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第19回日本スカウトジャンボリー開催

日本ボーイスカウトアマチュア無線クラブ

2026年10月1日掲載

8月4日から10日の7日間、広島県神石郡神石高原町で第19回日本スカウトジャンボリー(19NSJ)が開催された。前回2022年はコロナ禍であったため国内各地で分散開催され、今回は8年ぶりに全国のスカウトが一堂に会する、本来のジャンボリーが復活した。
(前回の18NSJの様子はこちら)

会場に立った瞬間、「やっとこの光景が戻ってきた」と胸が熱くなった。この中でアマチュア無線体験プログラムが会場内のこと座エリアで行われ、大きな成果を挙げた。期間中、395名のスカウトがこのプログラムに参加し、交信局数は国内外合わせて2,550局を達成した。スタッフとして現場に立ちながら、スカウト達が電波を通じて世界とつながっていく姿を間近で見られたことは、忘れられない体験となった。


Fig.1 プログラム案内

プログラム紹介

アマチュア無線体験プログラムでは、下記5つの体験を提供した。
・無線交信体験
・モールス信号体験
・FMラジオ製作
・無線で避難所運営(防災通信ゲーム)
・電波で被災者を捜せ(電波探索ゲーム)

これらは単なる体験メニューではなく、電波の性質、通信の仕組み、防災時の情報伝達、協働学習などを総合的に学べるように構成したものだ。

●無線交信体験
従事者免許を保有していなくても電波が発射できる体験運用のスタイルで実施しました。スカウト達は実際にスタッフと交信し緊張しながらも次第に慣れ、笑顔があふれるようになった。


Fig.2 スカウトによる体験運用

「こんなに無線が面白いなんて思わなかった」といった声も寄せられ、無線従事者免許取得に興味を持つスカウトも多く見られた。

●モールス信号体験
縦振り電鍵を使い、アルファベットで自分の名前を送信するプログラムだ。スカウト達はモールス符号の短点と長点を組み合わせて、アルファベットや数字の符号などになることを学びながら、慎重に打鍵を進めていた。


Fig.3 モールス符号についての説明

打鍵した符号をパソコンに解読させるチャレンジでは、正確に送信できた瞬間に画面へ自分の名前が表示され、歓声があがった。その成功体験は、単なる「できた」という喜びだけでなく、自分が発した符号が相手に正確に伝わったという通信の本質を体感する瞬間でもあった。モールス信号は古い技術ではなく、今も人の心を動かす「伝わる体験」であることを改めて実感した。



Fig.4 縦振り電鍵を用いたモールス信号の送信

●FMラジオ製作
半田ごてを使い、FMラジオキットを組み立てる本格的な電子工作のプログラムだ。参加したスカウト全員が無事完成でき、実際のFM放送を受信できた。また会場内は携帯電話の通信が不安定な環境だったため、自ら作ったラジオで情報を得る体験は、技術と情報伝達の関係を実感する貴重な機会となった。


Fig.5 半田ごてを用いて電子部品を取り付ける


Fig.6 オーストラリアの指導者も製作を体験

本プログラムは技能章「ラジオ章」の考査基準を満たしており、技能章考査も実施した。

●無線で避難所運営
アイコムの「トランシーバーを使った防災教育プログラム」をもとに、実際の災害時の避難所を想定した屋外型プログラムとして実施した。参加者は「本部役」と「現場役」に分かれ、トランシーバーを使って避難者の状況や位置、誘導に必要な情報を互いに伝達。本部の指示を受けて現場が行動し、現場で得た情報を再び本部へ報告するという、災害時の情報伝達の流れを体験した。

離れた場所にいる相手へ正確に情報を伝えるためには、要点を整理して簡潔に話すこと、相手の内容を確認・復唱することが不可欠だ。このプログラムでは、無線機の操作だけでなく、「伝える・聞く・確認する・協力して判断する」という災害時のコミュニケーションを実践的に学ぶ機会となった。


左: Fig.7 現場役(本部からの指示を受けて対応する)
右: Fig.8 本部役(現場へ指示を行い、情報を統括する)

●電波で被災者を捜せ
FMラジオを使い、周辺に設置された送信機を探索する内容。アンテナの向きを変えた時の電波の強弱の変化を頼りに歩き回って探す体験は難易度が高く、その姿はまるで“見えないものを探す冒険”のようで電波が「見えないけれど確かに存在する」ことを彼らは身体で理解したと言える。この体験は電波の性質を学ぶだけでなく、災害時における捜索技術の基礎理解にもつながる内容となった。


Fig.9 プログラムの説明


Fig.10 発信機を捜索する

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