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2014年8月号

JA6CBG 湊啓さん

福岡市東区からオンエアしている湊啓さん。幼少の頃、父親が製作した5球スーパーで聞いていたNHKラジオに混信する「ジージーダダ」というモールスが電信との出会いであった。その混信は、自宅近くにあった送信所からのものだったと後に知る。湊さんの父親はプロの通信士として海岸局に勤務していたため、父親から電信を教えてもらったが、練習はすぐに嫌になったという。


父親の形見、安立電気株式会社製のPK-1型手動電鍵

月日は流れ、小学校高学年になると、湊さんの自宅にテレビがやってきた。連続ドラマで「海底人 はやぶさ」というハムが主体の番組を見た湊さんは、ハムになりたいと熱烈に思った。 当時、湊さんはハムとアマチュア無線は別のものだと思い込んでおり、ハムは短波を発見し社会に貢献しているが、アマチュア無線は公共通信に妨害を与える遊び、というように誤解をしていたという。

その後、ハムとアマチュア無線が同じ意味と知った湊さんは、アマチュア無線の免許取得に関して反対されると思い、父親には相談できずにいたが、放送局に勤務していた姉に相談したところ、局内のハムに尋ねてくれ、 すぐに教科書とCQ誌(1960年3月号)が手元に届いた。湊さんはさっそく勉強をはじめ、中学1年のときに電信級アマチュア無線技士の免許を取得した。

入門クラスの電話級(現在の4級)ではなく、電信級(現在の3級)を受験した理由は、指導してくれた先輩が、「まずは早く免許を取得して実際に運用しながら色々と覚えるのがベスト。 電話級だと変調器がある分、覚えないといけない内容が増えるから勉強の効率が悪い。また電信なら英語がしゃべれなくても海外と交信できる」と教えてくれたからですと話す。


CQ誌1960年3月号と付録のCQジュニア

電信級取得後は、送信機や受信機を作り、落成検査にも合格して7MHz、28MHz、50MHzの3バンドで開局した。ファーストコンタクトは7MHz CWでのCQに応答してきた長崎県のJA6EK局だった。 当時はコンディションがよく、28MHz CWでCQを出すと、外国の局から次々に呼ばれ、引っ込めなくなることもしばしばあった。

湊さんは開局時から一貫して、QSLカードの収集に力を入れている。その延長線上として、JCCをはじめDXCCまで完成させた。特にDXCCは2002年にP5/4L4FNとのQSOをもって、現存全DXCCエンティティとの交信を達成した。 続けて5バンドDXCCも完成させたが、一番の思い出は1.8MHzで1シーズンで100エンティティと交信できたことを挙げる。

湊さんの今後の目標として、まずWAS(全米50州との交信)の取得がある。残っているのはただ1つSC(サウスカロライナ)州だけで、この州とはすでに何度かQSOしているが、 どうしてもQSLカードが入手できない。幸いにも最近またSC州とQSOできたので、QSLカードをダイレクトで発送し、返信を待っているところである。 アワードといえば6mDXCCの取得も目標としている。こちらは道半ばという状況だが、気長に取り組んでいる。その他には目下勉強中のSDRの活用を目標としている。

2年前の2012年、湊さんは、1kWとビームアンテナで運用していた和白から、同じ福岡市東区内にある、少年時代を過ごしJA6CBGを開局した香椎の家に戻った。 これに伴って無線設備も縮小し、現在は、バーチカルアンテナとローパワーでオンエアしている。ただし設備は縮小したものの、アマチュア無線への熱意は以前と変わっていない。 「小さな設備でも、それに応じた楽しみ方がありますから」と湊さんは熱く話す。


2014年現在の湊さんのアンテナとオートアンテナチューナー

このコーナーでは、アマチュア無線の様々な楽しみ方に挑戦するハム(アマチュア無線家)を紹介します。
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採用させていただきました方には粗品を差し上げます。
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