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続アマチュア無線のデジタル化

無線通信のデジタル化とは (上)

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JARLが開発したD-STARがアマチュア界に浸透して久しい。ことの発端は今から20年以上も前のことだ。それは、今でいうDX、いわゆるアマチュア界のデジタルトランスフォーメーションだったかも知れない。

無線通信のデジタル化とは

電波は、空気のように無ければ生きていけないようなものではありませんが、今の世の中、それに近いものはあり、我々の生活には不可欠なものです。身近なところでは、携帯電話、テレビ・ラジオ放送、消防・救急無線、鉄道無線など、様々な用途で利用されています。電波は有限な資源でありながら今後も自動車の自動運転やデータ伝送、移動体通信等でその利用の拡大、増大が予想されることから、電波の有効利用が大きく求められています。

その有効利用をデジタル化で促進するわけですが、通信を行う電波の占有周波数帯幅の狭帯域化(ナロー化)がもっとも重要なポイントと認識しています。デジタル方式はアナログ方式に比べてその占有周波数帯幅を狭帯域化(ナロー化)をしても伝送速度を高めることができるなど、通信品質の向上や電波の効率的な利用が可能であることから政府主導で積極的にデジタル化が進められてきました。

趣味の世界であるアマチュア無線では、平成10年度(1998年4月~1999年3月)に総務省(当時の郵政省)から当時の(社)日本アマチュア無線連盟(以下JARL)が「アマチュア無線のためのデジタル化技術の調査検討」について委託を受けました。アマチュア無線は、業務無線のようにデジタル化は強制ではないものの世の中の潮流として国家予算の一部でその検討がなされた意義は大きいと思います。その成果物としてJARLがD-STARを誕生させました。

D-STARの諸元をみますと占有周波数帯幅は9kHz以下との記載があり、6.25kHzチャンネルピッチに対応しています。現在多くのユーザーが使っているFMのチャンネルピッチは、20kHzですから半分以下です。ここで考えなければならないのは、通信のデジタル化が電波の有効利用となるのではなく、占有周波数帯幅を狭帯域にすることが電波の有効利用の大きなポイントであるということです。

占有周波数帯6kHzのAMから3kHzのSSBへ

1970年、「人類の進歩と調和」を掲げて大阪北部の千里山丘陵にて大阪万博(日本万国博覧会)が開催されました。当時のアマチュア無線のHFといえば音声の通信では占有周波数帯幅6kHzのAMから3kHzのSSBへの変革の時期でした。VHF、UHFでは占有周波数帯幅が40kHzもあるFMが主流でした。


図1 各モードの占有周波数帯幅

7MHzは国内通信が安定しているバンドとして多くのユーザーが使っていたのは今も同じですが、現在7MHz帯は200kHzのバンド幅はあるものの、当時は100kHzしかなく、バンド内は絶えず混みあっていました。OM諸氏が外誌に掲載のDBMを使ったSSB発生器を自作し、SSB送信機の製作を楽しんでいた時代でもありました。これで7MHzの混雑も解消されるだろうといったこともささやかれていたこともありましたが、それ以上のアマチュア人口の増加でQRMは減少するどころかさらにひどくなったことはよく知られるところです。

占有周波数帯幅の違い

図2は、430MHz帯におけるD-STARとFMあるいは他のデジタルモードの実運用を想定した運用局数の比較です。433.000MHzを中心に±60kHzの周波数に何局が運用できるかを表しています。D-STARは、10kHzのチャンネルピッチで運用することができますが、FMおよび他のデジタルモードでは、その半数の局しか運用できないことが分かります。これがデジタル化による電波の有効利用であると考えています。


図2 占有周波数帯幅の違いによる運用局数の差

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次号は 12月 1日(水) に公開予定

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