2015年11月号

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SEANETコンベンション2015参加記

2015年10月15日から4日間、インドで「第43回SEANETコンベンション」が開催された。本誌連載「海外運用の先駆者達」の筆者でもあるJA3AER 荒川泰蔵氏から、その参加レポートが寄せられたので紹介しよう。

第43回SEANETコンベンションは、2015年10月15日から4日間、インド南西部のKerala州、Alapuzhaの水郷地帯の中にあるLake Palaceホテルで開かれた。インドでの開催は1996年のマドラス(現在のチェンナイ)、2005年のバンガロールに続いて3回目で10年ぶりになる。


参加者の集合写真(コンベンション終了後、主催者から参加者にメールで配布されたもの。なお、以下の掲載写真は主催者提供以外に日本人参加者から提供いただいた写真も含んでいます)

筆者は前回の2005年に続いて2回目であるが、前日の14日の朝、関西国際空港から出発し、シンガポール経由でコチ(Kochi)空港に夜遅く到着した。主催者側の出迎えを受け、そこから2時間余りのバスと船の旅で、ホテルに着いた時は深夜を過ぎていた(日本との時差は3時間半)。翌朝、郵便局行きを兼ねてトクトクでAlapuzhaの町を散策した。


(左)Alapuzhaにある郵便局の一つ。(右)関西空港出発時に風景印を押したカバーに、Alapuzha郵便局10月15日付けの消印を押してもらって記念のカバーにした


(左)JE3BEQ宮本さんと小型3輪タクシー・トクトクで町を散策。(右)すると、前方を歩く象が道路を遮った

今回の参加者は約80名で、海外9か国から約50名のうち、日本からは7K3EOP 戸倉さん、JL1XWR 井上さん、JE3BEQ 宮本さん、JA5EVQ 湯さん、JA3AER 筆者の5名であった。フィリッピンから参加のDU1YV(JA2KLT)丸山さんとインド在住のVU3OTK(JM1NCA)太田さんを加えても日本人は7名だった。会場となるホテルは船でないといけない場所で、町の喧騒とはかけ離れた治安のよいリゾート地であった。


(左)ホテルのロビーにて後列左から、VU2KKZ Rajaさん、JL1XWR 井上さん、V85TL Tamatさん、Tamatさんの奥さんとお嬢さん、7K3EOP 戸倉さん、前列左から、JE3BEQ 宮本さん、JA3AER 筆者。(右)池が見える静かなホテルのレストランでの朝食。期間を通じて朝食はここでのバイキングであった。左からJL1XWR 井上さん、7K3EOP 戸倉さん、JE3BEQ 宮本さん


(左)桟橋の向こうが、Lake Palaceホテルのロビーとレストラン。(右)ホテルのガーデンと客室、平屋または2階建てのバンガローが客室(2点下の写真にあるVU4SEAのQSLカード参照)

初日15日(木)の昼食後に受付が始まり、庭園では歓迎のために男たちが打ち鳴らす音楽に合わせて、Theyyamと呼ばれるケーララ州独特の服装での古典舞踊が披露された。


(左)SEANETコンベンションの受付で、代表のVU2KKZ Rajaさん(右端)が参加者を歓迎した。(右)庭園では歓迎のために男たちが打ち鳴らす音楽に合わせて、Theyyamと呼ばれるケーララ州独特の衣装での古典舞踊が披露され、参加者との記念撮影にも応じてくれた

開会式が始まるまでにと特別局VU4SEAのシャックを訪問してゲスト運用をさせてもらったが、その後の運用を含めて、残念ながらJAとはQSO出来なかった。


(左)VU4SEAを運用する筆者。TS-590にアンテナは3バンドDPであったが、指向性が南北に固定していて、JA方向には不利だった。(右)VU4SEAのQSLカード。図案にホテルの俯瞰写真が使われている

開会式はホテル内のコンベンションセンターで開かれ、インド式のお祈りから始まり、Nala Villakkuとういう伝統的なランプの点灯の儀式が行われた。そして主催者を代表してVU2KKZ Rajaさんの歓迎の挨拶を兼ねた開会宣言の後、ケーララ州の民族舞踊を楽ませてくれた。


(左)会場から指名された女性たちが前に出て、ランプにそれぞれ点灯した。(右)ケーララ州のKathakaliと言うユーモラスな化粧と衣装でのダンス劇などを楽しませてくれた

2日目、10月16日(金)の午前中はテクニカル・セッションとして3つの講演があり、TechnoparkのCEOであるVK2KGB Girishさんが「ケーララ州はICT/ソフトウエア―のセンターとして、バンガロールや米国のシリコンバレーを抜いて世界一になる」と、その計画について講演され、続いてVU2CDP Deepakさんのコンテストの世界についての講演があった。最後はDr.Abdul Zuhinによる、健康を維持し心身を若返らせるインドの伝統医学、アーユルベーダについての講演だった。


