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楽しいエレクトロニクス工作

第68回 半田ごてタイマー

JA3FMP 櫻井紀佳

色々なものを作ったり実験したりする時、半田ごては必須の道具と思います。しかし、実際に半田ごてを使っている実働時間は意外に少なく、他のことに気を取られて電気の入っているのを忘れていることが多いのではないでしょうか。また、作業後に外出した時、半田ごてを切ったかどうか気になることも珍しくないと思います。

そこで半田ごてタイマーを作ってみることにしました。私の経験では、半田ごてを連続して使う時間は1時間以内と思われ、1時間で切れるタイマーを検討してみました。


完成した半田ごてタイマー

まず構成は次のような簡単なものです。

発振器で発振したクロックはゲートを通してカウンターを駆動し、カウンターが丁度1時間になるとゲートをOFFにしてカウンターを止めます。カウンター出力はドライバーを通してリレーを制御し、半田ごてをコントロールします。

再スタートするには、スタートボタンを押すとカウンターにリセットがかかり、新たな1時間がスタートすることになります。

回路図は次のようになりました。

発振器は、直接1時間周期のものができればカウンターは不要になりますが、そのような発振器は作りにくいのでカウンターとの組み合わせで考えてみました。

1時間は3600秒で作りやすい発振器の周波数を2kHz台とすると周期は400μs台となり、3600/400μsで8.4 x 106程度のカウンターが必要です。2進数にすると223位になり、カウンターの最後のフリップフロップの立ち上がりでドライバーをONにするため1/224のカウンターにします。実際には周期429μs = 2.33kHzの発振器を1/223に分周すると1時間になります。

発振器にロジック発振器を使いますが、発振周波数は f = 1/2.2CRで決まります。Cを10nFとするとRは19.5kになりますが、R2を22k、R5を180kにして並列にすると近い値になりこれを使います。計算上は22kΩと180kの合成値は19.6kΩになりますので1時間より少し長めかも知れません。

カウンターに使うICは数が少ない方が良いので、カウント桁数の多い74HC4040Aを2個使うことにしました。このカウンターは最大212なので2個使えば224までカウントできます。目的の数値までカウントすると入力を止めてホールドするゲートにワンゲートロジックのTC7S32Fを使いました。

リレーのドライバーは、リレーを動かすだけなので大きな容量のものは必要ありませんが手元にあった小型パワーMOSのBS170を使いました。リレーは12V系の手元にあった古いものなので正体はよく分かりません。通常使用する半田ごては100W以下なので、接点容量が1Aもあればなんでも使えます。

半田ごて動作中のパイロットランプとしてリレードライバーのコレクターの電圧を使ってLEDで表示させました。

組立はロジックICとドライバーのFET、3端子レギュレーター等を穴あき基板に載せました。ワンゲートロジックICのTC7S32Fは基板裏側に付けています。回路は簡単なので組立て配線すれば問題なく働くと思います。

全体の組立は、以前に買って持っていた120mm x 90mm x 50mmのアルミケースに入れました。トランスは1次が100Vで2次が13.5Vの古いものを持っていたのでこれを使います。電流容量は不明ですが20mAもあれば十分なので大丈夫と思います。部品の中で電源トランスは使用部品中一番形が大きいのでトランスの大きさでケースを決めることになります。


前面と後面

発振回路のRの合成値が少し高めのため周波数が若干低く、動作時間が1時間2分位になりましたが、実際に使ってみると結構便利で、作業の途中で勝手に半田ごてが切れてイラつく程のこともなく、今までのように他のことに気を取られ半田ごてだけが無駄な電気を食っているようなこともなくなりました。

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