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大好き! アマチュア無線

第8回 ステイホームワーク


こんにちは皆さん、新人編集員のアキラです。連載も8回目に突入しまして素敵な秋がやってきました。今夏はとても暑かったので秋の収穫の柿やりんごなどは暑さに耐えたので、甘くて美味しいものになっているとのことですね。

今回は、コロナのために春-夏-秋にお家でいっぱいステイホームして何やかやといつもより多い目の工作をしました。その中から、いくつか面白そうなものをピックアップしてご紹介したいと思います。

IC-705がやって来てから、アウトドアへーという心意気でしたが、エアコンが効いたインドアでも(コロナこわい・酷暑に弱いー)しっかりとエンジョイしました。

工作1.無線機にLCD保護フィルムを貼る
スマホやデジカメにも、ほとんどの方が液晶保護フィルムを貼っておられると思います。最近の無線機も大型液晶搭載のものが多くなりました。そこで手軽に安価に液晶保護フィルムを自分で作って貼ろうというお話です。

最近の100均ショップは優れものが多いですが、今回の工作における極意は、ダイソーの\300商品のペーパーカッターを手に入れることです(下の写真の右側のパッケージのものですね)。実は私はちょっと以前に入手して使っていますが、本品は結構なヒット商品になっているようです。少し入手難かも知れないですが頑張ってうまくペーパーカッターを入手して下さいね。

液晶保護フィルムはA4サイズのフリーカットのものが、同じくダイソーなどの100均ショップでも出ていますで、便利で良いです。


ペーパーカッターは、パッケージの裏面が取説になっているので参照してください。


次に無線機のLCDサイズを実測して、保護フィルムをペーパーカッターでカットしましょう(IC-705ではおおよそ95mmx53mmかな)。

保護フィルムを無線機に貼る時の場所ですが、お風呂(ユニットバスとか)の中で作業するのがホコリが入りにくくお勧めです(カメラ関係誌よりの受け売りです)。これは本当によいと思いますので試してみて下さい。

今回の方法は失敗しても、コストが安いので液晶保護フィルムを再度カットして満足の得られるまで、やり直しをして下さい。私はIC-7300/9700他の機種も同じ方法で保護フィルムを貼っていますので、何か元は十二分にとれたんじゃないかなーと思っています。

工作2.移動用アンテナHFJ-350Mに付けるアンテナチューナー
IC-705とHF帯の移動用アンテナHFJ-350Mを持ってあちこちに出かけました。良いコンビなのですが、この夏の暑さは尋常でなかったので、一秒でも早く(人が焦げないうちに)アンテナ調整を済ませたいということで、今回のものを作ってみました。


回路は1つ2つの候補がありました、回路図は最後の方で掲載しますがシンプルな構成です。SWR検出/表示などはIC-705の新しい保有機能が無茶苦茶便利に使えてFBです。7-50MHz帯で使うことを目指してトロイダルコアT68-10(7MHz側が少し心配でしたがOKのようでした)を選びコイルを何回かカットアンドトライで巻きました。

HFJ-350Mアンテナをカメラ三脚に取り付けるときの中心になるように配置してのバランスを優先したら、部品配置/ケースの穴あけ位置が決まりました。


使用域は7-50MHz狙いで、最短(空中)配線になるようにテクニック?を使います。トロイダルコアのコイルは、7-10MHzは22T+7Tで動作させて、14-50MHzは7T側で動作させます(トグルスイッチで切り替え)。



主要部品の消費税と小物ねじ他を合わせて、材料費は約\2,000です。


雲台アダプターは、カメラ固定用のネジは少し短いためにEリングと共に外して適切な長さの5mmのボルト/ナットでタカチのケース底蓋にしっかり留めます。


使い方は、HFJ-350Mは取説通りにバンド毎にエレメントやショートプラグをセットアップして、カウンターポイズも張ります(8.3m長を3本とか)。

その後は、ポリバリコンを回してIC-705の受信ノイズ音が最大になるようにし、最後は微調してSWRを落とします。IC-705のSWR計機能などで追い込むと7-50MHz帯の全バンドで1.5以下に出来ました。


ポリバリコンの耐圧とかが不明ですが、アマチュアスピリット(エイヤーとも言う)で、10W出力で使えています。

最後に回路図を添付します(手書きですみません)。3つ書きましたが、①の回路図は参考でAZ通販の中華チューナーのもので、②中央の回路図はFBニュース2020年3月及び6月号の「旅のお供 HFアンテナの製作」の整合回路部、③の回路図が今回の物です。


いずれも整合部の回路のみですが、前述のとおりにSWR検出/調整はIC-705搭載の機能を使いますので、製作した回路はSimpleに徹しました。というわけで、IC-705はやっぱりSimply the Bestですね。

今回のアンテナチューナーの検討で最初にトライしましたのは回路図①のAZの通販で¥1,500-\2,000くらいで出ています中華チューナーで、ネットであちこち見てみますと回路図なども発見できました。