左から、講演をするVU2KGB Girishさん、VU2CDP Deepakさん、Dr.Abdul Zuhinと講演に耳を傾ける参加者たち

昼食後は全員が2階建ての船に乗り込み、水郷地帯のクルーズを楽しんだ。多くの観光船や手漕ぎのボートなどが行きかうこの地域の田園風景や、運河畔の人々の住宅や生活を垣間見ることができた。


(左)クルージングで出会ったハネムーンのカップルを乗せた船。(右)船上から写真撮影に余念のない参加者たち。手前からDU1YV 丸山さん、JE3BEQ 宮本さん、JA5EVQ 湯さん

夕暮れから庭園の芝生に椅子を並べて観客席とし、ヤシの木が背景になる通路を舞台として、今回のコンベンションの準備と運営を手伝った人達をRajaさんが紹介した後、太鼓を打ち鳴らしながら曲芸的なパフォーマンスを見せる民族舞踏を楽しませてくれた。


(左)Rajaさんが紹介したインドの人たちとその家族。(中央)太鼓を打ち鳴らしながら曲芸的なパフォーマンスを見せるDollu Kunithaと、(右)平太鼓のリズムに合わせ、頭上に乗せた飾りのバランスをとりながら踊るPooja Kunithaという伝統舞踏のショーを楽しませてくれた。これらの劇団はRajaさんがバンガロールから呼び寄せたとのこと

3日目の10月17日(土)は集合写真を撮影後、船で渡った船着き場から2台のバスに分乗して観光に出かけた。コチにあるケーララ民族博物館を見学した後、BTHサロヴァラム・ホテルでの昼食は、Sadhyaと呼ばれるヤシの葉の上に乗せたカレーなどのベジタリアンフードを、右手の指に乗せて食べる体験だった。昼食後は歴史的な街Fort Kochiへバスを走らせ、バスコ・ダ・ガマの墓がある聖フランシス教会や、マッタンチェリー宮殿などを見学し、スパイス・マーケットでのショッピングを楽しんだ。


(左)観光バスの背後がケーララ民族博物館。小規模ながらこの地方の文化や歴史を物語る遺産がぎっしり並べられていた。(右)ベジタリアンフードを右手の指に乗せて食べる体験。右から7K3EOP 戸倉さん、JL1XWR 井上さん、JA3AER 筆者、DU1YV 丸山さん

夜はコンベンションセンターで参加各国別のパフォーマンスに先立って、6月に開催されたSEANETコンテストの結果発表があり、筆者は9位だったが参加賞(盾)をいただいた。


(左)VU2KKZ Rajaさんから、SEANETコンテストの参加賞を受け取ったJA3AER 筆者。(右)QSLカードの画像データを提供したお礼だとして、ダイレクトリーに掲載された歴代のSEANETコンベンション特別局のQSLカードのページのプルーフ印刷を、額装してプレゼントしてくれた

アルファベット順でオーストラリアから始まるパフォーマンスは、すぐ日本にも回ってきて、JE3BEQ 宮本さんの指揮で、日本人6人が壇上で「旅愁」と「You are my sunshine」を合唱した。最後のパフォーマンスは主催国のインドで、VU3OTK 太田さんは、インドのチームにも参加して一緒に歌われた。


(左)JE3BEQ 宮本さんの指揮で「旅愁」を合唱する日本人参加者。壇上左から7K3EOP 戸倉さん、DU1YV 丸山さん、JA5EVQ 湯さん、JL1XWR 井上さん、VU3OTK 太田さん、JA3AER 筆者。(右)主催国インドのパフォーマンス。VU3OTK 太田さんはここへも出演(右から3人目)

最終日の10月18日(日)は朝食後、最後の行事として総会が開かれ、9M2KN Dr. Kenさんを議長に選出、先ず次回の開催地タイを代表してHS1XIM Ponrawatさんが、インドのVU2KKZ RajaさんからSEANETのバナーを受け取った。SEANETに関連するいくつかの課題を討議した後、再来年2017年の開催地をカンボジア、またはマレーシアと決めた。最後にVU2ETS Saravさんの閉会の挨拶で、全てのプログラムを無事終了し、別れを惜しみながら散会した。


(左)会議で議長を務める9M2KN Dr. Kenさん。(右)SEANETのバナーの引き継ぎ。左から9M2KN Dr. Kenさん、VU2KKN Rajaさん、HS1XIM Ponrawatさん

(寄稿/JA3AER 荒川泰蔵氏)

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