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テクニカルコーナー

試験用広帯域アンテナの製作

JF3EIG 岩田大史

IC-705は充電池を装着できオールインワンで運用できるので、デスクサイドに置いてちょっとした受信機のテストを行うのに便利です。その際に使える試験用アンテナを製作しました。144/430MHzはハンドヘルド機用のアンテナで間に合うので、製作するアンテナの周波数帯域は50MHz帯以下を想定しました。

1. 回路

本器の(アンテナエレメントを除く)回路は以下の通り、伝送路と並列に50Ωの負荷を接続したものです。


図1: 回路図

この回路により、出力側端子に高インピーダンスのアンテナエレメントを接続しても、送信機から見たSWRを下げることができるので、無線機側に負担を掛けること無くテストを行うことができます。このような目的には疑似負荷(ダミーロード)が使えますが、本器は電波を漏洩させるため、出力端子を設けました。

2. 製作

材料は以下の通りです。
・酸化金属皮膜抵抗(200Ω/5W) 4個
・BNCレセプタクル 2個
・BNC-PPのコネクタ 1個
・50Ωの同軸ケーブル 任意長
・出力側端子に接続するアンテナエレメント(またはアンテナ)

他に、上記の物を物理的に保持するものが必要です。今回はプラスチックケース(タカチSW-65)を使いました。なお、BNCレセプタクルのフランジがプラスチックケースの蓋に当たるため、蓋を数mm削っています。


図2: 酸化金属皮膜抵抗


図3: 今回使用したケース

筆者の場合は下の写真のように製作しました。抵抗器の方向は揃えていません。また、入出力端子間は、同軸ケーブル(下例では3D-2V)で接続しました。


図4: 製作例

3. 使用前のテスト

組み立てたマッチング回路を送信機(IC-705)に接続する前に、入出力間の導通と、BNC端子間の抵抗値が50Ωであることをテスターで確認します。テスターでの確認がOKであれば、送信機だけを接続してSWRを測ります。50MHzにおけるSWRが1.5以下であれば、実用上問題無いでしょう。

本器は入出力が対称な受動回路なので、入力側をどちらにしてもよいのですが、上記製作例(図4)の場合は、左側に送信機を接続したほうがSWRが低かったので、そちらを入力側としました。


図5: アンテナエレメント接続前のテストの様子

4. 使用

出力側に高インピーダンスのアンテナ(アンテナエレメント)を接続します。たとえば短い電線を出力端子のホット側のみ接続するのが適当です。下の図6では第一電波RH-72(144/430MHzハンドヘルド機用ロッドアンテナ)を使用しています。


図6: アンテナ(RH-72)を接続した状態

アンテナエレメントを接続した状態でSWRが悪化しないことを確認した上で使用してください。これを使用することで1.9~50MHzの全バンドでアンテナエレメントを付け替えることなくテストができるのが便利です。他の用途としては、ハムフェア等アマチュア無線のイベント会場でHFや50MHzにオンエアする記念局等と、会場内から交信するような至近距離通信にも使えるかと思います。

注意事項

・送信中は本器(アンテナエレメント含む)に触れないで下さい。
・放熱は考慮していないので、長時間の連続送信は避けて下さい。
・定インピーダンスのアッテネータでは無いので、高周波用の測定器は接続しないで下さい。
・低インピーダンスのアンテナはSWRが悪化するので使用できません。
・微小電力ですがアマチュアバンドで電波を発射するので、接続する送信機には免許が必要です。

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