アパマンハムのムセンと車
2026年7月15日掲載
連載46回目となります。ハッキリしない天気が続いています。気温も暑いんだか、涼しいんだか、よくわからない状態ですよね。昼間暑いからといって薄着で出掛けて、帰りが遅くなって寒かった・・・ なんて経験のある方もいらっしゃると思います。私も含めて、体調管理には注意したいものだと思います。特にこの時期に移動運用される方、「下界」とは温度が異なってきますので、1枚余分に持っていく必要があろうかと思います。こんなちょっと鬱陶しい季節ではありますが、今回も原稿を進めてまいりましょう。
夏から秋にかけての台風シーズン、シャックにいる私たちの最大の関心事といえば、やはり「アンテナの無事」ではないでしょうか。天気図の等圧線が狭まるのを見て、「そろそろタワーをクランクダウンしようか」「ワイヤーアンテナを下ろすべきか」と頭を悩ませる季節です。
特に私を含めたアパマンハムの皆さんは、台風でアンテナが被害を受ける=自宅からのオンエア不可=QRTという図式が成り立ってしまいます。そうならないためにも、日頃から気を付けたいものです(いざという時の保険もお忘れなく!)。
さて、日頃から電波伝搬の予測や気象衛星(NOAAなど)の画像受信で気象情報に親しんでいる私たちですが、天気予報で「台風〇〇号(アジア名: 〇〇)」と耳にする、あの「名前」について深く考えたことはあるでしょうか。今回は、嵐の接近に備えてアンテナの点検をする合間にちょっと読みたくなる、台風の名前にまつわるお話です。

台風を人工衛星から眺めると不思議に思えますhi
●アジアの台風には「アジアの名前」を
現在、台風には「台風第〇号」という日本独自の番号方式とは別に、「アジア名」と呼ばれる固有の名称が付けられています。
かつてはアメリカの合同台風警報センター(JTWC)が英語の男女名を交互に付けていました(古いOMさんの中には、戦後のカスリーン台風やジェーン台風といった英語名の台風を記憶されている方もいらっしゃるかもしれません。当時は女性名のみでした)。しかし、2000年から制度が変わり、「アジアの台風には、アジアの言葉で名前を付けよう」ということになりました。
現在のアジア名は、日本を含む14の国と地域が加盟する「台風委員会」が定めたものです。各加盟国が10個ずつ名前を提案し、合計140個のリストが作られました。これを第1号から順番に割り当てていき、140番目まで行くと再び1番目に戻るという、いわば「140の輪番制」になっています。
●日本が提案したのは「星座」の名前
このリストの中で、日本はどのような名前を提案したかご存知ですか? 実は、日本が提案した10個の名前はすべて「星座」に由来しています。
・コイヌ(小犬)
・ヤギ(山羊)
・ウサギ(兎)
・カジキ(魚のカジキ)
・カンムリ(冠) ・・・ など
なぜ星座なのか。それにはちゃんとした理由があります。台風の名前には、「特定の個人名や企業名、商標などを避ける」「平和的で自然に関連するもの」というルールがありました。気象現象を宇宙の星々になぞらえるのは、とてもロマンチックで中立的ですよね。また、夜空を見上げて星をたどる行為は、私たちが電波を空へ向けて放ち、宇宙のロマン(例えばEMEなんかがそうですね)を感じるのにも少し似ている気がしませんか?

