2014年11月号

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番外編 ハムフェア2014に参加

8月23日(土)、24日(日)、東京都江東区有明にある東京ビッグサイトで、日本のアマチュア無線界最大のイベント「ハムフェア2014」が開催されました。7月に開催された「関西アマチュア無線フェスティバル」に続いて、あーちゃん、サミー、エリーの3人は揃ってこのイベントに出かけました。

3人は金曜日の仕事が終わると、それぞれに新幹線に飛び乗って東京に向かいました。会場近くのホテルはどこも予約がいっぱいだったので、3人は会場から少し離れたホテルに宿泊することにしました。

翌日の午前10時少し前、東京ビッグサイトに着いた3人は、ハムフェアが開催される西2ホールに向かいました。そして、ゲート前に到着した3人はびっくり仰天!
 「すっごい長蛇の列!」
 「日本最大のイベントはやっぱり規模が違うね」
 「Oh, my god!! ねぇ、列がはけるまでcoffee breakにしようよ」

サミーの提案通り、3人は2階のカフェに入って様子を見ることにしました。
 「オープンしてすぐに入ると何かいいことでもあるのかなあ?」
 「ジャンクの買い物をしたい人は、いい品が売り切れないように早めに並ぶんだって」
もちろんこれは宮代先輩の受け売りです。開会式が行われ、ゲートが開かれると来場者が一斉に会場に入っていきました。押し合いへしあい状態のゲート前を眺めながら、きっとあの列の中に宮代先輩もいるんだろうなぁとエリーは思いました。

それからしばらくすると人ごみはだいぶ少なくなったので、ゲート前の警備員に入場券を見せて、3人はやっとハムフェア会場に入場することが出来ました。

入場して3人がまず初めに向かったのは、機器メーカーの展示場であるJAIAコーナーです。
 「あーっ、Masaco先輩だ♪」
M 「みんな来てたんだ。おはよう^^」
 「おはようございます。お仕事ですか?」
M 「それもあるけど、今回はほとんどお客さんみたいなものなの」
 「それじゃあ、一緒に会場を見てまわりませんか?(^O^)」
M 「ええ、もちろん」

まず初めに向かったのは、ID-51のニューモデルが展示されているというアイコムのブースです。自分たちの持っている機種の新作ということで、3人にとっては見逃せないニュースです。

 「すみません、ID-51のニューモデルってどれですか?」
話しかけやすそうな女性スタッフに質問すると、展示コーナーに案内してくれ、丁寧に機能の説明をしてくれました。話によると、今回発売されるのはアイコムの創立50周年を記念したモデルで、従来のID-51よりも機能がアップし、さらに受信に適したロングアンテナも付属しているとのこと。何より50周年記念モデルはボディカラーが5色用意されており、お気に入りの色を選ぶことができる様です。

 「ブラックのボディにホワイトのパネル!まるで夜空に浮かぶお星様みたい♡」
 「見てみて!Cuteなマリンカラーがあるよ!私にピッタリ☆」
 「このグリーンなんて、山ガールのあーちゃんのために作られたかのような色合いだね」
 「え~、そうかなぁ(〃ω〃)」
 「ID-51買ったばかりだけど、やっぱりもう一台欲しいな。全世界で限定5000台だから、今買わないと売り切れちゃいそうだし」

実際にID-51 アイコム50周年記念モデルを見た3人は買う気満々ですが、メーカーブースで製品を直接購入することはできません。限定モデルを買いに行く前に、4人は他のブースも見学することにしました。

 「次はケンウッドの無線機もいいかも☆」

 「マネキンがあるよ!かっこい~い(^O^)」

 「このアンテナすごい形!しかも伸びるんだ!欲しいなぁ・・・」

 「この無線機はID-51と交信できるのかなぁ・・・」

 「風車みたいなのが付いている機械は、総合気象観測装置って書いてあるね」

JAIAコーナーと、隣接したビジネスコーナーを一周した4人は、次にイベントテーマ展示コーナーに向かいました。
 「Cool!!」
なんと車のルーフの上にテントが張ってあります。それは車で移動運用を楽しむための無線デモカーでした。係の人に許可をもらうと、サミーとあーちゃんは大興奮でよじ登ってしまったので、エリーも恐る恐るついていきました。

ファンの人に声をかけられたMasaco先輩とはここで別行動となりました。Masaco先輩はハムフェアに二日間とも参加するそうなので、また明日会う約束をしました。

3人は勇んでID-51 アイコム50周年記念モデルを売っている販売店ブースに向かいました。
 「お兄さん、これはおいくらですか?」
 「はいはい、安くしときまっせ~!」
 「そうじゃなくてお兄さん、お・い・く・ら?」
 「せやなぁ、100万円でいかがでっしゃろ?」
 「お兄さん、それなら私ら他の店に行くわ」
 「ちょっと待ってぇな。べっぴんさんのくせに言うことキッツイわぁ。ほんなら、30万はどうよ」
 「もう一声!こっちはいっきに3台買うんだから」
 「わかったわかった、じゃぁ10万円」
 「え、3台で10万円にしてくれるの」
 「それはいくらなんでも、おっちゃん食いっぱぐれてまうでぇ。1台5万円でどや。これ以上はびた一文まけられまへんで」
 「うん、じゃあそれで手を打ちましょう」

店員さんとの会話を楽しんだ後、3人は好みの色のID-51 アイコム50周年記念モデルをそれぞれ購入することができました。さっそく箱から出して、腰に装着します。もちろん変更申請を行うまでは送信ができませんので、受信だけですが、カラフルなボディは身に着けるととても存在感があり、3人は大☆満☆足!!

