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楽しいエレクトロニクス工作

第81回 3.5MHzアンテナ

JA3FMP 櫻井紀佳

この連載の「第63回第64回の2バンドアンテナ」で3.5MHz帯のアンテナを検討しましたが、思ったよりマッチングの帯域が狭く満足できる状態になりませんでした。その後、梯子フィーダーから同軸ケーブルに変換するバランの部分をグランドに落とせばどうなるか気になり、その実験をしてみました。このバランの部分は実際にはベランダの上にあり地上高7mのため簡単に電位をグランドレベルに落とせません。そこで1/2λのカウンターポイズ的アースを張ることにしました。3.5MHzの1/2λはリード線の短縮率を含めて39mにもなりますが、一番端をアースしておけば他端はグランドレベルになるはずです。

以前の「第64回2バンドアンテナ」の最終的な状態は次のようになっていました。


アンテナと梯子フィーダーの接続点から17.75mの部分にバランを接続し、その点から78cm先の所をショートしていました。この状態で一応のマッチングは取れたようにみえましたが、バランから無線機近くまで引っ張ったエレメントを切替えるケーブルにリレー用の電源を繋ぐと状態が変わり不安定に感じていました。そこでバランの部分をグランドレベルに落とせば安定になるのではないかと思いついたのが今回の実験です。

このアース線はホームセンターから買ってきた緑色の10mのアース線3本と手元に残っていた以前からのアース線の切れ端を繋ぎ合わせて約39mのアース線を作りました。シャックが山中のため落葉や枯れ枝の上をあまり気にせず引き回し、一番端にホームセンターで買ってきたアース棒を打ち込んで接続しました。バランの部分は同軸コネクターの外側に車に使う単線コネクターをつけたリード線を取り付け、そこにこのアース線を接続しました。

今回の最終的な形は次のようになりました。


第64回で製作したアンテナのバランの部分にアース線を接続しただけですが、SWRを測ってみると最良点でも2.0以上となり、マッチングがずれたことが分かりました。アンテナ接続点からのフィーダーの長さはそのままにして、バラン接続点から先端のショートバーまでの長さを変えてマッチングを取ることを考えてみました。ショートバーの位置を自在に変更できるように、AC電源配線用のVAケーブルの外皮を剥がし、2.0Φの裸銅線を取り出し長さ2mの仮の梯子フィーダーを作りました。このフィーダー上をミノムシクリップで作ったショートバーを動かして最良点を見つけます。


このフィーダーをバラン接続点から先に接続してカットアンドトライでSWRの最良点を求めた結果、140cmの所が良いことが分かりました。最良点の長さが決まったのでその長さで作った梯子フィーダーと取り替えました。

その結果SWRは次のようになりました。この図の[リレーON SWR]とは、エレメントの同軸ケーブルに直流を流してリレーを動作させて追加エレメントを接続した状態です。


また、その時のインピーダンスは次のようになりました。この図でも[リレーON]は追加エレメントを接続した状態で、Rは抵抗部でXはリアクタンス部を示しています。


これらの測定はグラフィックアンテナアナライザーMFJ-226で行いました。


SWRの最良点は1.0に近づきましたが、エレメントの長さを変えるリレーを動作させても最良点の周波数は少ししか変化がありません。この周波数での計算上のエレメントの長さの変化は50cm程度となり実際のエレメントの2.2mと大きな差になりました。ここのツェッペリンアンテナのマッチングの要素はアンテナエレメント、梯子フィーダー等多くの要素があって簡単に決まらないのかも知れません。

最良点の周波数は3.70MHz付近と3.75MHz付近で偶然にも今よく使っている周波数付近となりました。この周波数でのインピーダンスは2点ともRは50数Ωでリアクタンスはゼロ近くになって素直な特性のようにみえます。エレメントの長さを切替えても周波数変化が少ないことは気になりますが、しばらくこのまま使ってみようと思います。

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