概要

この記事では、アマチュア無線のD-STAR方式で送信されるD-PRS位置情報を、Traccarという無料の位置管理ソフトと連携させて地図上にリアルタイムで表示する方法を紹介します。

Windowsパソコンとシリアルポートがあれば、自局や移動局の現在地をブラウザ上で確認するシステムを簡単に構築できます。

Traccarの導入、無線機側の設定、そしてPythonによるシンプルなパーサースクリプトの作成までを解説します。

Traccarのインストール

TraccarはオープンソースのGPS追跡プラットフォームで、さまざまなデバイスからの位置情報を収集し、ブラウザ上で表示できるアプリケーションです。軽量で構築も簡単なため、個人の利用や小規模な用途にも適しています。以下に、Windows 環境でのインストール手順を示します。

• 1. Traccarの公式ウェブサイト(https://www.traccar.org/download/)から最新版のWindows 64bit用(Windows x64)のインストーラ「(例)traccar-windows-64-6.7.3.zip」をダウンロードします。

• 2. ZIPファイルを解凍し、中にある「traccar-setup.exe」をダブルクリックしてTraccarをサービスとしてインストールします。
• 3. インストール後にPCを再起動します。これによりTraccarのサービスが自動で起動します。
• 4. ブラウザで「http://localhost:8082/」を開き、Traccarの画面にアクセスします。初回アクセス時にはメールアドレスとパスワードを入力してユーザー登録を行います。

• 5. 地図の種類は数種類から選べます。お好みで「OpenStreetMap」や「Google Map 道路」などを選択して下さい。「環境設定」の「アクティブなマップ」で使用する地図を選択可能です。

デバイスの登録

• 1. Traccarの検索画面横の「+」ボタンを押してデバイスを新規登録します。
• 2. 必須項目:
• 　・名前: わかりやすい名前
• 　・ID: 無線機の"MY"設定と同じコールサイン
• 3. Categoryを変更するとアイコンを切り替えられます。D-PRSで送出するアイコンにあらかじめ合わせておきます。