それから3人はまったりとクラブブースを見てまわりました。クラブブースでは、色々なものが展示されていたり、販売されていたりします。ブースの出展者の方は陽気で面白い人が多く、3人はいろいろな人との交流を楽しみました。

総務省のブースでは、アンケートに答えるとコールサイン入りのステッカーをもらうことができました。これには免許の有効期限も記載されていました。

ひとまず、1日目はこれにて終了です。はしゃぎまわった3人はすっかりヘトヘトになって、東京ビッグサイトを後にしました。その日の夜は、恒例の女子会in東京を心ゆくまで堪能した3人なのでした。

3日目、昨日より少し遅めに向かった3人は、昨日買ったチケットを警備員に見せ、スムーズに入場しました。入場した3人がまず初めに向かったのは、特別記念局8J1Aの運用ブースです。関西アマチュア無線フェスティバルでも特別記念局8J3Aの運用を体験していた3人は、今回もチャレンジしようと前々から考えていたのでした。

8J3Aの時は比較的空いていたこともあって、3人はゲストオペレーションの制度で運用させてもらいました。ですが、8J1Aでは運用希望者が多いこともあってJARL会員を優先しているため、8J1Aを運用するにはJARLに入会しなければいけません。さらに、事前に予約をしなければ運用はできないとのことでした。

 「ねぇねぇ、JARLってなに?」
 「アマチュア無線家の活動をサポートしてくれている団体だよ。入会するといろんなメリットがあるらしいから、私はもう入会してるんだ(*^^)v」
もちろんこれも宮代先輩の受け売りです。エリーのすすめもあって、あーちゃんとサミーはJARLに入会することにしました。

JARLに入会するには様々な方法がありますが、ハムフェアではJARLのブースで入会手続きが簡単にできるようになっています。
 「あっ、昨日無線機買っちゃったからお金が・・・」
 「そうなるだろうと思って大めにお金持ってきたよ。貸してあげるね」
 「ありがとう・・・(T_T)」
入会の記念として、JARLのロゴ入りマグカップがもらえました。
 「So cute!それにシンプルで使いやすそう♪」

晴れてJARL会員になった3人は、すぐさま特別記念局ブースに戻りました。そこではMasaco先輩が、一緒に記念局を運用するため3人のことを待ってくれていました。
スタッフの方に再度申し込むと、D-STAR運用のために確保してくれていた時間があり、その時間で4人はD-STARの運用をさせてもらえることになりました。

関西アマチュア無線フェスティバルでは緊張してうまく運用できなかったあーちゃんですが、今回はスタッフの方にお願いして、運用方法をマンツーマンでレクチャーしてもらうことになりました。ベテランハムが隣に控えてくれているので、勇気が出てきたあーちゃんは思い切ってCQを出しました。

 「CQ CQ CQ こちらは8J1A 8J1A 8J1Aどうぞ」
 「わ~ぉ。あーちゃん、声がガッチガチだ」

マニュアル通りの棒読みでしたが、数回目のCQでついに応答がありました。3人以外との初めての交信です。その局との交信が終わると、次の局、またその次の局、とあーちゃんは次々に交信を成功させていきました。

 「あーちゃん、私にも代わってよ~!」
 「私もCQ出したいっ!」
あーちゃんの運用を見ていたサミーとエリーは、ウズウズして自分たちもやりたくなってきました。あーちゃんは10局ほどと交信すると、サミーにマイクを渡しました。
サミーの次はエリーの番です。自分の番でないときは、他の人がどんな風に運用するのかを見ることができ、初心者にはとても勉強になります。

運用を続けるうちに、呼んでくる局が多くなっていきましたが、DVモードでは、その特性上、電波の一番強い局しか受信しないので、楽に聞き取ることができ、その結果、3人は多数の局との交信を行いました。

最後はMasaco先輩です。Masaco先輩はラジオのパーソナリティも務めているので、話し方に淀みがなく、その声は買ったばかりのID-51 アイコム50周年記念モデルからもはっきりときれいに聞くことができました。

 「さすがMasaco先輩♡」
 「私も早くあんな風に運用できるようになりたいなぁ(*^^*)」

指導してくれたスタッフの方にお礼を言って、4人は8J1Aの運用を終えました。Masaco先輩ともここでお別れです。

初めて参加したハムフェア2014で、アマチュア無線の奥深さと面白さを改めて体感し、大満足の3人なのでした。

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