、電話(AM/SSB): 1.850~1.875MHz)を設け、2021年以降の主要コンテストに「1.9MHzバンド種目」を追加した。マルチバンドで参加する局は1.9MHz帯で得た交信数とマルチプライヤーも総得点に算入できることになる。


JARLが昨秋に改定した「コンテスト周波数」の一覧表。1.9MHz帯の追加のほか、50MHz帯の電信(CW)と電話(AM/SSB)の周波数が変更になっている

2021年の注目ポイント

続いては今年、日本のアマチュア無線界における注目ポイントをいくつか紹介する。

★東京2020オリンピック パラリンピックにおける記念局運用
新型コロナウイルス感染拡大のため1年間延期された「東京2020オリンピック・パラリンピック」。現在のところオリンピックは2021年7月23日(金)~8月8日(日)、パラリンピックは2021年8月24日(火)~9月5日(日)に開催される予定だ。

JARLは全国10エリアにPR記念局を開設し、4月頃からの運用開始を計画している。またオリンピックの開催期間中は東京都西東京市から記念局が運用される(この局は公式マーク入りのQSLカードを発行予定)。また、国際的な行事を広報する「海外向け記念局」も5月1日から運用を開始する予定で、2月1日まで1kWまたは500W局を開局しているJARL会員を対象に“運用チーム”の公募を行っている。いずれも東京オリンピック・パラリンピックにふさわしい特別コールサインでの運用になると言われているので期待したい。

さらにJARLでは、期間限定で記念アワードの発行と、記念QSOパーティの開催を計画しているという。


東京2020オリンピック・パラリンピックの公式ページでは「周波数管理計画」も公表されている

★アマチュア無線の制度改正なるか?
昨年10月、総務省はアマチュア無線の制度改正案を作成し、10月16日から11月17日まで意見(パブリックコメント)募集を行った。骨子は下記の通り、「社会貢献活動でアマチュア無線を活用可能にする」「資格を持たない小中学生の体験機会拡大」の2つとなっている。

(1)アマチュア無線の社会貢献活動での活用
被災地の通信確保等において、地域において重要な役割を果たしてきたアマチュア無線の運用実績等を踏まえ、非常災害時等のボランティア活動や国や地方公共団体等の施策で共助を背景とする地域における活動等について、アマチュア無線を身近なくらしの中で活用できるよう定義を明確化し、電波の有効利用及びアマチュア無線の地位向上を図るとともに、地域社会に貢献できるようにする。


総務省作成の資料より

(2)小中学生のアマチュア無線の体験機会の拡大
電波有効利用成長戦略懇談会における提言等を踏まえ、本年4月にアマチュア無線体験局を制度化したところであるが、さらにワイヤレスIoT人材の裾野を広げていくため、無資格の小中学生が家庭等や学校において、有資格者の指揮・立会いの下、電波の利活用の可能性や楽しさを身近なくらしの中で体験できるようにする。


総務省作成の資料より

今年初めには、意見募集の結果と総務省の考え方が公表され、さらに電波監理審議会の諮問と答申が行われる見込みだ。

もし原案通りの法改正が実現した場合は、アマチュア無線は(有資格者による一定条件のもとで)「災害ボランティア」や「地域ボランティア」の活動における通信にも利用できるようになる。また無資格者の小中学生は、家族が開設している自宅のアマチュア局や、所属する学校のクラブ局、学校教職員のアマチュア局などから手軽に交信体験が行えるようになることから、ハムを志す子供たちには朗報となるだろう。

★「サイクル25」のコンディション上昇
約11年の周期で増減を繰り返している太陽活動だが、新たな「サイクル25」に入り、少しずつ活発な状態になりつつある。昨年11月末には太陽面に大きな黒点が発生。SSN(サンスポットナンバー)が80を超える日もあった。今春以降のHFハイバンドや50MHz帯のコンディション上昇が期待されている。


11年周期の太陽活動。はたしてサイクル25は!? (写真: Wikipedia「太陽活動周期」パブリックドメイン)

★新型コロナウイルスの影響どこまで?
アマチュア無線界でも、新型コロナウイルスの感染拡大は心配の種になっている。もし今後さらに感染が拡大した場合(政府が再び「緊急事態宣言」を発令するなど)、予定されている無線イベントが中止またはオンラインに移行したり、オリンピック・パラリンピックをはじめとする記念局運用の中止や縮小、移動運用の自粛呼び掛けなどが起きるかもしれない。

昨年は海外との往来制限のため物流も混乱し「海外局へエアメールでSASEが送れない」「海外通販で買ったパーツが届かない」といった状況も起きたが、今後も同様の事態が繰り返される可能性も否定できない。他方で“STAY HOME”により、アマチュア無線家の自宅からのアクティビティは昨年以上に上昇するかもしれない。

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次号は 12月 1日(木) に公開予定

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