Monthly FB NEWS 月刊FBニュース 月刊FBニュースはアマチュア無線の電子WEBマガジン。ベテランから入門まで、楽しく役立つ情報が満載です。

2アマ女子エリーの“あまちゅあ無線に恋してる!?”

第3回 海からCQ。さらに雛コンテストに初参戦!

3月3日(日)JLRS主催の「3・3雛コンテスト」に参加するのを楽しみにしていたエリー。しかし、この日は西日本ハムフェアの開催日。月刊FB NEWSのスタッフは取材のため(大阪から)福岡へ行くことになっています。

スタッフ「・・・ということなので、一人で運用してください!」

エリー「ID-51しか持っていないので、自宅からではコンテストは厳しいですぅ」

スタッフ「山に登りなさい!」

エリー「えー、一人で山に登って運用するんですか、そんなの無理です」

そこで考えたのが、エリーが取材スタッフに付いて西日本ハムフェアの会場へ向かい、その道中と会場から運用(雛コンテストに参加)するという計画。しかし、新幹線は?速過ぎて交信なんてできません。車?大阪から福岡まで車の長距離移動は疲労が心配です。やっぱり無理か、と思ったその時、「フェリーは?」とスタッフがぽつり。

調べてみると、西日本ハムフェアの前日の夕方に大阪を出て、3日の早朝に福岡(新門司)に着く便がありました。フェリー会社に問い合わせたところ「船にアンテナを固定したりしないこと。他の乗客に迷惑をかけないこと」等、条件付きでOKが出ました。これで、エリーは一人で山に登ることなく、雛コンテストに参加することができることになりました。

フェリーから初運用

春というにはまだ早い3月2日、天候は曇りで気温は10℃前後。甲板上は強風が吹き荒れており、実際の気温より体感温度はかなり低め。こんな状況なので、甲板に出ている乗客はほぼゼロ。見方を変えれば、無線をしても他の乗客に迷惑がかからない、という点では理想的な状況です。

なお、普段はFBガールズレディオクラブ、JL3ZGLで運用しているエリーですが、今回は雛コンテストが個人局のみという規定だったため、エリーの個人コールサイン、JP3JZKでの運用となりました。使用したリグはID-51、アンテナは今回のために購入したダイヤモンドアンテナのSRH770Sです。 これは少しでもアンテナでゲインをかせいで、遠くのレピータと安定した通信をしようとしたスタッフのアイディアです。

まずは、ID-51の最寄レピータ検索機能を使い、泉大津レピータを見つけ出してアクセス。CQを出すと間もなく応答がありました。その後も、順調に呼ばれます。交信中に“JP3JZK”で検索されたのか「有名な方なんですねぇ」と言われて「嬉しいような、恥ずかしいような」。そんな思いをしたりしながら、楽しくQSOを続けます。そして、最初の1時間で8局と交信することができました。寒さも吹き飛ぶ上々のスタートです。フェリーのエンジン音は思っていたより静かで、交信に支障はありません。また、揺れも少なく、最悪の事態「エリーが船酔いする」ということもありませんでした。


強風の中、広い甲板で一人、運用するエリー。ちょっと怪しいです

フェリーが進むのに合わせて、泉大津、阪南、灘、高松、倉敷とレピータを切り替えながら運用を続けます。しかし、最初こそ安定していましが、時間とともに電波状況が不安定になり、会話が途切れ途切れになったり、完全に切れてしまったりすることが多くなりました。Facebookには「○○レピータで待機しています」というメッセージが続々と届いていることもあり、エリーにも徐々に焦りが見え始めます。時間とともに気温は下がり、風も強くなる中、少しでも電波をキャッチしようと、甲板上を右往左往したり、無線機を高く掲げたり、ありとあらゆる方法でQSOを試みました。フェリーの甲板で、この行動は相当怪しいですが、そもそも怪しいと思う人(他の乗客)がいませんでした。


日が暮れて、手元を懐中電灯で照らしながら運用するエリー。さらに怪しい雰囲気に・・・


電波を求めて、闇に包まれた甲板を右往左往するエリー。かなり怪しいです


21時を過ぎ、怪しいを超え、ついにホラーの領域へ

やがて立っているのも大変な強風となり、さらに気温も下がってきたため、船内へ避難。しかし、聞こえず、飛ばずなので、再び甲板へ移動。吹き飛ばされそうになって、また船内へ避難。レピータに電波が届かなくなると、再び甲板へ。甲板と船内を何度も往復しながら、運用を続けました。運用を続けること5時間。22:00になったところで、新門司港に着くのが早朝6:00ということもあり、西日本ハムフェアに備えて就寝となりました。フェリー上から交信できたのは、15局でした。


(写真左)寒さと強風に耐え切れず船内へ避難、(写真右)少しでも電波をキャッチしようとガラスにへばりつくエリー

西日本ハムフェア会場から雛コンテストに参加

船旅の疲れもみせず、会場に到着すると、メイン会場となっている体育館の2階観客席に陣取り、早速運用を開始するエリー。この日は雛コンテスト。1局でも多くゲットしたいところです。しかし、ハンディ機ということもあり、交信相手はほぼ会場内の局のみ。かなり限定されてるため、多くは望めません。ただ、会場での運用は、まったく怪しくなく、周りを気にする必要はありません。しかも、フェリーの甲板のような強風もなく、思う存分QSOを楽しむことができました。

交信した方とアイボールQSOをしたりしながら、会場内だけで、38局と交信することができました。ログを見ると、9以外の全エリアのコールサインがありました。西日本ハムフェアへは、全国から来場されていることがわかりました。


ここ(西日本ハムフェアの会場)なら、無線をしていても全く怪しくありません

帰りもフェリーから運用

帰りもフェリーから運用しました。しかし、港(新門司港)から一番近くにある福岡レピータが停止しており、さらに他にアクセスできるレピータもなし。しかも、この日は悪天候で、甲板に出ることができませんでした。乗船後、1時間おきにレピータへのアクセスを試みましたが、船内からは全くつながりません。少しでも状況を変えようと、ガラス窓にへばり付いたり、アンテナを高く掲げたり、あらゆる努力をしましたが状況は改善せず。やはり、船内からは厳しいようです。寒くても甲板に出ることができれば何とかなったかも知れませんが、甲板への出入り口が閉鎖されており、それもできず。帰路はQSOゼロという最悪の結果になってしまいました。


悪天候のため、甲板には出ることができず。船内に閉じ込められてしまいました

多くの局にお待ちいただいたにも関わらず、電波を届けることができず、残念で、申しわけなくて、落ち込むエリー。そこで急遽、「D-STAR全国ツアー」を4月7日(日)に開催することになりました。詳しくは月刊FB NEWSのFacebookをご覧ください。

あらかじめ、メールでご希望のレピータをお知らせいただければ、優先的に「CQ」を出させていただきます。当日、都合が悪くなって応答できなくてもOKです。前回QSOされた方も、どんどんリクエストしてください。

●レピータリクエストの応募:応募期限4/5(金)17:00
・E-mail: info@fbnews.jp
Eメールの件名(タイトル/Subject)には「レピータリクエスト」とご記載ください。

2アマ女子エリーの“あまちゅあ無線に恋してる!?” バックナンバー

2019年4月号トップへ戻る

次号は 12月 1日(木) に公開予定

サイトのご利用について

©2024 月刊FBニュース編集部 All Rights Reserved.