2016年5月号

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D-STAR DVモードの中継器を搭載した衛星「OUFTI-1」、打ち上げ成功!!

4月26日午前6時2分(日本時間)、南米のフランス領ギアナにあるギアナ宇宙センターから、ロシアのソユーズロケット「VS-14」が打ち上げられた。同ロケットには欧州宇宙機関(ESA)などが開発した地球観測衛星「Sentinel-1B」のほか、ベルギーの大学が開発しD-STAR DVモードの中継器を搭載した「OUFTI-1」など、3基の小型副衛星が搭載されている。これらの衛星は無事にロケットからの分離に成功した。


ソユーズロケット「VS-14」の打ち上げシーン(写真©ESA)

JARL Webサイトによると、小型副衛星はいずれもESAの教育組織が航空宇宙の次世代プロを育成するために企画した「あなたの衛星を飛ばしてください(Fly Your Satellite)プログラム」で選ばれたもので、OUFTI-1のほかにトリノ工科学校(イタリア)の「E-st@r-II」と、オルボア大学(デンマーク)の「AAUSAT4」が搭載されている。


軌道に投入された3基の小型副衛星のイメージ画像(写真©ESA)

小型副衛星はいずれも10×10×10cmというコンパクトなサイズながら、アマチュア無線の送信機器を搭載。VS-14ロケットからの分離後は高度453×644km、軌道傾斜角98.2度の軌道に投入される予定になっている。

特に注目されるのは、ベルギーのリエージュ大学の学生が作った衛星「OUFTI-1」に、D-STAR DVモードの中継器が搭載されている点だ。JARL Webは「これまでD-STARレピータを搭載したアマチュア衛星は、2014年に打ち上げられた、ロシアの小型衛星TabletSat-Auroraがありました。TableSat-AuroraにはD-STARオウム返し(ストアアンドフォワード型)レピータが搭載されたようですが、レピータのテスト運用のアナウンス以外に、本格的に運用がおこなわれた情報は見当たりませんでした」と説明しており、今回のOUFTI-1のD-STAR中継器の稼働に期待が集まっている。


D-STAR中継器を搭載したOUFTI-1の組み立て風景(写真©ESA)

OUFTI-1の運用周波数は次のように発表されている。

・ダウンリンク周波数:145.950MHz(AX.25 FSK 9600bpsおよびD-STAR)
・アップリンク周波数:435.045MHz(D-STAR)
・ビーコン周波数:145.980MHz(CW、出力100mW、2分送信・1分停波の繰り返し)

最新の運用状態などはOUFTI-1の公式Webサイト(http://events.ulg.ac.be/oufti-1)で確認できる。

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