この時期の星座といえば・・・ (夏の大三角形)
●甚大な被害を出した名前は「引退」する?
この140の名前のリストには、実は「引退制度」があります。もし、ある台風が特定の国や地域に甚大な被害をもたらした場合、その国は「この名前は悲しい記憶を呼び起こすため、もう使わないでほしい」と台風委員会に要請することができます。承認されると、その名前はリストから永久に削除され、新しい名前に置き換えられます。つまり、140のリストがずっと同じままというわけではなく、少しずつ「アップデート」されているのです。リストの更新は、自然の猛威に対する人類の祈りと記録の表れとも言えます。
●台風とアマチュア無線の深い関係
台風が接近すると、私たちアマチュア無線家はアンテナの保全に走るだけでなく、別の使命を帯びることもあります。それが「非常通信」です。過去の歴史を振り返っても、台風によって電話線が寸断され、携帯電話の基地局がダウンした孤立地域から、アマチュア無線を通じて被害状況や救助要請が伝えられたケースは数多くあります。災害時に情報を正確に伝える際、「現在接近中の台風〇〇号(アジア名〇〇)の影響で・・・」と、名前が情報の特定に役立つこともあります。
最近では、SDR(ソフトウェア受信機)を活用して、自宅のPCで気象衛星のAPT(自動画像伝送)信号を直接受信し、リアルタイムで台風の雲の渦を画面に映し出して楽しむ(そして警戒する)方も増えました。宇宙から降ってくる微弱な電波を捉え、その渦の形と「名前」を照らし合わせるのも、無線家ならではの台風との向き合い方かもしれません。
●ワンポイント・アドバイス
台風通過後は、アンテナのSWRの変化にご注意を! 強風でエレメントがズレたり、コネクタ部分に雨水が浸入したりしている可能性があります。送信前に必ずアナライザー等でチェックしましょう。
●おわりに
次に天気予報で「台風〇〇号(アジア名: ヤギ)」といったニュースを耳にしたら、ぜひこの記事を思い出してみてください。14の国と地域が持ち寄った140の言葉たちが、今日もアジアの海の上で順番を待っています。とはいえ、無線家にとって一番の願いは「台風が来ないこと」、あるいは「被害を出さずに通り過ぎてくれること」に尽きますね。
6m AND DOWNコンテストも無事に終了しました。参加された皆さん、お疲れ様でした。私は例年通り、地元のクラブ局から参加させていただきました。今回は50MHzと430MHzを担当させていただきました。久々に50MHzの運用で、なんか地元に帰ってきた気分でしたhi
今回コンテストに参加して、いくつか思い付くところを書いてみたいと思います(浦島太郎的なネタも含みますが、どうかご容赦くださいhi)。
●50MHzがヒマでした
コンテスト開始直後こそ、たくさんの局がオンエアしていましたが、深夜になるとかなり閑散としていた印象です。40年前と比較して、ヒマだな~って感じました。待望のEスポは発生してくれましたが、運用地(横浜市です)から見て西側方面がほとんどで、終了間際に8エリアが少し出来ただけでした。
中間地点を埋めるスキャッター(って今でも言うんですかね?)がなかった(と私は感じました)ためか、3エリア、4エリアは全滅に近かったです。40年前よりパワーレベルは格段に上がっているハズなので、コンテストに参加してないだけだったんでしょうか? ちょっと寂しく感じました。
●144MHzはCWとSSBが半数ずつ
実際には運用していないので、運用された方とデータを見ての話となります。まず144MHzのFMは、以前にも書きましたが、運用される方が少ないです。これはコンテスト時でも同様で、FMでコンテストに参加されている方はほぼいなかったように思います。メインはCWとSSBで、半分ずつという結果でした。430MHzの盛況を見ると、なんかもったいない気がします(東京近郊だけかも知れません)。
●430MHzのSSBは相手がおらず
アマチュア無線を再開してからずっと感じていることですが、東京近郊でのアマチュアバンドのメインストリートは、430MHzのFMであると感じています。そしてコンテスト時にはCWも非常に盛んになってきます。それはCWフィルターがないと、とてもコンテストどころではない状態だったといえば、その盛況ぶりがおわかりいただけると思います。
その反面、SSBは誰も相手がいませんでした。どうしちゃったんだろう? って感じがします。コンテスト以外、例えば移動運用であっても、430MHzがメインになっていると感じています。もっともそう私が感じているのは東京近郊で運用しているからであり、他エリアでは144MHzのほうが盛んじゃないかとも感じています。というわけで、430MHzはFMとCWがメインでした。
しかし、FMでまとめて呼ばれると、一番強い局しか取れないんですよね。弱い信号でピックアップしてもらうのは、局数が減るまで呼び続けるしかないので、そのうち諦めちゃうのか、呼ばれなくなってしまいます。コンテストは時間制限があるので仕方ありませんが、移動運用などは取ってもらえるまで呼び続けることになるので、呼ぶ側も呼ばれる側も大変ではありますhi

イマドキの無線機はデジタル処理される場合が多いです
●1200MHzのCWはオドロキの連続hi
このバンドも私は今回は運用していないので、オペレーターの話と結果を見ての話となります。普段は閑散としている印象が強い1200MHzですが、いざコンテストとなると、非常ににぎやかになると思いました。
CWに関しては、430MHz同様にCWフィルターが要るんじゃないかと思うくらいです。こちらもSSBはほとんど相手がいない状況で、FMとCWがメインになります。もっと1200MHzでこう感じるのは東京近郊だけのようで、3エリアとかでも、移動をしない限り、局数は伸びないし、閑散としていると聞いています。

1200MHzが盛んなのはこの機種のおかげ・・・
アイコムIC-9700(アイコムWebサイトより)
●2.4GHzより5.6GHzのほうが局数が多い
こちらのバンドもログを見ての話題となります。2.4GHzはWi-Fiの影響で、都会ではほぼ使い物にならないように感じています。せっかくのバンドがもったいないですが、2次業務なので仕方がないのかも知れません。
その反面、5.6GHzはアイコムのIC-905の普及のせいでしょうか、とても活発な感じがしました。昨年と比較してもだいぶアクティブじゃないかと思います。コンテストの得点も1200MHz以下の2倍、マルチも全市全郡と同じですから、区が違えばマルチです。マルチバンドで参加するなら5.6GHzの無線設備があるとないとでは、だいぶ差があるように思いました。
とにかく、低いバンドのほうが局数は伸びると思っていましたので、2.4GHzより5.6GHzのほうが、局数もマルチも多かったのは驚かされましたhi


私たちもお世話になっているアイコムIC-905と設置状況(写真赤丸部分)
(IC-905の写真はアイコムWebサイトより)
拙稿「第44回浦島太郎になって迷っているカムバック組の皆様へ」で資格の話を書きましたが、たくさんの反響をいただきました。この場をお借りしまして、反響をお寄せ頂いた皆様に御礼を申し上げます。とても嬉しかったし、励みにもなりました。ありがとうございました。
なおご意見、ご感想、ご質問等については、筆者である私宛(jf1kktアットマークgmail.com)へご連絡頂けますと幸いです。
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