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HW Lab

第19回 1200MHz10エレ八木アンテナの製作

JH3HWL 箭野佳照

2026年8月3日掲載

完成したアンテナのテスト

アンテナは、図14に示すようにカメラ用三脚に取り付け、オープンスペースでテストを行いました。


図14. カメラ用三脚にアンテナを取付けオープンスペースでFB比と指向特性のテスト

(1) SWR特性
測定は、IC-9700に搭載されているSWRメーター機能によるものと、NanoVNAを用いた測定の2種類を常置場所屋外で実施しました。図15と図16がその結果です。

図16を見ると、IC-9700のSWR表示とNanoVNAの測定値は、SWRが変動する周波数で波打つような似た傾向を示しており、全体的な変化パターンはほぼ一致しているように見受けられます。どちらの測定値がより正確かについては断言できませんが、実運用でよく使う1295MHz付近では、両方の測定方法でSWRが低くなっているため、実用上は問題ないと判断しています。

MMANAでは1295MHzでSWRが最小となるように設計しましたが、実測では図15に示すとおり、1295.5MHz~1296.5MHz付近で最も低い値となりました。一方で、それ以外の周波数では、両測定器のSWR値に大きな差が生じていることも確認できました。


図15. IC-9700のSWR測定機能を使って測定したSWR


図16. 左:IC-9700によるSWR特性 右:NanoVNAによるSWR特性

(2) FB比および指向特性
全国1200MHz帯 FMレピーターリストの周波数を参考に、近隣のレピーターへアクセスを試みました。大阪南東部の見晴らしのよい高台から、まずは1200MHz帯 FMハンディ機のフレキシブルアンテナでアクセスしました。クリヤーにアクセスできたのは1291.12MHz(−5MHzシフト)のJR3VE(大阪市平野区)レピーターでした。このほか数局のレピーターにもアクセスできましたが、いずれもノイズが混じった信号でした。

次に、今回製作した八木アンテナへ切り替えて同様の試験を行ったところ、これまでノイズが混じっていた信号がクリヤーに聞こえるようになりました。ハンディ機にはSメーターが搭載されていないため、客観的な信号強度の比較はできませんでしたが、明らかにゲインが得られていることに加え、ビームも十分に出ており、さらにFB比も確認できました。

(3) 携帯性
筆者はデイパックを背負い、健康維持も兼ねて徒歩で小高い山へ登り、そこで運用するスタイルが基本です。したがって、冒頭にも記したとおりアンテナの仕様では携帯性を重視し、軽量・小型化を目標としていました。

完成したアンテナは図17に示すように200gにも満たない超軽量で、さらにブームを2分割すると各ブームが約30cmに収まり、リュックにも収納できるサイズとなりました。唯一の難点は、カメラ用三脚が重いことです。

アンテナはわずか200gしかありませんので、カメラ用三脚に取り付けても安定性を大きく損なうことなく運用できます。ブームには「コの字型」のアルミチャンネルを使用しており、強度も十分に確保されています。


図17. 200gにも満たない超軽量・超小型1200MHz 10エレ八木アンテナ

MMANA

これまでHF帯やVHF帯のアンテナ製作でMMANAを使用してきましたが、1200MHz帯のアンテナ製作は今回が初めてでした。今回の八木アンテナでは放射器をループ型としたため、MMANAに標準で用意されているデータには該当するモデルがありませんでした。そこでループアンテナの寸法を手入力して設計を進めましたが、当初は希望どおりのインピーダンスやSWRに仕上がるのか半信半疑でした。ところが、実際に製作してみると計算結果に近い特性が得られ、改めてMMANAの精度と有用性を実感しました。

今回製作したアンテナの中心周波数は1295MHz付近とし、その周辺ではSWRも許容範囲に収まりました。ただし、1200MHz帯のレピーター運用では−DUPを使用するため、正確さを求めるのであれば、レピーター周波数帯および、その-20MHzの周波数帯でもSWRを考慮する必要があります。

参考にした資料

CQ出版社 大庭信之著 アンテナ設計シミュレーター アンテナ解析ソフト MMANA
CQ出版社 RFワールド No.17

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