Monthly FB NEWS 月刊FBニュース 月刊FBニュースはアマチュア無線の電子WEBマガジン。ベテランから入門まで、楽しく役立つ情報が満載です。

アパマンハムのムセンと車

第34回 モービル&アパマン運用に役立つヒント

JF1KKT 横田勝彦

2025年7月15日掲載

連載34回目となります。先日の6m AND DOWNコンテストはいかがでしたでしょうか? 私は例年通り、近所でお世話になっているクラブ局から参加しました。


今回参加したクラブ局に設置されたIC-905

仕事の都合で短時間になってしまいましたが、CWを中心に運用させていただきました。楽しかったのは良かったのですが、原稿執筆が押してしまい、いまヒーヒーいってますhi

コンテストの楽しさは、ここでも何回も述べていますが、短時間にたくさんの方とQSOできることです。コンテストでしかお会いできない方もいらっしゃいます。そのような方とも、たとえ短時間でもQSOできるのは楽しいことですし、その短時間のQSOの中に、心温まるものがあると思っています。「コンテストなんてやかましいだけ」と決めつけないで、一度は楽しんでみてください。

次の大きなコンテストはフィールドデーコンテストです。このコンテストこそハンディ機1台、モービル機1台でも楽しめるコンテストです。皆さんのエントリーをお待ちしています。

さて、6m AND DOWNコンテストが終わると、今度は「関ハム」です。昨年は参加できませんでしたが、今年は参加できればと思っております。会場にお越しになられる方とお会いできることを楽しみにしています。


2年前の関ハムの会場

今回はカーオーディオの話です

今回はモービル運用の合間に楽しむために必須なカーオーディオの話をしたいと思います。最近では純正のナビでもすばらしく良いものが付いていたりします。しかし、車は10年、15年と経っても乗れますが、オーディオは5年も経つと、なんか古くさく感じるものが多いです。それだけカーオーディオのような家電製品の進歩が早いんでしょうね。

特にカーナビの地図データの更新は、5年も経つと更新ができなくなるケースがほとんどです。そのような時に、まだ動作には問題ないカーナビを古くなったからと言って買い換えるのはもったいない話です(単に私が貧乏性なだけ? hi)。

カーナビの種類

世の中にあるカーオーディオの種類とそれぞれの長所・短所について説明します。

●1. 純正(OEM)オーディオ
車の購入時に最初から装備されているオーディオシステムです。

長所:

  • ・  デザインの一体感: 車のインテリアデザインに完璧に溶け込むように設計されています。
  • ・  操作性: 車のステアリングリモコンなどとの連携がスムーズで、操作が簡単です。
  • ・  信頼性: 車両メーカーが品質保証を行っており、ディーラーでのサポートも受けやすいです。
  • ・  盗難のリスクが低い: 特定の車種向けに作られているため、汎用性が低く盗難されにくい傾向にあります。
  • ・  車両機能との連携: ナビゲーションシステム、バックカメラ、エアコン操作など、車両の他の機能と統合されていることが多いです。

短所:

  • ・  音質の限界: 一般的に、市販品に比べて音質はそこそこである場合が多いです。コスト削減のため、高音質な部品はあまり使われない傾向があります。
  • ・  拡張性の低さ: スピーカーやアンプの交換、外部入力の追加など、カスタマイズの自由度が低いことが多いです。
  • ・  機能の限定: 最新のフォーマットや機能に対応していない場合があります。
  • ・  高価な修理費: 故障した場合、修理費用が高額になることがあります。

純正のオーディオは、特に高級車や外車になればなるほど、社外品に交換しようと思っても交換できないものが多いです。特にオーディオのディスプレイの中にエアコンの操作部やハイブリッド車のエネルギーモニターなどが組み込まれている車種は、無理矢理社外品に交換してしまうと、エアコンが操作できないなどの不具合が発生します。


純正オーディオの例

●2. 社外品(アフターマーケット)オーディオ
カー用品店などで販売されている、様々なメーカーが製造しているオーディオシステムです。大きく分けて、ヘッドユニット(メインユニット)には次のような種類があります。

2-1. 1DIN/2DINカーオーディオ(CD/USBレシーバーなど)
一般的なオーディオ再生に特化したユニットです。CD、USBメモリ、Bluetoothなどに対応しています。

長所:

  • ・  手頃な価格: 比較的安価なモデル(一流国内メーカー製であっても、実売1万円ちょっとから売られています)から高音質なモデルまで幅広い選択肢があります。
  • ・  音質の向上: 純正品よりも音質が良く、イコライザーなどの音質調整機能も充実していることが多いです。
  • ・  拡張性: 外部アンプやサブウーファー、追加スピーカーなどを接続するためのRCA出力端子が備わっていることが多く、システムアップが容易です。
  • ・  機能の選択肢: Bluetooth、USB、AUX入力など、様々なメディアに対応しています。
  • ・  取り付けの容易さ: 規格化されているため、多くの車種に取り付け可能です。

短所:

  • ・  デザインの一体感の欠如: 純正品と比較して、車種によってはデザインが浮いてしまうことがあります。
  • ・  ナビ機能の欠如: 基本的にナビ機能は搭載されていません(別途ナビゲーションシステムが必要)。
  • ・  ステアリングリモコン対応: 車種によっては別途アダプターが必要になる場合があります。機種によってはステアリングリモコンに対応できない物もあります。

私がローコストでオーディオを交換したい、あるいはオーディオが付いていない車両に安価でオーディオを取り付けたいと考えた時に、いちばんおすすめなのが、このタイプです。

