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第18回 マグネチック・ループ・アンテナを楽しみましょう!


こんにちは! 新人編集員のアキラです。MLA(マグネチック・ループ・アンテナ)って、とってもコンパクトなサイズで面白そうですよね。特に私のようなアパマン・ハムは狭いベランダを有効活用したいので、ずーっと気にしていたアンテナの1つです。今回はそのMLAの使用レポートです。

秋葉原に行った折には“ロケットアマチュア無線本館”に寄って、MLAや類似のアンテナ、そしてアンテナ周辺パーツはいつもチェックしますね。無線機本体のみならずアンテナに力が入ったお店なので、MLAとかの実物をチェックするにはグッドですよ。いつも秋葉原では、いいなあと思いつつ、買う一歩手前で止まっていました。最近はお家にいる時間が長いので、MLAメーカーのフィールドアンテナ社のホームページ/ショップページを何回も見て、ついに今回ポチッとしてしまいました。

今回購入しましたのは、いくつかのラインナップの中から50/28/21MHz対応の「MK-6AM」というアンテナです。ポチッとしてから割と早く宅配便で到着しました。


実は「MK-6AM」と29~7MHz対応の「MK-7AM」という2択で、甲乙つけ難く、一晩くらい考えました。選択/決定のキーワードは、①MLA入門としてトライする、②50MHzは試してみたい、そして最後の重要キーとして、③大2枚でおつりが来る(送料込み)でした。

梱包ケースより出したMK-6AMの第一印象は、丁寧できれいな仕上がりで良くできているなあという事です。MLAが1台、1台で手作り調整されている感じが伝わります。ループの直径は定格で67cm、重量は1.2kgです。昔にちょっと流行った50MHzのスクエアローというアンテナと似たサイズで、スクエアーがループになった印象です。これで、50/28/21MHzに出られるならアパマンハムには打ってつけのサイズですね。


さて、それではバンド切り替えやSWR調整はどのようになっているのでしょうか? 出荷状態では21MHz帯になっています。本MLAは、写真のように10D-2Vで作られた同軸コンデンサ①/②が付属されていて、バンドの切り替えは蝶ネジでの対応です。

21MHz帯=同軸コンデンサ①+②をセットする。
28MHz帯=同軸コンデンサ②のみをセットする。
50MHz帯=同軸コンデンサなしにする、の3種の組み合わせとなっています。

アンテナ/SWR調整は、リモコンによるモータードライブで、とてもスマートです。トロンボーン状の可変コンデンサがモーター駆動で静かに上下方向に動いて同調範囲が調整されます。小出力のキャリアを送信しながらSWR計を見て調整すると、すーっとSWRが下がっていきます。“SWR調整BOX”には単3電池が3本入ります。

それではMLA/MK-6AMをベランダにセットアップします。今回は水平方向に出したいと思います。セットアップのために購入したパーツ類は、DXアンテナのクロスマウントPT-08B、ホームセンター・コーナンのポール、アンテナからリグまでの延長用同軸ケーブル、そして家にあった自転車を室内保管するためのミノウラ・バイクスタンドをアンテナ基台に流用しました。そうそう、アンテナ本体を腐食などから保護するためナガラ電子工業のテナコートも買って、塗装(ぬりぬり)の作業をします。


材料が揃うと、あっという間にアンテナの設営が完了しました。美しい姿ですね。大振りの金属探知機みたいに見えなくはないですね。でも電波探知機、いや磁界探知機みたいなものですね。このサイズのMLAはコンパクトでベランダ設置も簡単です。


MLAの設置まで快適でしたが、その後に残念ながら数日の雨模様となり天気回復をまって、やっとテナコートの塗布作業が出来ました。ウエスで表面を掃除して、3回塗布しました。こうしておくと塩害や酸性雨などよりアンテナが守られます。グッド!


