2013年5月号

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移動運用便利グッズの製作

JO2ASQ 清水祐樹

第2回 助手席に置く無線機ラックと、運転席のハンドルに掛ける操作台

移動運用で、車内で固定機を使う場合、助手席に置く方法が考えられます。この場合、配線が複雑になって確認しにくくなる、急ブレーキでリグが飛んでいく危険がある、といった問題点があります。そこで、助手席に置くための無線機用のラックを自作しました(図1)。ラックには同軸切替器とマイクロ波のトランスバータの電源回路を取り付け、配線を容易にしています。使用しない時には、容易に撤去することができます。


(図1)無線機ラックの外観

私が車内で運用する時には、いつも運転席に座っています。その時、ログ帳、小型PC、パドルを置くための、自作の操作台をハンドルに掛けて使っています(図2)。この台は「タオル掛け」に使われている部品を利用して、ハンドルに掛けるだけで簡単に設置できる構造で、使用しない時には簡単に折り畳みできます。


(図2) 操作台の外観

無線機ラックの製作方法

幅25cmの合板製の棚板を、L金具で箱型に組み立てたものです。幅は30cm、全体の高さは20cm、棚板の高さは15cmです。大型の無線機では、この大きさでは収まらないかもしれません。棚板の前面と後面には、転落防止用のストッパーとして5×10mmの角材を木工用ボンドと小型の木ねじで取り付けました(図3)。表面は水性塗料で塗装してあります。
棚板を切断した場合、切断面がむき出しになりますので、長尺の棚板から切り出して使う場合、両端が側板の上側になるように切断する位置を決めます。または、棚板の切断面を覆うための専用のテープ(別売)を貼り付けます。


(図3) L金具と転落防止用ストッパーの様子(矢印:ストッパーの取り付け位置)

両側の側板には取っ手を取り付けました(図4)。運搬の際にとても便利です。


(図4) 取っ手

金具は厚手の十分な強度のものを使用し、棚板の裏側に飛び出さない程度の長さの木ねじを使って固定しました。必要があれば、接着剤も併用して頑丈に製作します。素材の都合上、長年使用していると金具の取り付けがどうしても緩んできますので、定期的にネジの増し締めをしています。
合板は軟らかく、そのままでは木ねじが抜けやすくなります。そこで、強度を増すためにネジ穴の周囲を瞬間接着剤で固める加工をしました。木ねじを取り付ける位置にキリで下穴を開けておき、瞬間接着剤を穴の周囲に注入して固めてから、木ねじを取り付けて固定します。ネジ穴の周囲が盛り上がってしまう場合は、カッターナイフで削って平らにします。

中身は大事な無線機で、重量があります。持ち上げても棚板が抜け落ちないように、棚板の側面から太さ2mmの長い木ねじを何本も差し込んでしっかりと固定しました。取っ手の部分は小型のL金具を使って取り付けました。L金具は側面の貫通穴に3mmのビス・ナットで取り付け、荷重が掛かっても壊れないようにします。
急ブレーキを掛けてもラックが飛び出さないように、スーツケース固定ベルトを使って助手席の背もたれ、またはヘッドレストに固定しています。無線機の足の部分には、地震対策用品として市販されている衝撃吸収ゲルを張り付けました。
レンタカーで運用するために無線機を発送する場合には、ラックに無線機を置いた状態で、すき間にプチプチシートを入れてクッションにして、そのまま衣装ケースに入れています。

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