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車内シャックの構築と運用

その5 アンテナの設置例

月刊FB NEWS編集長 JS3CTQ 稲葉浩之

アンテナ基台とアンテナのタイプ

車両にモービル用アンテナを取り付ける場合は、一般的にはアンテナ基台が必要です。取り付ける場所に合わせて様々な形状のアンテナ基台が市販されています。たとえば、雨樋に設置する場合はルーフサイド用基台、ルーフレールに設置する場合はルーフレール用基台、ルーフ(天板)に設置する場合はマグネット基台、トランクリッドに設置する場合はトランクリッド用基台、ラダーなどのパイプに設置する場合はパイプ用基台です。


さまざまなアンテナ基台 (第一電波工業株式会社のホームページより引用)

また、使用するアンテナが、1. アースを必要とするラジアルタイプのアンテナか、2. アースを必要としないノンラジアルタイプのアンテナかによって、基台を設置する場所に制限が生じますので、まずは、使用するアンテナを決めてから、アンテナ基台を選択するのが良いと思います。2. ノンラジアルタイプの場合は、基台を設置できる場所であれば、基本的にどこに設置しても構いませんが、1. ラジアルタイプの場合は、原則として、基台とボティーを電気的に導通接続できるところに設置します。

本連載の読者であれば、具体的にどんなアンテナの場合はアースを必要とするかという説明は不要と思いますので、ここでは詳細を省略しますが、ざっくりと分ければ、HF~50MHz用のアンテナはアースを必要とするものが多く、V/UHF用はアース不要のものが多いと言えると思います。(詳細は実際に使用するアンテナの取扱説明書などでご確認ください)

ラジアルタイプのアンテナを使用する場合の基台設置場所

最近の車両は雨樋がほとんどないため、ルーフサイドへのアンテナ基台の取り付けが難しくなりました。またルーフレールへ設置する場合は、ルーフレールがボディに電気的に接続されていないケースや、またルーフレールの塗装によりアースを取るのが難しいケースもあるため注意が必要です。(不用意に塗装を剥がすとレールにサビを生じる可能性がある) セダン車の場合は、トランクリッドへの設置がスマートで、イモネジをきつく締めてボディに食い込ませることで、基台とボディを電気的に接続できます。

筆者の場合、RV車のためトランクがありません。それでも本年1月まで乗車していたRV車の場合は、バックドア上部にハッチバック用基台を設置することができ、良好なアースも取れてHF運用を楽しめましたが、本年2月に購入したRV車では、標準装備のリアスポイラーが邪魔して、バックドアにハッチバック用基台を取り付けることができませんでした。そのため、今回はボンネットに取り付けることにしました。走行時の視界の妨げならない場所にトランクリッド用基台を取り付け、イモネジをボンネットの裏側に食い込ませたことでボディアースが取れました。SWRは問題なく落ち、またRFの回り込みやノイズ発生などの問題は生じていないので、ボディアースは効いていると思われます。


ボンネットへの設置例

なお、どうしても良好なボディアースが取れない場合は、市販のマグネットアースシートなどを利用する方法もありますので、ご検討ください。

ノンラジアルタイプのアンテナを使用する場合の基台設置場所

上記基台とは別に、アンテナ基台をあと2基取り付けました。この2基はノンラジアルアンテナ用の基台として、左右のルーフレールに、ルーフレール専用の基台をそれぞれ1基ずつ装着しました。


ルーフレールへの設置例

そして、片方の基台にはNJコネクタがついた同軸ケーブルを、もう片方の基台にはMJコネクタの付いた同軸ケーブルを敷設しました。これにより、使用するモービルホイップアンテナがN型でもM型でも、MN変換コネクタを入れること無く使用することができます。



後方から見て左側のルーフレール基台にNJコネクタ、右側のルーフレール基台にMJコネクタの付いた同軸ケーブルを敷設。

同軸ケーブルの引き込み

筆者の場合、ルーフレールに設置した基台からの同軸ケーブルは、バックドア下部に挟み込むようにして引き込みました。これらの同軸ケーブルは、バックドアを開け閉めするたびに、ドアがケーブルを挟むわけですが、スポンジゴムがついているので、ここからの引き込みでこれまでトラブルになった経験はありません。


引込例

一方、ボンネットに設置した基台からの同軸ケーブルは3D2Vでエンジンルームに引き込んでいますが、エンジンルームの中で1.5DQEVに変換した後に車内に引き込んでいます。(この1.5DQEVは、車両購入時に、バッテリーケーブルと同時に、車のディーラーでエンジンルームから車内に引き込んでもらいました) この基台はHF専用で使用していますので、V/UHF帯ではロスの多い1.5DQEVですが、HF帯では実際の交信に支障となるようなロスは感じられません。


エンジンルーム内で、3Dから1.5Dに変換

合計3基のアンテナ基台を設置しているメリットとして、本格移動運用で、車外にダイポールアンテナや八木アンテナを設置して運用する場合は、ダイポールアンテナや八木アンテナからの同軸ケーブルを、3基のアンテナ基台に接続することで、車内に新たな同軸ケーブルの引き込みを行うことなく、車外に設置した最大3本のアンテナと無線機を容易に接続することができます。また、車内に同軸が這い回ることもありません。

次回は最終回で運用編です。

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次号は 11月2日(月) に公開予定

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