さて、実際にアンテナを使って楽しんでみましょう。先輩アンテナとして我が家のベランダには、ダイヤモンドの5バンド短縮ダイポールのHFV5が約5年前から鎮座しています。このHFV5は、衛星放送のパラボラアンテナを載せていた基台に取り付けています。ケーブルTVと契約する以前にはスカパーのパラボラが乗っていました。そして、釣り竿+ATUアンテナもいます。これらは、おおよそ20mHの地上高以外は目立った取柄がないのですが、太陽黒点を友達にしてDXも楽しんでいます。ここに新人アンテナのMK-6AMが仲間に加わりました。それぞれに個性的なアンテナです。


さあ、MLAを試してみる環境が整いまして、実際の電波が聞こえるようになりました。本日から、ダイヤモンドのHFV5とMK-6AMを比較試験したいと思います。


でもその前にMLAとはどんなアンテナなのか、今一度チェック/勉強してみましょう。


MLA(マグネチックループアンテナ)はスモールル-プアンテナとも呼ばれますが、そのル-プ長は電波の波長に比べて非常に小さくて、電波の磁界成分だけを捉えて動作します。電磁波のうち周波数が3THz以下のものを電波と呼んでいますが、電波が空間を伝わるしくみは、アンテナに供給された高周波電流が電界を作り、この電界が磁界を作り、この磁界が電界を作るという繰り返しで空間を伝わります。

また、私たちが嫌いなノイズについてですが、電気機器(蛍光灯やモーター、その他など)から発生する電波は電界成分が強いと言われているようで、MLAで磁界成分だけ受信すれば妨害電波の少ない、S/N比のよい受信が出来るという説明があります。MLAの性能については、ダイポールよりは若干劣る程度(93%くらい)であると言われているようです。

はい、それではまず50MHz帯からIC-705を使って調整/測定してみましょう。


MK-6AM/50MHz
まずSWRの調整ですが50MHz帯では1.0近くに容易に追い込めます。リモコンのモータードライブで、トロンボーン型のコンデンサの出し入れ(Up/Down)で調整しますが、ちょっとクリチカルです。でも一度調整したら共振周波数はフラフラしません。しかし、雨が降ってアンテナが濡れると共振周波数がズレるので要再調になります。(乾けば戻るようです、しかし雨によるズレは再調が必要なほど大きい変化があります) SWR1.5以下の帯域は、250kHz以上は取れています。

HFV5/50MHz
ずーっと使っていますアンテナなので今更なのですが、今回は比較として測定します。SWRは、約1.2になっています。(以前に調整しましたが、安定しています) SWR1.5以下の帯域は軽く500kHz以上あります。(取説では定格で約1MHzあります)

50MHz帯の送受信について
まずMK-6AMは予想通りでMLAなので受信ノイズが低いという実感があります。平日は夜になれば数組程度のローカル・ラグチューや、休日は山の上とかから移動局(寒い時期は自動車の中からの運用もありますね)も出て来る局もいます。MK-6AMを設置してから数日の間、HFV5と聞き比べしてみました。6対4か、7対3くらいでMK-6AMの方がよく聞こえました。HFV5との受信優劣差がある理由については後ほど考察します。

送信について、ローカルさんにレポートを貰いました。何も言わずにQSOにアンテナを切り替えても気づかれませんでした。また、MK-6AMとHFV5の指向性の違いがあるのかな? 設置方や狭いベランダでの同バンドアンテナ同志の干渉があるように(送受両方で)感じました。MK-6AMの方が飛びも少しよいようです(この少しは大切です)。送信耐入力は取説定格の通りで100Wまでいけますね(100W機も接続しました)。

28MHz帯の送受信について
次に28MHz帯にして、同じくIC-705を使って調整/測定してみましょう。


MK-6AM/28MHz
まずSWRの調整ですが、1.2くらいに追い込みました。写真のように給電ループを引っ張って伸ばし、リモコンのモータードライブの調整とで落とし込みます。本来ならば、アンテナ(ベクトルネットワーク)アナライザーなどを使いながら、SWRよりはRXを見てX(リアクタンス)が0ぴったりになるように調整してRが50Ωになるように結合ループ/コンデンサの調整をするのがよいと思われますが、ここはアマチュア精神?で、SWRが下がるように様子を見ながらの調整です。SWR1.5以下の帯域は50kHz以上取れています。SSBに出たいならモータードライブで、ブイーンとチューンします。

