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HW Lab

第20回 430MHz 6エレ八木アンテナの製作

JH3HWL 箭野佳照

2026年9月1日掲載

430MHz 6エレ八木アンテナの製作

MMANAで計算したエレメント長やエレメント間隔は、小数点以下5桁までの数値がメートル表示の細かい寸法として表示されます。実際のところ、製作では私たちの手持ちの工具でこれらの数値をそのまま再現することはたいへん困難です。そのため、製作時には図2に示したデータを基準にしつつ、現実的な加工精度に合わせて寸法を適宜丸めて使用します。

(1) 放射器の製作
放射器は、図2の寸法に沿ってφ5mmの銅パイプで製作します。


図5. φ5mmの銅パイプで製作した折り返しダイポール

(2) 給電部のマッチングセクションの製作
給電は同軸ケーブルで行うため、平衡・不平衡変換(BALUN)が必要になります。また、50Ω系の同軸ケーブルで給電することから、給電点インピーダンスを可能な限り50Ωに近づける必要があります。

そこで、製作が比較的容易なUバランを用いて 給電点インピーダンスを200Ω → 50Ωに変換する方式を採用しました。このため、MMANAでの設計では 給電点インピーダンスを200Ωと設定して設計しています。


図6. 1:4のUバランの構造と製作


図7. 3D-2Vを使ったUバランを折り返しダイポールに接続して完成した放射器

(3)各エレメントの取付け
図2で示した寸法に従い、導波器と反射器を準備します。エレメント材にはφ10mmのアルミパイプを使用しました。MMANAではφ5mmのエレメントを前提に計算しましたが、実際の製作では強度を優先して太い材料を採用しています。


図8. 軽量かつ強度に優れているアルミチャネルを使用したアンテナブーム


図9. 4本の導波器と反射器の取付け完了

(4)放射器の取付け
放射器は、ブームと直流的に接触しないよう絶縁して取付けます。そのため、2枚のアクリル板を加工し、放射器を挟み込む構造としました。アクリル板の加工方法および放射器の取付け状態については、図10を参照してください。


図10. アクリル板を加工し、放射器を挟み込むようにして取付ける


図11. ブームに放射器を取付け完成

完成したアンテナのテスト

アンテナは、図12に示すようにカメラ用三脚に取付け、オープンスペースでテストを行いました。

(1)指向性とF/B比
433.00MHz付近で運用している局の信号を受信し、アンテナを回して指向性とF/B比を確認しました。指向性が出ていることは明確に確認できましたが、F/B比は期待したほど高くありませんでした。

具体的には、フロントではS9を示した信号が、バックではS6程度までしか低下しませんでした。一方、サイド方向ではS3付近まで急激に落ち込むポイントがあり、サイド方向のヌル点は比較的深いことが分かりました。


図12. カメラ用三脚にアンテナを取付け、オープンスペースでテスト

(2) SWR特性
測定にはIC-705に搭載されているSWRメーター機能を使用しました。図13にそのとき取得したSWR特性のスクリーンキャプチャを示します。


図13. IC-705に搭載されているSWRメーター機能でアンテナのSWR特性を測定

SWRの測定範囲は430~436MHzとし、500kHzステップで確認しました。図13のスクリーンキャプチャから分かるように、431~432MHz付近ではSWRが1.1~1.2の範囲で、FMの呼出し周波数の433.00MHzではバーメーターは振れませんでした。

まとめ

今回製作したアンテナは、中心周波数を433MHzとしてMMANAで設計しました。その結果、SWR特性は計算どおりで非常に良好でした。MMANAで得られた数値をそのまま用いて放射器を製作しましたが、ここまで計算どおりの結果になることには驚かされました。

図13のスクリーンキャプチャから見られるように、SWR特性は非常に広帯域であることも確認できました。これは一般的にもよく知られているように、折り返しダイポールの給電点インピーダンスが通常のダイポール(約72Ω)の約4倍となる約300Ωと高いことが要因と考えられます。インピーダンスが高いことで、周波数変化に対する給電点インピーダンスの変化が緩やかになり、結果として広い帯域にわたり低いSWR特性を維持できるものと思われます。

一方で、指向特性やF/B比は期待したほどではなく、再調整の余地があると感じました。導波器や反射器に使用したアルミパイプについては、MMANAではφ5mmを前提に計算していましたが、製作途中で強度向上のためφ10mmのアルミパイプへ変更しています。この変更が、F/B比や指向特性に影響を及ぼした可能性も考えられます。今後、寸法の再検討が必要と感じています。

参考にした資料

CQ出版社 大庭信之著 アンテナ設計シミュレーター アンテナ解析ソフト MMANA
CQ出版社 RFワールド No.17
月刊FB NEWS 2026年8月1日号 第19回 1200MHz 10エレ八木アンテナの製作

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