特別寄稿
2026年9月1日掲載

本稿は、アマチュア無線家向けに割り当てられているグローバルIPv4アドレス空間「44Net」を、実際に取得して利用するまでを紹介する全3回の記事の第2回です。
前回は、44Net Portalでコールサイン検証を行い、「/29」のNetwork Allocationを取得しました。今回は、Raspberry Pi 4から44Net ConnectへWireGuard Tunnelを張り、実際に44NetのグローバルIPv4で外部からアクセスできるところまで試します。
なお、グローバルIPv4アドレスを割り当てると、アドレスを誰にも知らせていなくても、世界中から無差別なポートスキャンや接続試行が届きます。脆弱なサービスや初期パスワードのままの機器が公開されていれば、実際の侵入につながる可能性がありますのでご注意ください。
今回は、Raspberry Pi 4から44Net ConnectへWireGuard Tunnelを張り、PoPから払い出されたTunnel用のアドレスで外部から到達できることを確認します。第1回で取得した44.27.yy.0/29は、このTunnelの先へStatic Routeとして設定しますが、実際の機器への割り当ては次回取り上げます。
設定作業では多くのコマンドが登場しますが、行うことは大きく分けて、44Net Connect側でTunnelと経路を作る、Raspberry Pi側でWireGuardを起動する、外部からの到達性を確認してFirewallを設定する、の3段階です。
まずは今回作る構成と、使用する2種類の44Netアドレスを整理します。

構成図
Raspberry Piには、通常の家庭内LANアドレスに加えて、44Net ConnectからTunnel用のグローバルIPv4アドレスが割り当てられます。今回の記事では、44Netに関係するアドレスとして次の2種類が登場します。

まず44Net Connectにログインします。コールサイン検証とNetwork Allocationが完了していれば、DashboardからTunnelを作成できるようになっています。Tunnel作成時には、接続先のPoPを選びます。筆者が確認した時点では、Dallas、Toronto、Frankfurtの候補がありました。

Tunnel選択画面
オーストラリアから見るとFrankfurtは遠回りになりそうです。Canadaも悪くなさそうでしたが、今回は候補の中からDallasのdfw-edge-02 / public2を選びました。dfw-edge-02には44.27.128.0/24のAvailable Networkが表示されており、この範囲からTunnel用のアドレスが1つ払い出されます。
Tunnel作成画面では、Tunnel名、鍵、接続先PoP、追加ネットワークのルーティング方法を設定します。Tunnel名は、後から見て用途が分かる管理しやすい名前にします。
Public Keyは空欄のままでも、44Net Connect側で自動生成できます。Preshared Keyは必須ではありませんが、画面上の“Generate Preshared Key”ボタンで生成すると、ダウンロードするWireGuard設定ファイルにPresharedKey行が追加されます。

Preshared Key生成画面
Tunnel作成画面には、Route additional Networks Through This Tunnelという項目があります。選択肢はNone、Static、BGPでした。今回はすでに「/29」のNetwork AllocationがApprovedになっているため、Staticを選択します。
Staticを選ぶと、その下に自分に割り当てられたネットワークアドレス範囲が表示されます。今回は割り当て済みの44.27.yy.0/29を選択しました。

ここで指定した44.27.yy.0/29は、このTunnelの先にルーティングされる追加ネットワークです。ただし、この時点ではまだRaspberry Pi自身や配下の機器に44.27.yy.xを設定しているわけではありません。あくまで44Net Connect側で「この/29はこのTunnelの先にある」と指定した状態です。
次ページは「Raspberry Pi 4を準備する」から
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