HFV5/28MHz
このアンテナは7/14/21/28/50の5バンドなのですが、今回はごめんなさいで28MHzが使えません。オプションの18MHzコイルを買った時に、28Mのコイルと交換したからです。

28MHz帯の送受信について
ずーっとIC-705の電源を入れて28.074MHzのFT8の周波数を一日中受信していますと28.7MHz近辺でスコープに波がみえます。何かなあ? ああ本日は土曜日ですから、20時から28.710MHzで南大阪AMロールコールが開催されていて、そのキー局が入感しています。さっそくモータードライブでアンテナを調整して、キー局を呼んでみました。キー局59/アキラ58のレポート交換ができました。IC-705の受信はプリアンプ1ですので、プリアンプOFFにするとキー局はS5.5くらいですね。IC-705のAMの定格出力は2.5Wですから、S8のレポートが貰えたことは、MLAは上出来だったのではないでしょうか。南大阪AMロールコールは1980年2月スタートで、本年で41周年とアナウンスされていました。誠におめでとうございます。

送信耐入力は取説定格の通りの50Wは、今回の私の調整では厳しかったです。SSBでは50W程度まで何とか入るようですが、連続キャリアやCWなどでは厳しいようです。CWで連続キャリアを入れて徐々にパワーを上げて行くと、30Wを超えるあたりからSWRが立ってきます。コンデンサが飽和するのでしょうかね? 給電ループの調整とかで改善されるのではと思われますが、28MHz帯の耐入力は厳しめに感じられました。

21MHz帯の送受信について
最後に21MHz帯をトライしてみましょう!


MK-6AM/21MHzのSSB帯
SWRの調整ですが、1.2くらいに追い込みました。写真のように給電ループをさらに引っ張って細長く伸ばして、リモコのモータードライブで調整とで落とし込みます。SWR1.5以下の帯域は30kHz以上あります。さすがに21MHzになると共振帯域はさらに狭くなりますね。でもこれこそがMLAの特徴でノイズや妨害に強い理由の1つでしょうね。周波数の移動はモータードライブでブイーンですよ。


HFV5/21MHzはSSB帯に調整済です
このアンテナはSSB用の周波数に調整済で、SWRは、約1.2になっています。(以前に調整しましたが、ずっと安定しています) そして、SWR1.5以下の帯域は100kHzくらいあります。このアンテナの周波数調整は、調整エレメント(左右あり)の出し入れで行いますが、21MHzの場合は1cmで約200kHz変化して、レンチで固定する方式なので、ベランダでの調整も根気が要るので寒い時期などはあきませんですよ。よって今回はHFV5の周波数は以前のままで、主にはSSB局で比較しました。

21MHz帯の送受信について
4~5日にわたり、21MHz帯で使用/試験しました。初日はEスポが発生しており、JA8やJA6、そしてJA0も弱めに、また、お隣りのHLの局とかがSSBで聞こえています。聞き比べですがMK-6AMが強く聞こえる場合が多く、Sで2つ3つの違いがあることが多いです。JA3の方がCQを出していましたが、このSの強度は同等でした。しばらくワッチを続けましたがやはりMK-6AMの方が、耳が良い場合が多いです。

FT8/21.074MHzもモーターで調整して、聞いてみました。受信差でHFV5はチューン外の帯域ですから参考程度ですが、それでもMK-6AMにすればSが3つ4つくらいは上がる感じです。本日のFT8/21MHz帯は近隣アジアと欧州方面で、15秒インターバルの間に10数局が出ているコンディションでした。SSBは聞こえない日でもFT8は弱かろうが時間帯はありますが毎日の入感がありました。送信耐入力は取説の定格の通りで50WまでOKですね。ちなみに50W以上入れますとどうなるか、結果はSWRが立ってきます。たぶんコンデンサとかが飽和するのでしょうね。

