2015年5月号

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“電波時計の生まれ故郷”検見川無線送信所跡(千葉県千葉市)から、記念局「8N100ICT/1」を運用

1927(昭和2)年に日本で初めて標準電波を発射した、千葉県千葉市の「検見川(けみがわ)無線送信所」の跡地から、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の職員有志たちが4月25~26日の2日間、平磯無線創立100周年/標準電波JJY開局75周年/情報通信研究機構国立研究開発法人化記念局である「8N100ICT」が移動運用を行った。同地から電波が発射されるのは、おそらく30年ぶりという。


千葉市花見川区の「検見川無線送信所跡」に仮設されたテントとアマチュア無線用アンテナ

日本における標準電波は、逓信省東京逓信局検見川無線送信所が無線検査官の測定器調整用として、1927年(昭和2年)に発射を開始。さらに1940年(昭和15年)にはコールサイン「JJY」の無線局として一般国民向けのサービスを始めた。それから75年の節目にあたるのを記念し、今回「8N100ICT」の移動運用が計画された。

検見川無線送信所は戦後、日本電信電話公社の送信所となり、電波時計にも活用される長波40kHzの標準電波実験局(JG2AS)も設置されたが、1979年に惜しまれつつ施設が廃止となった。1926(大正15)年に建てられたコンクリート製の局舎は現在も一部が残されているが、敷地全体は地元の土地区画整理事業地となり、関係者以外の立ち入りが禁じられている。


当時の局舎の前で8N100ICT/1を運用。この地から電波が発射されるのは「おそらく30年ぶり」という

そこで8N100ICTのメンバーは、土地区画整理事務所や千葉市役所と半年前から協議と調整を図り、地元住民への説明を行った上で今回の運用を実現した。また運用当日は千葉市の職員が立ち会いを行い、26日には千葉市の熊谷市長も現地を視察に訪れた。


敷地への入口には地元住民に説明する看板を設置した

敷地内にはHF帯の逆Vや短縮ダイポール、144/430MHz帯のGPアンテナなどが仮設され、25日は小学生を含め4名、26日は6名のオペレーターが運用に参加。合計でおよそ550局との交信に成功したという。


8N100ICT/1の運用風景


小学生もオペレートに参加。HFや144MHz帯でパイルアップをさばいた

8N100ICTの運用期限は2015年11月末まで。今後は7月末に兵庫県神戸市、11月下旬に茨城県鹿嶋市など、NICTゆかりの地から移動運用を行う予定だ。

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