しかし何人かの先人の方が評価されていますようにHF帯全バンドでの整合は厳しかったようです。コイルの巻き数をちょっと変えたりしましたが、私はうまくいきませんでした(結構頑張って空中配線しましたが、付属コアT106-2の上限周波数に関係がありそうと思います)。②と③の回路図も、いくつか実験トライをしました。今回はHFJ-350Mをうまく便利に使うことが主目標でしたので③に落ち着きました。

移動運用の要はアンテナですね。週末に山に上がっておられる常連の方々のノウハウは素晴らしいものがあると再発見しました。

さてさて、IC-705用に出てくるとアナウンスのある純正アンテナチューナーもたいへん楽しみですね。グラスファイバー製の釣り竿(振り出し式の竿)とエナメル線を準備して発売を心待ちにしています。

工作3.外部キーパッドの作成
IC-705には外部キーパッド機能があり、取説19-1のコネクタ情報に、その効能や回路図の掲載があります。
IC-705本体で、電話系(SSB/AM/FM)とCW/RTTYのモードで各8個(合計24個)のメッセージが登録でき、オートCQなどが出せます。この機能は秀逸で、使うと便利でやめられませんね。でも外部キーパッドは自分で作る必要がありますので、今回は小型でスマートなものを作ってみました。


パーツを集めて(買って)作ってみましょう。材料費は\2,000弱です。


キーパーツのプッシュスイッチはモノタロウでも扱っていて、HPには端子の寸法図も出ていますので加工時のデータとして重宝します。プッシュスイッチ8個の足が出るようにケースに穴をあけます。また、SPジャックは2つ取付けるので上と横にうまくあけます。プッシュスイッチは、今回100均ショップで買った接着剤で固定させます。綺麗にバランスよく接着し、しっかり乾燥固定して下さい。


プリント基板とかは一切なしで、いつものとおりで美しく、回路図に合わせて空中配線です。抵抗器8本ですがステレオSPジャック側から見れば、抵抗は4本ずつで対称の回路です。SPジャック2つもパラレルに接続配線して、上からも横からも、どちらからSPコネクタを差しても同じ動作をします。


プッシュスイッチのトップには、テプラで透明テープに印字したラベル(各自の思い思いの機能/文字でテープを作って)を貼って下さい。私のIC-705の事例ではCW時には下記のように設定しています。


ラバースタンプ的かも知れませんが、パイルアップ時にショートQSOに心掛けていると考えています。

さて、今回の外部キーパッドはIC-705/7610/7851で全く同じように使用出来ます(IC-7300/9700は接続法他が少し違います)が、何とIC-705では移動機らしい新たな改良が加えられています。

移動機/小型機はどうしてもジャック類が少なくなりますが、IC-705では外部キーパッドの接続先はCWのKEYジャックです。ですから1つのジャックで外部キーパッドとCW-KEYが使える賢い奴に仕上がっています(設定でエレキーパッドも接続OK)。

4.DC電源関係の紹介
移動用に購入しましたポータブル電源を紹介します。すでに移動をレポートしました回で何回か写真で登場しています。私はこれを大手通販サイトRで買いましたが、20%OFFのセールス期間で約\20kでした。注意してみていますと時々セールス期間があるようなので、タイミング良くゲットできる方がFBですね。


シガーライタープラグはAZで\600弱のものをポチッとし、DCプラグは外径5.5mm/内径2.5mmのもの(\100前後)を大阪日本橋で調達。半田付けして取り付けました。IC-705(+ラズパイ4B/FT8運用でも)では1日たっぷり使っても余裕があるようでFBです。本機はシリーズ展開で容量の大きいものがありますが、私がチョイスしたのは一番小さいタイプです。

正直な実践レポートとして、運用するバンドやSWRあるいはアースの取り回しで無線機に電源系スイッチングノイズが受かる場合もあります。当然FT8運用時はもっと条件が厳しい状況に遭遇します。使用したポータブル電源は、無線機専用の電源ではないので致し方ないと思いますが、電源フィルターやアース周りに工夫して上手く使いたいと思います。

●あとがき
今年は何年分かのお家で過ごす時間を一度で取るくらいに、自宅での時間が多くなっていて、しかも現在も継続進行中ですね。このタイミングに、あれこれホームメードするのもよい選択肢の1つだと思います。でもまだ作りたいキット類もいくつかあって、お小遣いとの要相談という笑える/笑えない台所事情も少々あります。

じつは無線ネタ以外でも、ごそごそとDIYしたものもあります。お家時間がたくさんありますので、楽しいことがふえるようにと、せっせと物作りでポジティブSTAY HOMEの実行中です。

次回はラズパイ4Bに新しい魂(ソフト)を何か入れて、さらに技術を磨きたいと思います。

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次号は 12月 1日(木) に公開予定

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