MLA(マグネチック・ループ・アンテナ)/MK-6AMを使ってみたまとめ
総評としてMLAは、私のようなアパマン・ハムの狭いベランダを有効活用するという趣旨にはとてもマッチしていると思います。今回のアンテナの運用で体感したことは、周囲の影響を非常に受けにくく、障害物が数十センチ程度のところにあっても、容易にSWR1近くに調整することができました。ベランダが狭くて設置場所が限られ、アンテナを建物から離すことが難しいアパマンには大変嬉しい特徴ですね。アンテナがベランダにあってもなかなかの結果であったことがよいポイントです。

短縮V型ダイポールのHFV5はもう5年以上使っています。やはり建物より離して設置することが出来ない(衛星放送/パラボラアンテナのベランダ用基台に設置)からという理由なのでしょうが、電波の飛びがいまひとつよくないのが弱点の1つです。でも5つのバンドの状況を確認するなどには手軽に便利で、ずっと使用しています。

MK-6AMでは50/28/21の3バンド共に雨によるズレ発生は同じ傾向がありました。雨による影響は、アンテナが濡れるとズドンと下のバンド外へ共振周波数がズレてしまうので、再調整が必要になります(取説にも本件はしっかりと明記してあります)。この影響は共振周波数だけで、バンド幅が狭くなったりするようなことはないようです。天気が回復して乾けば元のSWRに戻ります。

HFV5でも21MHz帯は雨に濡れるとズドンと上のバンド外に共振周波数がズレましたが、モーターもないので容易に再調整は出来ません。やはり乾くのを待つのみですね。HFV5の50MHz帯では共振範囲が広いためか、私が使うSSBやFT8の周波数では雨による影響下では送受共に何ら問題なしでした。

受信の比較ではMLA/MK-6AMが総合でやや良し、と思います。50MHz帯ではそれぞれのアンテナの指向性と相手局の位置によって、MLAが良い時と短縮DPが良い時に違いがあり6対4か、7対3くらいでMK-6AMの方がよく聞こえていました。うまく言えませんがMK-6AMは水平方向設置ですが完全な無指向性ではないように思います。また狭いベランダに統一周波数帯のアンテナを設置していますので、互いの干渉はしっかりあると感じました。

21MHz帯の比較では、8対1か、7対1でMK-6AMの方がよく聞こえていました。なぜでしょうか? 21MHz帯の伝搬では色々な経路から来る電波を捕らえるのはMLAの方が優れているからかなあ? 50MHz帯では直接波が多いからでしょうか。あまりうまくは説明できません。我が家のベランダの結果はこのような感じでした。

受信ノイズでは50MHz帯はMK-6AMの方が静かでしたが、21MHzではあまり差が感じられませんでした。でも21MHzではSがより強く受かりS/Nがよかったですね。送信では50MHzのローカル局のレポートではMK-6AMの方が、やや良しといった結果でした。送受の性能/結果は比例していたと言えるでしょう。なお21MHzの送信については、今回はレポートをいただけるまでの実験が出来ていません。

MLA (マグネチック・ループ・アンテナ)を使ってみましたが、皆さんのご参考になりましたでしょうか。私は今後50MHzを中心に使って行こうと思っています。このアンテナはアパマン族にとって1つのよい選択肢と思いました。3バンド対応ですが、バンドの切り替えで給電ループの調整がやや手間要でパパっと行かない(ちょっとコツの飲み込み要)ので、季節によって的を絞ってバンド選択して使いたいですね。希望/リクエストとしては28MHzや21MHzも100Wの耐入力があればなあって思いました。

●あとがき
今回購入したMLA/MK-6AMは、我が家の狭いベランダでアンテナを建物から離すことが難しいアパマン・ハムの私には、大変嬉しく楽しいアンテナです。でも本当はHB9CVのような八木アンテナも欲しいですが、回せない(借金で首が回らんのではないですよ)のでね。

50MHzでは今の季節は時間帯にもよりますが、Eスポの発生とかで、日本国内の北から南までのみならず海外の信号入感なんてことがよくあるバンドです。2021年に入って早速の時点でも、VK/オーストラリアやZL/ニュージーランドなどの入感がありましたね。FT8でしたけれど、交信できた人も少なからずおられましたね。少しは私の50MHzのDXCCも伸びますように!皆さんFBDX。ではまた次回まで。

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