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Summits On The Air (SOTA)の楽しみ

その3 安全登山について(JS1UEHさんの楽しみ方)

JH0CJH・JA1CTV 川内徹

みなさんこんにちは、JH0CJH川内です。今回は日本で最初にSOTAのアクティベーションを行ったJS1UEH斎木さんを紹介いたします。斎木さんは、「SOTA日本支部ができ最初の山頂からの運用であれば、やはり日本一の富士山からの運用にしたい」ということで、2015年7月11日に富士山頂から記念すべき最初のSOTAのアクティベーションを行っていただいた方です。その後も毎週のように山岳移動をされ非常にアクティブな、そしてハードな山岳移動無線家です。

2018年1月1日現在でSOTA日本支部で最高得点を保持している斎木さんは同時に安全登山の意識も高く、いろんな場所で安全登山のための意識付けを行っておられます。今月の投稿で紹介されているように、自らネット上の登山計画システムにグループを作ったり、山岳保険も積極的に周りの方に勧めて安全登山の意識付けをされています。またハムフェアのある週末には、さすがに山に行くことができないため、体がなまらないように会場内でも重い荷物を絶えず背負いトレーニングを行っているほどハードな登山愛好家です。今回も安全登山の意識付けについて投稿いただきましたので紹介したいと思います。

安全登山

JS1UEH 斎木 武

登山をするうえで、安全を第一にしています。とはいえ、SOTAのアクティベーターのなかでは、比較的荒っぽい登山をしている者と思いますので、安全と言うのがこそばゆいのですが、そういう者に安全のことを考えさせた方が、少しはおとなしくなるので都合がいいのかもしれません。


奥鬼怒温泉郷の先、標高2000mにある鬼怒沼湿地。日光白根山が見える。

私はひとりで山に行きます。山頂で1から2時間無線運用するため、同行の者を待たせることがないのが良いです。家族はいますがいまのところ山行きの連れとなる相手はいません。山の単独行は安全面で問題になります。それに対して、さほど危険でないコースでもアルパインヘルメットを被り、インターネットにて登山計画を出すようにしています。ヘルメットは頭部を守り転倒や滑落による致命的な状況を回避できるものと思います。


鬼怒沼湿地を経て、黒岩山2163m(SOTA JA/TG-008)山頂着。ここまで6時間超。帰り道も長い。(2017.9.24)

「コンパス」という、ネットで登山計画を出すことができるサイトがありますので、そちらに計画を出すようにしています。家族にどのように行き先を知らせようと悩んでいましたが、「コンパス」はその点がクリアにできました。「コンパス」では下山をしたときに、下山通知をネットで出します。下山の予定の時刻から7時間を超え下山通知が無いと、連絡先にメールが行きます。連絡先は家族にしていますが、山岳会に入っている友人から、「連絡が家族にいったとしても、家族が連絡をためらってしまう恐れがある。家族のほかに山行の程度がわかる人を連絡として加えておくことがよい」と伺いました。これは今後の課題です。

「コンパス」にグループ「山と無線」を作成しましたので、もし連絡先を求めるかたがありましたら、グループに登録していただければと思います。また、山岳保険に入りました。山岳保険はいろいろありますがjRO(ジロー)に入りました。年会費は2,000円です。保険としては「会員が遭難に遭遇し、会員が捜索・救助費用を負担する場合、その費用実費を1会員1会員期間あたり330万円を限度に補てんいたします」とあります。カード決済で申請日から保険適用になりますので、思い立ったその時に入りました。

安全対策や遭難対策は大変ですが、考えなければならないことは、どうすれば迷惑をかけないですむか、ということだと思います。遭難した当人が帰宅できないでいると、見つかるまで1年以上かかることがあるそうです。ルートがわかれば探すエリアが限定されるので、短期間で見つかることが期待できます。そもそも山に行かなければ、と言われそうですが、山を登っている時こそが生きている時というのが私の答えです。青年時代は行くたびに山登りをつらく思いましたが、今ではそれほどに思わなくなりました。そう、家族にお土産が大切です。家で待つ家族に渡さなければなりません。


日白山1631m(SOTA JA/NI-021)
上信越高原国立公園(JAFF-0013)にて。(2017.4.16)

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次号は 12月 1日(木) に公開予定

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