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第12回 7セグメントLEDの点灯


Dr. FB

私たちが普段アマチュア無線で使う無線機や測定器には必ずといってよいほど何らかのデジタル表示器が付いています。そのデジタル表示器の主なものには、図1(a)で示す液晶表示器、もう一つは図1(b)に示す、7セグメントLED表示器というものです。最近では、パソコンのモニターのようにドットマトリックスで表示させるものも普及しています。今回は、オーソドックスな7セグメントLED表示器の点灯の仕組みと、簡単な部品で意図する文字を点灯させる簡易実験を行います。説明の中でBCD(Binary-Coded Decimal)といった聞きなれない言葉も出てきますが、知っておくと少しデジタルに詳しくなった気がします。

1. デジタル表示器


図1 デジタル表示器

2. 単品の発光ダイオード(LED)

7セグメントLEDはパッケージの中にデシマルポイントを含めて8個の発光ダイオード(以下LED)が入っています。1個のLEDの発光の原理が分かれば7セグメントLEDの原理は簡単ですので、まずは1個のLEDを詳しく見てみましょう。

LEDの発光で大事なのが2つのスペックです。1つは順方向電圧(VF)、もう一つが順方向電流(IF)です。正確に回路設計をしようとするとメーカーのスペックシートを見る必要がありますが、とりあえず点灯(発光)させることをポイントにお話を進めます。

一般的にLEDを発光させようとするとアノードとカソードに加える電圧(順方向電圧)として、VF以上の電圧が必要です。VFは、LEDの種類にもよりますが、およそ2Vと考えるとよいでしょう。もう一つは、LEDに流す電流(順方向電流)、IFの大きさです。IFの大小で明るさは変わります。通常10~20mA程度ですが、Dr. FBはいつも5~10mAの省エネ設計としています。VF=2VとIF=10mAは覚えておくと便利です。さてここで、LEDに流す電流を制限する抵抗RSを求めてみましょう。

電源電圧を6V、LEDに流す電流を10mAとすると下の計算式でRSを求めることができます。計算では、R=400Ωとなりましたが、手持ちがありませんでしたので560Ωとしました。



図2 LEDを点灯させる実験

3. 7セグメントLED

7セグメントLEDのパッケージには、図2で示した単品LEDが8個入っています。イラストで描くと図3のような感じです。8個のLEDは、パッケージの中で図2(a)のようにアノードを共通に接続したアノードコモン接続と、図2(b)のようなカソードを共通に接続したカソードコモン接続の2種類があります。回路の種類に応じて使い分けます。今回は、カソードコモンのLEDを使います。カソードコモン接続ですから、カソードを(-)に接続し、それぞれのアノードに(+)の電圧を加えると、各セグメントのLEDが点灯します。


図3 7セグメントLEDの中身をイラスト化

4. カソードコモンのLEDを使った点灯

8の字のそれぞれのセグメントを点灯させる回路図を図4に示しました。電源電圧を12Vとしました。各ダイオードには10mAの電流を流すようにするには抵抗の1kΩとなります。この回路をユニバーサル基板に組み込んだものが図5です。


図4 それぞれのセグメントを点灯させる


図5 図4の回路を組み込んだ基板

ここでs2とs3をONにします。(b)と(c)のセグメントが点灯します。これが数字の「1」です。同様にs1、s2、s4、s5、s7の5つのスイッチをONにすると数字の「2」になります。このように7個のスイッチで1セグメントずつ点灯させると、各LEDの点灯の組み合わせで0~9の数字を点灯させることができます。

5. カソードコモンのLEDを使った点灯

7個のスイッチをON/OFFして各LEDを点灯させるには例えばマイコンの出力をそのまま7セグメントLEDに接続したとしても7本の出力が必要です。ここで今回のポイントであるBCDが登場します。

数字の0~9は、1、2、4、8の4つの数字の足し算で作ることができます。例えば、「5」は、1+4の足し算、「7」は、1+2+4の足し算といった具合です。この1、2、4、8で作る数字をBCDコードと呼んでいます。BCDはBinary-Coded Decimal、日本語では2進化10進数の略です。これを使うと4つの出力で0~9を表現できます。

TC4511BPというICがあります。通称BCDデコーダ/ドライバーと呼んでいます。入力は、BCDコードの4入力。出力は、7セグメントLEDのa~gの7出力です。このICは、BCDコードとは、0~9の数字を作るための4ビットの出力です。TC4511BPは、4ビットの入力に応じて7セグメントLEDの各数字に対応したLEDを点灯させる信号を出力します。

真理値表で表すと下の図6のようになります。0~9の全BCD入力に対する7セグメントの各LEDの点灯状況表す真理値表は巻末に添付しましたので参考にしてください。

参考ですが、1に対応するLEDを点灯させたいときは、BCD入力の「1」のピンにHレベル、例えば5V以上の電圧を加え、その他をL、つまりグランドレベルにすると7セグメントLEDのbとcが点灯するといった仕組みです。


図6 BCD入力に対する真理値表

6. BCDデコーダ/ドライバーを使ってLEDを点灯させよう

図7がその回路図です。


図7 BCDデコーダ―/ドライバーを使った7セグメントLED点灯回路図

製作で使用した少し特殊部品といえば、BCDコードを出力するサムホイールスイッチかもしれません。大阪日本橋のパーツショップ・デジットにはありましたし、ネット通販でも購入できると思います。これはコモンの端子に電圧を加えておくと、サムホイールスイッチの表示に応じてBCD出力に電圧が出てくるロータリースイッチです。

図8は、実際にパーツをユニバーサル基板に取り付けて組み上げたものです。サムホイールスイッチで好みの数字を選択すれば7セグメントLEDで、選択した数字が表示されます。


図8 パーツを取り付けて組み上げた基板

7. あとがき

我々の周辺にある機器に取り付けられている表示器の多くは液晶が大半です。これらはマイコンでドライブされていますので、点灯方法は今回の説明とは大きく異なりますが、7セグメントLEDの点灯原理は、基本的には今回の説明と同じです。

さて、コロナウイルスの感染拡大が続く中で政府は4月16日、緊急事態宣言を全都道府県に拡大しました。JARLが主催するコンテストでも野外運用やマルチオペの運用が禁止となり、難しい世の中になっています。コロナウイルスの拡散や蔓延防止の観点からしっかりルールを守って一日でも早く、気兼ねなくアマチュア無線をできる日を願っています。

FBDX

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