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アマチュア無線の今と昔

第8回 浦島太郎になって迷っているカムバック組の皆様へ

JF1KKT 横田勝彦

2023年7月3日掲載

連載第8回目になります。今回はHAMtte交信パーティーのお話から始めていきます。

HAMtte交信パーティーでMasacoさんとQSO!

前号の月刊FB Newsで掲載されていたHAMtte交信パーティー参加中のJL3ZGL/3(オペレーターはMasacoさん)と7MHz SSBでQSOできました! カムバック当初はCWに自信が持てなかったので、7MHz SSBに出ていましたが、最近はさっぱりオンエアしてませんでした。

5月2日、朝からJ-クラスタを見ていたら、JL3ZGLが載っているではありませんか! これはもう呼ぶっきゃない、ということで、なんとかQSOしていただきました。このHAMtte交信パーティーというのは、JARDさんが講習会を修了したビギナーに、QSOするチャンスを作るのが目的と聞きました。

自分が開局した1973年当時、私は近所のOMさんとスケジュールQSOをしてもらい、アマチュア無線界にデビューしたことを思い出しました。以前にも書きましたが、ビギナーさんの相手側は、相手がまごつく分、QSOするには大変なところもあります。しかし、自分が最初の頃はどうだったのか思い出してみれば、きっとOMさんに親切にしていただいたことがわかるんじゃないかと思います。

私も積極的に、ビギナーさんをフォローしていき、アマチュア無線界を盛り上げたいと思います。こんなこと考えるようになったのは、私が歳を食ったからでしょうかhi


HAMtte交信パーティーでQSO頂いた JL3ZGLでのMasacoさんのオペレートの様子(編集部提供)

コンテストの今と昔

この記事が世に出るころ、前日まで6m AND DOWNコンテストが開催されていました。私は昔からコンテストが好きで、ちょくちょくコンテストに参加させてもらってます。

入賞経験は開局50年にして1回だけですので、偉そうなことは言えませんが、昔と今で大きく変わったことがあります。それはパソコンの普及です。現代のコンテストではログ付けをパソコンで行います。パソコンを操作するということは両手がパソコン操作にとられることになります。

以前ならば、紙ログでしたので、右手にボールペン、左手にハンドマイクというようなスタイルが一般的だったと思います。ダブりチェック、マルチチェックは紙ベースでやってましたね。これがないと参加局が少ないバンドで、最後の追い込みが出来なくなります。

ところが現代では、ログ記入、ダブりチェック、マルチチェックはすべてパソコンで行います。マルチ・マルチ部門だと、パソコン同士をネットワークで結んで、リアルタイムでサーバーに反映させるようなことも行っていて、もう驚きの連続ですhi

CWのコンテストならば、パドルを使用しないで、キーボードだけで送信もこなしてしまうような時代です。もう「浦島太郎」な私にはついていけませんhi 昨日まで開催されていた6m AND DOWNコンテストでは、初めてログ付けを含めてパソコンだけで運用をしました。久々にドキドキしました(笑)


自作ヘッドセットの一例。安いジャンク品を集めて自分の使いやすい物を作るのも楽しみのひとつ

リストQSO(マイクコントロール)

本来、QSOというものは、自分で相手を見つけて、自分でコールして、ピックアップしてもらって、初めてQSOが成立するものだと思います。

ところが、相手局とは別の局が、QSOしたい局からの申込みを受け付けすることがあります。これをリストと呼び、リストに従ってQSOすることをリストQSOといいます。主にHFでパイルをさばくのが得意でないDX局の代わりにリストを作ってQSOさせていたように記憶しています。V/UHF帯では、電波の飛ぶ局が代表してCQを出したり、QSOの最中に「今、待機している局がいるのでQSOしてもらえないか?」などということがあります。これも一種のリストQSOだと思います。

