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第二十一回 SGの解放端と負荷端のレベルの差


Dr. FB

その昔、受信系はdBµ、送信系ではdBmと使い分けされていた時代がありました。ところが日本にも海外製のSG(Signal Generator)が入ってくると、dBm表記が多くなってきました。いつの頃か急にdBmを使うようになったように記憶しています。

今回の記事では、µV、mW、dBµ、dBmの関連性をお話しします。また、Dr. FBがアマチュア無線を始めた頃に不思議に思ったこと、つまり電源端子に負荷を接続しても端子電圧は低下しないのに、どうしてSGの出力端子に負荷を接続すると端子の出力レベルが半分に低下するのか、これもお話しします。

dBµとdBmの関連性

通信系では、信号のレベルを表す単位として下の2つの表記がよく使われます。
1. 1µVを基準(0dB)としたdBµ
2. 1mWを基準(0dB)としたdBm

ここでdBµとdBmの関連を調べてみましょう。まずは、dBm。SGの出力端子にインピーダンス50Ωの負荷を図1のように接続します。その50Ωの負荷に1mWの電力を生じたときのSGの信号レベルを0dBmと定義しています。つまり、0dBmとは、1mWのことです。さらに10mWは10dBm、100mW (=0.1W)は20dBmとなります。


図1 dBmの定義

次にdBµとの関連を考えるため、50Ωの負荷の両端に生ずる電圧、つまりSGの出力レベルemを求めてみます。オームの法則の延長線上の計算でできます。50Ωの負荷に1mWを生じたのですから電圧とその負荷の値から電力Pは、(1)式より導き出すことができます。(1)式からemを求めた式が(2)式です。

ここでP=1mW = 1×10-3、R=50ですから、emを計算すると(2)式のようにem=0.224Vとなります。

dBµの単位は、1µVを0dBと定義していることは先に述べました。上記(2)式で求めた0.224V、つまり1mWに対する電圧レベルは何dBかを計算したのが下記(3)式で、107dBとなりました。1µVを0dBと定義していますので、107dBも107dBµと基準にしているレベルをdBのあとに付けて基準は何かを分かりやすく表現しています。

逆に1µVをdBmで表すと(4)式にあるように-107dBmとなります。これも1mWのmの文字を取って、1mWが基準であることをわかるようにdBのあとにmを付けて、dBmとしています。対数の計算はここまでくると流石に関数電卓がないとできません。

解放端と負荷端について

dBµとdBmの関連を調べるために簡単にその図を図1に示しました。ところがSGの出力の解放端電圧と負荷端電圧を考えるとき、図1ではSG側の等価回路は不正確で冒頭で課題としてお話ししましたように、負荷を接続するとレベルが低下するといったことの問題解決には使えないのです。SGの出力側からSG内部を見たとき、我々が普段使うSGの出力インピーダンスは50Ωです。よって図2のように描くのが一般的な等価回路と言えます。


図2 SGの等価回路

分かりやすいように信号源の電圧レベルを2Vとしましょう。途中にZ=50Ωが接続されていますが、信号源と内部インピーダンスを含めたものがSGとなります。この図2で出力端子には何Vが出てくるかを考えます。答えは、信号源と同じレベルの2Vです。分かりそうで分かり難い問題です。

内部にZ=50Ωのインピーダンスが接続されていますが、出力端子には何も接続されていないので回路には電流は流れません。ここで考えなければならないのは、電圧は閉回路を構成していなくても存在するということです。お店に売っているアルカリ電池には何も接続されていませんが、1.5Vの電圧を保持していることで理解できます。

さて、この出力端に50Ωの負荷を接続してみます。その負荷をここでは、ZLと表現することにします。そのときの回路は、図3のようになり、それを分かりやすく書き直すと図4のようになります。図3と図4は、形は異なりますが同じ回路です。


図3 SGにZL=50Ωの負荷を接続        図4 図3を変形させた回路図

SGの信号源の電圧レベルは、2Vであると仮定しました。図4を見ると分かりますが、その2Vは、ZとZLの接続の両端に加わっています。つまり、Zの両端の電圧は、1V、ZLの両端の電圧も1Vとなることが分かります。

電圧レベルの半分をデシベルで表現すると-6dB。それを計算で示したものが下の(5)式となります。

50Ωの負荷を接続すると電圧レベルが半分になることの検証

SGで10MHz無変調の正弦波を発生させます。SGの出力に50Ωのダミーロードを接続したときと、しなかったときの波形をオシロスコープで観測します。


図5 SGの出力波形をオシロスコープで観測

図5では、ダミーロードを接続しなかったとき(無負荷・解放端)の波形のp-pは、約101mVでした。50Ωのダミーロードを接続すると、その負荷端の出力レベルは49.6mVになりました。計算通り、SGの出力は1/2になったことが分かります。

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