現在、スマホ、タブレットのどちらも所有されていない方は少数派だと思います。スマホやタブレットでナビ、オーディオソース(Amazon MusicやYouTubeなど)をカバーすれば良いかと思います。ただ、テレビを観たい方、バックカメラを使いたい方にはちょっと不向きかもしれません。


1DINオーディオの例 パイオニア(株)Webサイトより

2-2. カーナビゲーションシステム
地図表示や経路案内機能がメインですが、オーディオ再生機能も充実しています。

長所:

  • ・  多機能: ナビゲーション、オーディオ、動画再生、Bluetooth通話、テレビ鑑賞など、一台で様々な機能を利用できます。機種によってはCD/DVDメカを搭載していない物もあります。
  • ・  視認性: 大型ディスプレイで地図やメディア情報を確認できます。
  • ・  バックカメラ連携: バックカメラと接続して、駐車時の後方確認が可能です。
  • ・  スマホ連携: Apple CarPlayやAndroid Autoに対応しているモデルも多く、スマートフォンのアプリを車内で利用できます。
  • ・  デザイン: 最近のモデルは、車内デザインに馴染むようなスタイリッシュなものが増えています。

短所:

  • ・  高価格: 他のオーディオシステムと比較して、導入費用が高額になります。下手をすると安い中古車が買えてしまうほどですhi
  • ・  音質: 専用のオーディオユニットに比べると、音質が劣る場合があります(高音質を追求するモデルもありますが、さらに高価になります)。
  • ・  操作の複雑さ: 機能が多いため、操作が複雑に感じる場合があります。
  • ・  アップデートの手間: 地図データの更新が必要になります。場合によっては更新できる期間が限られている場合があり、その期間を過ぎると地図更新のサポートが受けられません。

地図データやミュージックデータの保存にはHDDやメモリを使用しています。この容量によって、音楽を録音できる量が決まって来ます。最近はCDを聞かない方も多いと思いますので、この辺はあまり気にしなくて良いかと思います。


カーナビの例 (株)JVCケンウッドWebサイトより

2-3. デジタルメディアレシーバー(ディスプレイオーディオ)
CD/DVDドライブを持たず、USBやBluetooth、スマートフォン連携に特化したオーディオユニットです。

長所:

  • ・  薄型・軽量: CD/DVDメカを搭載しないため、奥行きが短く、取り付けスペースの制約がある車にも対応しやすいです。車両の中には、フルチェンジやマイナーチェンジの度に、取付スペース部分の奥行きを狭くしてきている場合があります。社外オーディオいじめ? なんでしょうか?
  • ・  最新の接続性: スマートフォンとの連携(Apple CarPlay/Android Auto)に特化しており、アプリを活用した新しい使い方を提供します。
  • ・  省電力: メカ部分がないため、消費電力が少ない傾向にあります。まあ、大パワー化された機種は少ないとは限りませんがhi
  • ・  音質: 近年では高音質なモデルも増えており、デジタル処理による高音質化が進んでいます。
  • ・  安価: メカ部分やナビ部分、テレビ部分を持たないため、従来からあるカーナビと比較して、安価な場合が多いです。
  • ・  高性能: OSにアンドロイドを使用している機種もあり、車内にパソコンが常駐しているような形になります。アプリで動く物は全て動作しますので、ナビでもYouTubeでもゲームでもブラウザでも、なんでもござれとなります。

短所:

  • ・  CD/DVDの再生不可: 既存のCDやDVDを再生したい場合には不向きです。
  • ・  インターネット接続への依存: ストリーミングサービスなどを利用する場合、スマートフォンなどのインターネット接続に依存します。機種によっては車載専用のWi-Fiルーターを用意すると便利な場合があります(簡易的にはスマホのテザリングでも対応できますが、特にApple製は不便なことが多いです)。

拡張性や長い間使えるといった意味では、とても便利だと思います。しかし所詮パソコンなので、古くなると動作が遅いなどの不満が出てくるかと思います。カーナビとして使う場合は、地図データの更新はいくらでもできますので、常に最新のデータを使うことができます。知らないところを走る場合は、心強いと思います。


Android OSを搭載したディスプレイオーディオの例

取り付けについて

純正のオーディオを外して社外のオーディオに交換する場合、社外のオーディオが収まるようなパネルに交換する必要があります。このパネルは社外品で売られている場合が多く、車両側のハーネスと社外オーディオ側のハーネスとの変換コネクターも付属している場合があります。これらの多くはカーショップ、通販サイトで探せば購入できます。

中古車を購入した場合、オーディオ機器の両サイドに取り付ける板がない場合があります。もちろん純正部品でも取り寄せできますので、お近くのカーディーラーで注文すれば良いと思います。少しでも安く抑えようと思うなら、ヤフオクやメルカリでも売られている場合が多いですので、探してみると良いと思います。

どうしても自分で取り付けできないときは

新品をカー用品店で購入すれば、お金はかかりますが取付も依頼することができます。最近ではポータブルナビタイプのディスプレイオーディオも販売されるようになりました。この手なら、皆さんの手でも十分取り付けできるかと思います。純正のオーディオを外したくない、外せない場合も、この手を利用すると良いでしょう。


ポータブルタイプのディスプレイオーディオの例 オートバックスセブンWebサイトより

なおご意見、ご感想、ご質問等については、筆者である私宛(jf1kktアットマークgmail.com)へご連絡頂けますと幸いです。

アパマンハムのムセンと車 バックナンバー

2025年7月号トップへ戻る

サイトのご利用について

©2025 月刊FBニュース編集部 All Rights Reserved.