これらに共通しているのは、自力でQSOしていない、ということです。先日、私がCQを出している局を呼んだのですが、QSOの途中で、「待機している局がいるからQSOしてあげてほしい」と頼まれました。とっさのことだったのでQSOはしましたが、何故かとても後味が悪い思いをしました。

私とのQSOが終わった後に、普通に私を呼んでくれたらよかったのにと思うのは、私が間違っているのでしょうか? アンテナやパワーの関係で、なかなか呼んでも取ってもらえない局がいるのは承知してます(私もそのクチです)。それでも呼びに回って取ってもらえた時には、それこそ嬉しくてたまらないと思います。また、自分の出来る範囲で工夫をする(呼び方だったり、新しいモード、バンドにチャレンジするなり)ことだって楽しみのうちだと思います。ぜひ原点回帰をして、QSOを楽しんでほしいと思います。


MCは英語では司会者(Master of Ceremony)となり、ここからマイクコントロールという言葉が出てきた

CWの符号に個性は必要か?

現在CWを運用されている方は、何らかの形のキーヤーを使っていると思います。私もCWを始めたごく初期の時代(45年くらい前?)は縦振れ電鍵でしたが、その後はエレキーを手に入れ、以後ずっとエレキーを使っています(現在はトランシーバーに内蔵のキーヤーを使っています)。キーヤーを使うと縦振れのような個性はありません。その代わり、相手に聞きやすい信号を送ることができます。

先日、移動局を呼ぼうとしてワッチしていました。すると非常に個性的な符号で呼んでいるOMさんがいらっしゃいました。移動局は何度も確認していましたが、OMさんはスピードを変える訳でも、打ち方を変える訳でもなく、そのまま呼んでいました。結局、移動局側はコールサインが取れず、QSOには至りませんでした。私は、『相手が取れていないところを、スピードや打ち方を変えて打てばよかったんじゃないか?』と思いました。

余談ですが、個性的な符号を打っておられるOMさんは、バグキーやストレートキー(いわゆる縦振れ電鍵)の愛好家が多いように感じます。同様のケースで、キーヤーを使っていても、短点や長点を1つ余計に送信してしまうケースに出会ったことがあります。このOMさんは、数字の長音を1つ余計に打つ(1なら『トツーツーツーツー』となるところが『トツーツーツーツーツー』となる)感じで、さらに数字の次の文字とくっついてしまい、ワケがわからなくなってしまってました。

たまに間違えることは誰でもありますが、同じ間違いを何回も続けてやってしまってたので、もしかしてクセなのかな? なんて思ったりもしました。私も打ち損じが多いので、注意するようにしていますし、移動運用の際には、呼ぶ側のときよりもゆっくりめにして送信してます。相手に自分の伝えたいことが伝わるように、これからも心がけていきたいと思っています。


個性的な符号が送出できる縦振れ電鍵

記念局ハンター

30年振りにカムバックしてビックリしたことのひとつに、記念局の多さがあります。何でもかんでも記念局・・・ まあ、何かを記念して運用することで、それ自体が広く世間に知れるならばとてもいいことだと思います。

30年前の記念局は、本当に限られていたと思います。それが今では条件を満たせば、かなり容易に記念局が運用できるようになってるようです。また設備供用の仕組みを使って記念局も開設できるようで、HFで1kWとかも、設備があれば容易に許可されるようです。

記念局はJARL経由で一方的にQSLカードが送られてきます。そして、今では記念局とたくさんQSOしようとチャレンジしているハンターの方がいらっしゃいます。まあ、ハンターさんが多くなければ、記念局があんなにパイルにならないだろうし(苦笑)

記念局を運用したことのあるローカルさんに聞きますと、呼ばれ方がハンパないとか。いつかは呼ぶ側ではなく呼ばれる側になってみたいもんです。やっぱりパイルアップは、呼ぶ側よりも呼ばれる側のほうが、楽しみがより大きいですねhi


記念局を追い掛ける

なおご意見、ご感想、ご質問等については、筆者である私宛(jf1kktアットマークgmail.com)へご連絡頂けますと幸いです。

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