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特別寄稿

1.8~50MHz帯対応マグネチックループアンテナ(MLA)の検討

JH3OUI 中谷充宏

2026年7月1日掲載

前回は、1.8~10MHz帯をカバーするマグネチックループアンテナ(MLA)の検討を行ったが、今回はIC-705用としてとにかく多バンド化に挑戦してみた。

しかし1.8MHz帯(波長160m)から50MHz帯(波長6m)を1本のループで対応させるのは難しいと思い、ループエレメントを3種類用意し交換する方法を考えた。次の問題は、多バンドでの結合方法が難しくなってくる。MLAの基本構成でトロイダルコアによる結合を考えていると、自作でよく使用されているトロイダルコア(FT-140-#43)の内径が22.86mmである事に着目した。M型コネクタの外形が20mm前後なので、直径2mm以下の線材でコイルを巻けば、M型コネクタが付いたループ用ケーブルを通して交換する事が出来る。さらにあまりにも広帯域対応なので、バンドを変えるごとにトロイダルコアの巻数を変える必要がある。


左: トグルSWはループ①、②切替用  右: 内部
マッチングBOX


結合部
トロイダルコアの上部に裏面向きでロータリーSWを取り付け

検討用としてロータリーSWで巻数を切り替える様にした。3種類のループを取り換えた時の外観は以下のとおり。ループ①はベランダに置くと大きいが、それでも1.8MHz帯用のアンテナと考えると非常に小さい。


左: ループ①5.8m長(φ1.8m)  中: ループ②2m長(φ0.64m)  右: ループ③0.8m長(φ0.26m)

各主要部品の詳細

●ループエレメント
・ループ①

手持ち材料のTV用5C-FVケーブルを使用した5.8m長(φ1.8m)のループで、1.8MHz~14MHz帯で使用できる。1.8/3.5MHz帯ではコンデンサ選択トグルSW①を使用する。

・ループ②

手持ち材料の8D-FBケーブルを使用した2m長(φ0.64m)のループで、7MHz~28MHz帯で使用できる。7/10MHz帯ではコンデンサ選択トグルSW②を使用する。

・ループ③

手持ち材料のTV用5C-FVを使用した0.8m長(φ0.26m)のループで18MHz~50MHz帯で使用できる。この時コンデンサ選択トグルSWは、①、②とも使用しない。

●エアバリコン

このアンテナのキーパーツはエアバリコンである。前回同様、中国製の1.5kV耐圧100pFエアバリコンを使用する。

●固定コンデンサ(2kV以上耐圧品を推奨)

1.8MHz帯に対して、エアバリコンの100pFでは変化量が小さい。それ故、可変範囲は狭くなっている。その対策としてトグルSWを使用して並列の固定コンデンサを切り替える方式をとっているが、それでも1.8MHz帯では可変量が小さく、コンデンサの総合容量を微調整する必要がある為、固定コンデンサを並列に接続した。なおループ素材により少しばらつく恐れがあるため定数変更の可能性もある。

●トグルSW(ループ①: 1.8/3.5MHz帯切り替え用、ループ②: 7/10MHz切り替え用)

250V耐圧の“ON-OFF-ON”2回路の大きなトグルSWを使用した。

●トロイダルコア

冒頭でも紹介したが、自作ユーザーの間で有名なFT-140-#43を使用した。これはコアの内径が22.86mmであり、外形20mm前後のM型コネクタ付同軸ケーブルを通す事ができる。またφ2mm以下の線材にてコイルを巻く事が必要である。

なおコイルの巻き数の検討用としてロータリーSWにて切り替えるようにしたが、結果的に3T、4T程度となった。

使用方法

①使用目的の周波数に合ったループエレメント①~③を接続する。
②結合部(給電部)はループの上部に固定する(多少位置がずれても特性に変化はない)。
③トグルSWは、2個共に中央のOFF位置にしておく。
④目的のループエレメントに対応したトグルSWで使用バンドを選択する。
⑤周波数調整ツマミで受信ノイズが最大となる様にエアバリコンを調整する。
⑥送信する場合は、無線機のSWR計が最小値となる様にさらにエアバリコンを調整する。
※送信時はループアンテナの金属部分にも高電圧が印可されるので要注意。

次ページは「SWRの確認」から

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