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ラジオ少年

第1回 アップダウンカウンタの製作(1)

2023年4月3日掲載


「ラジオ少年」第1回目は、74シリーズのロジックIC 2個と若干の電子部品で1桁のアップカウンタを製作します。このアップカウンタを元に電子工作を展開していきます。


図1 機械式の計数器(カウンタ)

0~9までの1桁カウンタの回路図

図2が今回製作する1桁のアップカウンタの回路図です。IC1(74HC192)は、プリセット可能な同期式4ビットアップダウンカウンタで、入力されたクロック信号の数をBCD(Binary Coded Decimal: 2進化10進数)で出力します。

カウンタのICとして74シリーズでは74HC191、74HC192、74HC193などがありますが、手持ちのICの都合から74HC192を使います。このICにはアップとダウンの計数を行う機能がありますが、まずはクロック信号が入れば「1」アップするアップカウンタを製作します。

IC2(74HC4511)はA~DのBCD入力から7セグメントLEDを点灯させるICです。アクティブ“H”(Active High)のICですから、使用する7セグメントLEDはカソードコモンのLEDを使います。部品名は記載していませんが、カソードコモンのLEDであれば問題なく使えると思います。


図2 1桁のアップカウンタの回路図

部品表

図3に示した部品表のほかに5Vの電源が必要です。ICは、それほど電流は流れませんが、7セグメントのLEDに「8」の字が点灯すると、1セグメントに約10mAが流れると仮定すると最低でも80mAは必要です。少し余裕も考えると200mAの電流は欲しいところです。日ごろ、トランシーバを定電圧電源で運用されているのであれば200mAといえば、微々たる電流ですので問題ないと思います。


図3 部品表

ブレッドボードに組み込みまずは実験

図2の回路をいきなりユニバーサル基板に組み込み、またそれをケースに入れて完成させることもできますが、理論と実際の動作とは異なることが多々あるため、まずはブレッドボードに組み込み、動作を確認します。


図4 図1に示した回路をブレッドボードに組み込んだ状態

IC2のa~gの端子がHとなったときに330Ωの抵抗を通して、7セグメントのLEDに電圧が印加され、LEDの各セグメントが点灯します。

各々の出力端子a~gと7セグメントLEDの間には電流制限抵抗330Ωを挿入していますが、330Ωの抵抗が8個入っている抵抗アレイ(図3参照)を使うのもよいと思います。部品点数はそれほどありませんので、配線さえ間違わなければ1時間もあれば完成すると思います。

動作

ブレッドボードに組み込んだ回路に5Vを印加すると7セグメントのLEDが点灯します。まだ何もクロック信号を入れていないにも関わらず、7セグメントLEDは0以外の数字が表示されるときがあります。再度電源を入れなおすと、0になるときもあります。電源を入れるタイミングで、LEDの表示が変化するようです。ICのリセットが効いていないのかも知れません。あるいは、電源投入時のノイズが回路に悪さをしていることも考えられます。とりあえずこの問題は今後の課題として今回はそのままにしておきます。

次にクロックを発生させるタクトスイッチ(SW1)を一回押します。表示の数字に1を加えた数字が表示されればOKですが、これもスイッチを押すタイミングで一回押したにもかかわらず、数字が2飛んだりするときがあります。スイッチのチャタリングが発生しているようです。

課題

今回の実験では基本となるアップカウンタをまずは作ってみました。とりあえずはスイッチを押すと7セグメントのLEDの数字はアップしますが、上記にあるように何かすっきりしないカウンタの動作です。今回の製作はここまでです。次回はこれらの問題を解決していきたいと思います。

CU

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