HW Lab
2026年9月1日掲載

完成した430MHz 6エレ八木アンテナをIC-705に接続して実験
前号の1200MHz八木アンテナに続き、今号もポータブル八木アンテナの製作を取り上げます。今回は430MHz帯を対象とし、持ち運びやすさを重視して6エレメント構成としました。アンテナの設計には、前号同様アンテナ解析ソフトMMANAを活用しています。
MMANAには、あらかじめ複数のアンテナモデルがサンプルデータとして用意されており、今回はその中から「12EL430.MAA」を使用しました。ファイル名のとおり、このデータは430MHz帯の12エレ八木アンテナを想定したモデルですが、本製作では小型化のため6エレ構成として変更しています。
MMANAを起動し、[ファイル(F)]→[開く(O)]を選択すると、ANTフォルダーにあらかじめ格納されているアンテナのサンプルモデルが一覧表示されます。その中から「12EL430.MAA」を選択します(図1)。

図1. MMANAのソフトウェアにあらかじめ用意されているサンプルモデル「12EL430.MAA」を選択
このデータは12エレメント構成で得られたものですが、目的とするアンテナに合わせるため導波器を6本削除します。ただし、単純に導波器を減らしただけではSWRや入力インピーダンス、さらにはF/B比が大きく変化するため、再調整が不可欠です。
再調整では、F/B比を向上させるとSWRが悪化する、あるいはサイドローブが増えるといった具合に、複数の要素が相互に影響し合います。各仕様はトレードオフの関係にあり、満足のいくバランスを得るには試行錯誤が必要です。最終的には、ある程度で見切りをつけた仕様が、下記に示すデータとなります。
(1) 仕様の決定
基本的には軽量・小型化を図るために材料の多くはアルミニウムを使用しています。電気仕様は次の通りです。
・エレメント数: 6
・形状: 移動運用を考慮した小型・軽量を図る
・放射器: 折り返しダイポールの構造
・給電: 50Ω系の同軸ケーブル
・インピーダンス変換: 1:4 Uバランを使用した平衡・変換不平衡
・ブームの長さ: 約80cm
・取付け: アンテナはカメラ用三脚に取付けられるようにする
(2) MMANAによる6エレ八木アンテナの設計
前述したように「12EL430.MAA」のデータを変更して6エレ八木アンテナにしたものを図2に示します。
赤色で示したエレメントが放射器です。50Ω系の同軸ケーブルで給電することを考え、折り返しダイポール(FD)の形式とし、給電部のインピーダンスを200ΩとしてMMANAで設計しました。ここで1:4のUバランを用いることで、インピーダンス変換に加え、平衡・不平衡の変換も兼ねています。
また、図2のアンテナの元となるMNANAのアンテナ定義を図3に参考で示しておきます。

図2. MMANAによる430MHz 6エレ八木アンテナの設計

図3. MMANAで設計した430MHz 6エレ八木アンテナのアンテナ定義
図4は、MMANAで求めた最適値を基に指向性パターンを図式化したものです。サイドローブは比較的強く、理想的な八木アンテナの指向性には届いていません。しかし、F/B比は約20dB、433.00MHzのSWRは1.00、さらに給電点インピーダンスも設計どおり約200Ωと良好であることから、この仕様で進めます。

図4. MMANAで設計した430MHz 6エレ八木アンテナのスペック
次ページは「アンテナの製作」から
HW Lab バックナンバー
アマチュア無線関連機関/団体
各総合通信局/総合通信事務所
アマチュア無線機器メーカー(JAIA会員)
©2026 月刊FBニュース編集部 All Rights Reserved.