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特別寄稿

アンテナ解析ソフトMMANAを使ってHB9CVアンテナを設計してみる
後編 144MHz HB9CV+430MHz 八木

JA7LRU 松本敏巳

2026年11月2日掲載

製作

図5にモデル図と各寸法を示します。(詳細はMMANA定義を参照、L5~L8の横幅は調整後の値です)

前編のHB9CVと同様にエレメントにはアルミ・パイプをヘアーピンと位相差用クロス線にはアルミ棒を使用します。(ヘアーピンとクロス線はねじ止めしますが、のり代分が必要です)この位相差用クロス線のクロス部を互いに接触しないようにビニルテープを巻きます。(振動しないように結束バンド等で固定しても良いでしょう)

また同様にブームにエレメントの固定用として木の角材を使用します。これは各自の好みで樹脂製を使っても良いでしょう。144MHzは大きく重いので金属のなべ小ネジで固定し、430MHzは樹脂製小ねじで固定します。

給電用同軸には、RG-58U同軸ケーブル外被の上に5D-2Vの網線を被せ、ショート側をRG-58Uの網線に半田付けして絶縁テープで巻いたシュペルトップバランを付けます。長さは2mの1/4λの約51.72cmです。(435MHzでは3/4λ)

ブームと145Raエレメントの固定用角材に、この同軸が通る穴を開けて、Ra給電側と角材の出口側を結束バンドで固定して抜けないような加工も前編と同じです。無線機までのケーブル長は仮設確認なので、電気長で145MHzで3倍(435MHzでは9倍)の約4.1586mとしました。これで給電点のSWR値が無線機でも判ります。

写真1に145MHz HB9CV+430MHz 八木の仮設写真を、写真2は給電部写真です。



図5 145MHz HB9CV+430MHz 八木の各部
(Arcw2ADJ2mHB9L1FBmax4304elYagi.maaを使用)


写真1 アンテナ全体


写真2 給電部

調整

無線機で測定した144MHzと430MHzのSWR特性を図6と図7に示します。

Arcw2ADJ2mHB9L1FBmax4304elYagi.maaの寸法で製作したら、144MHz側は図6に示すように一回で良い所へいきましたが、430MHz側はバンドの上側でSWR=3.0で、これより下はSWR=3.0よりかなり大きく、共振がバンド外の上にあるようです。

そこで試しにL5=0.3m(L6~L8は比率を合わせて変更)にしたら、freq=435.04MHzでSWR=1.3~1.4まで下がりましたがまだまだ大きいです。いろいろ横幅を調整して図5の調整後の寸法にしたら、ちょっとSWR<1.5の帯域幅は狭いですが、図7のSWR特性まで良くなりました。


図6 144MHzのSWR特性
(MFJ-259Bで測定、無線機ではバンド内はほぼSWR=1.0)


図7 430MHzのSWR特性

当初とのL5寸法比は、約0.9781(=0.146716/0.15)で周波数換算では約425MHzです。そこで425MHzの最適化モデルと合わせて430MHzのみSeg=0にして最適化したモデルとの寸法比較したものを表3に示します。

Seg=0と425MHzモデルで図5調整後との差を見比べると、何となくSeg=0モデルの方が差が小さいような気がします。

MMANAのAppend.txtには、ヘアーピンやループアンテナのようにエレメントに曲がりがあるのはSeg=-1でやった方が良く、ダイポールや八木ではSeg=0でも良いと書かれているので、430MHz側はSeg=0にして最適化した方が良いかもしれません。(寸法はSeg=0が良いかも)

参考モデル名
Seg=0 → Seg0Arcw2ADJ2mHB9L1FB4304elYagi.maa
425MHz → 425Arcw2ADJ2mHB9L1FB4304elYagi.maa
(これらのモデルは製作・確認等はしていません)

まぁ、両バンド共に良い所ではないでしょうか。調整が難しそうなアンテナなので、このまま使えそうなSWR特性で安堵しています。同軸ケーブルを触ってもSWRが殆ど変化しませんでしたので、シュペルトップバランは両バンドで良好に機能しているようです。


表3 図5の調整後とSeg=0最適化モデル、425MHz最適化モデルの寸法比較(430MHz 4エレ八木)
(144MHzも寸法に違い・差がありますが、波長に比べたら小さいので影響は小さいと思います)

指向性と利得

図8に145MHzの7mリアルグランド指向性を、また図9に439MHzのMMANAのそれぞれ水平置きでの指向性を示します。439MHzの測定では、信号が安定していると思われる、市内のレピータ局を利用させてもらいました。(図の上に無線機のSメーターの相対値を示しました。角度・レベルはラフです。Sメーターのひと目盛を6dBとしています)

MMANA通りではないですが、各レピータで何となく指向性が出ているような気かします。145MHzはレピータがないので、指向性のみですが前編の例と似たような特性が出ているのではないでしょうか。

Sメーター読みで430MHzの利得は、レピータCでGPより数dB~10dB弱良いレベルでした。


図8 145MHzの指向性(水平置き/7mリアルグランド)


図9 439MHzの指向性(水平置き7m/リアルグランド)

最後に

MMANAを使用してHB9CV+八木アンテナの設計にトライしてみました。手順としては前編と同様です、同軸ケーブル1本の給電でもまぁまぁのレベルにいっているので、MMANAの最適化と、表計算ソフトのマニュアル最適化の組み合わせ方法は、2バンドアンテナの設計手法でも使えると思います。

また144MHz HB9CVの給電点部と430MHz 4エレラジアルとの間隔は、d=2.0cmで製作しましたが、ブロードだと言ってもf=439MHzになるとSWR等が悪化しますので、430MHzをいつも使用する周波数で最適化するのも良いと思います。

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