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おきらくゴク楽自己くんれん

その58 春の移動運用と雨不足について

JF3LCH 永井博雄

2026年4月1日掲載


吉野郡川上村 移動運用風景

皆さんこんにちは。個人的な話ですが昨年後半から仕事が立て込み、思うように無線活動ができない日々が続いております。QSOパーティや関西ハムシンポジウムなどには参加することができていたのですが、ここにきて年度末関係の駆け込み仕事が多く、自由な時間が取れない状態が続いておりました。そんな中、急遽、日曜日の予定が変更になり1日自由になりました。これは移動運用に出かけなければと準備もソコソコに軽トラモバイルシャックで高い山の上に出かけることにしました。

1. 早春の移動運用場所を探す

そろそろ春の声を聞く頃となっていましたので、早春の6mを楽しもうと山の上を目指して標高を上げていくとその先がまだ冬季の通行止め期間となっており、目指した山での運用は諦めざるを得ない状況に。仕方なく登ってきた道を下りました。何処で移動運用するかを決めかねていたのですが、最近の雨不足で毎日ニュースになっていた奈良の水がめである大滝ダムが気になったのでちょっと立寄って実際の状況を確かめてみることにしました。


訪問時、貯水率5.6%の湖面

ご覧の水位で、移動運用場所選びでよく言われている水面反射効果も得ることができなさそうなため、この場所での移動運用は諦め、もう少し人が少なく広くて高い場所に行くことにしました。

2. 大滝ダムの概要と現状

大滝ダムは和歌山県を流れる「紀の川」の上流、奈良県吉野郡川上村に位置し1959年(昭和34年)の伊勢湾台風(台風15号)で紀の川沿川における甚大な被害を契機に計画された重力式コンクリートダムです。下流の地域の水害を軽減するための洪水調節、奈良県内・紀の川下流地域への水道用水および工業用水の供給、河川の本来持っている機能を維持しつつクリーンエネルギーである水力発電を目的として1965年の本格着手から約50年の歳月と地すべり対策の長期化を経て、2013年に竣工。奈良・和歌山両県の約180万人の生活を支える「おおたき龍神湖」を有するダムです。

この川の源流には日本一雨が多いとされる大台ケ原を含む高い山が含まれた地域があります。ダム自身の規模は堤高100m、堤頂長315m、総貯水容量8,400万m3。紀の川水系の治水・利水を目的とした大規模ダムで、洪水調節、水道・工業用水の供給、発電(大滝発電所: 10,500kW)を行っています。建設に当たっては村の中心的集落の400名の住人、村役場や由緒ある神社までを移転させて正に村の存亡もかけた一大事業で紆余曲折をへて計画後50年もの時間をかけて完成したダムです


大滝ダム

国内のダムの中では比較的大きな規模で、日本一の多雨地帯からの水を溜めるこのダムが2013年に完成した時、私は今後奈良県では水不足になることはないであろうと考えていました。しかし昨年から続く雨不足の影響で貯水率が低下し、過去最低の状態から下がり続けていました。それだけ気候が異常だったのでしょう。ダム完成後奈良県ではこのダムからの水を引くことの代わりに各市町村が独自に維持していた浄水施設を廃棄させたので、水不足に対しての対応がしにくい状況を作ってしまっています。大きな貯水湖なので春の長雨くらいでは解消できないのではと心配です。

後で調べるとこの時の貯水率は5.6%でした。同じ場所で地方テレビ局の方が湖面を撮影しながらの取材をされていました。実際に起こっている出来事について生で感じることができました。

ダムが未だ工事中だった頃、仕事で村役場職員の方と話をする機会があったのですが、わざわざこの地域の雨量記録を見せていただき「ここ数十年間にわたり年々雨量が低下しているので、ダムができても安心することは出来ない」と言っておられた事を思い出しました。

当時の私は少し心配し過ぎなのでは? という印象を持った覚えがあります。こんな大きなダムが完成すれば水不足になることはないだろうと話半分に聞いていたのです。しかしこれほどの渇水が起こるとは。あの時の職員さんに謝りたい思いです。この日の後に雨の降る日が何日かありましたが1週間経過した時点でも5.4%となっています。


沈んでいた昔の橋の姿が見える

上の写真右側にある道路跡が旧国道169号線です。


通常は満々と水が蓄えられているエリア

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