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2026年5月15日掲載
2026年5月5日(火・祝)、南極・昭和基地に開設されているアマチュア無線局8J1RLは、日本国内の小・中・高校生と優先して交信を行う「こどもの日特別運用」を実施した。会場の一つであるJARL本部(東京都豊島区南大塚)前には、開会の30分以上前から次々と子供たちが集まって来た。今年の参加者は公募で選ばれた小学生10名(男子5名、女子5名)。うち2名が3アマ、1名が4アマの免許を所持している。
16:30、交信を前に森田JARL会長(JA5SUD)が子供たちに向けて「楽しい思い出をつくってください」とあいさつ。その後、JARL中央局(JA1RL)運用委員会委員、南極OB会アマチュア無線クラブ(小林さん/田中さん)、参加者による自己紹介が行われた。

交信に先立ってあいさつを行う森田JARL会長(JA5SUD)

自己紹介する南極OB会の小林さん(JR1FVH)(左上)、JA1RL運用委員会委員(右上)
参加した子供たち(下段)
続いて、南極OB会の田中さん(JO1OKK、第67次南極観測隊・夏隊)による「南極・昭和基地」についての説明が行われた。さらに、JA1RL運用委員会の新谷さん(7K2GMJ)からは、東京から南極へどのように電波が伝わるか(電離層の話)、昭和基地との交信の仕方、名前の伝え方(和文通話表)、シグナルレポートの送り方などのレクチャーがあった。新谷さんの「今日はよろしくお願いします」という呼びかけに、子供たちも元気な声で「よろしくお願いいたします」と応えていた。

映像を交えて、南極・昭和基地について説明する南極OB会アマチュア無線クラブの田中さん(JO1OKK)

JA1RL運用委員の新谷さん(7K2GMJ)によるレクチャー

真剣なまなざしで、説明を聞く子供たち

マイクの操作を説明する運用スタッフ(左)と実際に操作する参加者(右)

休憩時間には、個別に質問する子供たちの姿も見られた
サンスポットサイクル25の下降期に入っているため、コンディションに不安がある中、17時55分、運用委員会のスタッフが8J1RLに21MHz帯で呼びかける。VK(オーストラリア)からの信号が強力に入感していたので、期待が高まったが、残念ながら8J1RLからの応答はなし。28MHz帯にQSYし、8J1RLからの呼び出しを待つが、聞こえるのはノイズのみ。その後14MHz帯でも呼びかけるが、応答はなかった。なお、JA1RL側はIC-7800(200W)に7階建てビル屋上にある14mHのタワーに設置された5エレ(7/14/21/28MHz)八木、8J1RL側は50W出力、アンテナは4エレ八木だった。
時間的な制限(19時まで)があるため、短波帯は諦め、D-STARで交信することになった。JARL本部(JA1RL)と昭和基地(8J1RL)間でのD-STARによる交信は「こどもの日特別運用」では昨年に続き2回目となる。

短波帯のリグはIC-7800、D-STARにはID-51が用意されていた
JA1RL側からはハンディ機のID-51を使って、D-STARレピータ<文京430(JP1YKZ)>にアクセス。昭和基地側はターミナルモードでの運用だ。まず、運用委員会のスタッフが交信テストを実施。双方がクリアな音声でつながることを確認した後、子供たちが順番にマイクを手に取り、昭和基地との交信にチャレンジした。

すでに免許を持っている3名を除く7名は、初めてのアマチュア無線での通信ということもあり、緊張が隠せない様子。緊張でPTTスイッチを押すのを忘れたり、準備していた質問が出て来なかったりすることもあったが、19時までという時間制限内に参加した全員が昭和基地との交信に成功した。交信を終えた瞬間、緊張から解放されたのか、清々しい笑顔がはじけた。

今回は、コンディションに恵まれず、アマチュア無線の醍醐味である短波を使った交信はできなかった。しかし、D-STARというデジタル通信システムが用意されていたため、コンディションに左右されないクリアな通信が実現し、子供たちは、南極・昭和基地の隊員の方々と直接話をしたり、質問したりする貴重な体験をすることができた。子供たちにとっては、ゴールデンウィークのいい思い出になったに違いない。交信終了後、森田JARL会長から参加者に南極・昭和基地と交信したことを証明する交信記念証が、授与された。

最後に全員で記念撮影。イベントは無事終了した
なお、8J1RLの「こどもの日特別運用」は来年も同じ時期に実施される予定とのこと。昭和基地とのスケジュールの調整があるため、確実な日程等が決まるのは、4月の中旬から下旬になることが多いようだ。参加希望者は、4月に入ったらJARLのホームページをチェックして欲しい。
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