特別寄稿
2026年4月1日掲載
近年、インターネットを取り巻く脅威は増加しており、無線機や制御用PCなどの機器をインターネットへ直接公開することに抵抗を感じる場面も増えてきました。
また、IPv6ベースのインターネット接続やCG-NAT環境の普及により、グローバルIPv4アドレスが割り当てられないケースも増えており、従来のポート開放を前提とした遠隔制御が難しい環境も少なくありません。
そこで今回は、Tailscale VPNとRaspberry Pi、そして4G LTE回線を組み合わせることで、ポート開放を一切行わずに無線機の遠隔制御を実現する構成を試してみました。
TailscaleはWireGuardをベースとしたメッシュ型VPNサービスです。
といった特徴があり、リモート運用用途に適したサービスと言えます。
リモートシャックの構成図は以下のとおりです
●Raspberry Pi 4(マシン名: ras4pbx)
●IC-7610
●IC-R8600

IC-R8600のネットワーク設定
Raspberry PiにSSHでログイン後、公式スクリプトを使用してTailscaleをインストールします。
“curl -fsSL https://tailscale.com/install.sh | sh”
続いて、
“sudo tailscale up”
を実行すると、ログイン用 URLが表示されます。ブラウザでアクセスし、Google/Microsoft/GitHubなどのアカウントで認証を行います。
ログインが完了すると、
といったTailnet(Tailscale VPN)上のホスト名およびIPアドレスが割り当てられます。

Tailscale 管理画面に登録されたマシンの例
また、再起動時にも自動で接続されるよう、以下を設定しておきます。
“sudo systemctl enable tailscaled”
“sudo systemctl start tailscaled”
Tailnet経由で、無線機(192.168.88.x)に直接アクセスできるよう、Raspberry PiをSubnet Routerとして設定します。
“sudo tailscale up --advertise-routes=192.168.88.0/24”
次に、Tailscale 管理画面にアクセスし、Raspberry Piマシンを選択、
から192.168.88.0/24を許可します。

Tailscaleのサブネットルーティング設定画面
これにより、Tailnet経由で192.168.88.x宛の通信がRaspberry Piを通してルーティングされます。
クライアントPCの設定は以下のとおりです。
●Windows 11 PC
リモートコントロールソフトをインストールしたWindows PCにWindow版Tailscaleをインストールし、Raspberry Piと同じアカウントでログインします。

Windows版 Tailscaleのダウンロードページ
接続確認として、“ping 192.168.88.86”が通れば準備完了です。なお、無料プランでは最大100台のマシンを登録可能です。
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