新・エレクトロニクス工作室
2026年3月16日掲載
第43回では一般のクリスタルフィルタに互換して使える、ラダー型のフィルタを紹介しました。今回はそのDBM版になります。ターゲットにしたのは写真1のような8ピンのDBMです。このタイプのDBMはアマチュア無線の自作でも良く使われてきました。私も随分と使いました。しかし、最近では入手が困難になりつつあるようです。「入手できないのであれば作ってしまえ」と単純に考えたものです。

写真1 市販の8ピンDBM
このようなものを作ると、今までの流れがあります。KCSのトランスバータ基板を連想されるかもしれません。そのとおりで、KCSのトランスバータは基板内にDBMを組んでいます。ここに8ピンのDBMを使い、その前に互換できるDBMを自作しておこうという魂胆があります。
もちろんDBMはKCSのトランスバータだけではありません。一般的な8ピンDBMと互換できるように、基板を作って作製しました。これで、いろいろな機器に応用をする事ができます。但しクリスタルフィルタと異なるのは、このようなDBMはあまりに小型という点にあります。そのため、基板で作製すると僅かにサイズが大きめになっています。使用する本体側の基板に余裕があれば問題ないのですが、接触してしまう可能性はゼロではありません。その場合は使えないという事になります。
基板は2種類作りました。まずは写真2のようなダイオード4本が入った487C1-3Rを使う場合の基板です。このダイオードは、過去には秋月電子で安く入手できました。今でもハムフェアや若松通商で入手する事が可能です。入手するのであれば、あとに紹介する1SS106よりも487C1-3Rの方が良いと思います。

写真2 専用ダイオードの487C1-3R
487C1-3R用の基板が写真3になります。基板の中央の左右に縦線が3本ありますが、これがトリファイラ巻きのコイルになります。距離が短くコイルの絵が描けませんでした。写真3の下側がハンダ面になります。

写真3 487C1-3Rを使う場合の基板(円に印がある位置に長い足を入れる)
487C1-3Rは少々入手に難があります。そこで今でも秋月電子で容易に入手できる1SS106(写真4)を使いました。小信号ショットキーバリアダイオードで、5本120円です。

写真4 1SS106の場合は4本使用する
1SS106用に作った基板が写真5になります。下側がハンダ面ですが、ダイオードが見えます。このように一本だけは基板裏のハンダ面に付けるしかありません。また、サイズの制約があり普通に足を曲げただけでは基板に入りません。かなり強引に足を曲げる必要があります。なお、1N60等のサイズでは全く入りません。従って可能であれば、487C1-3R版を使う事をお勧めします。

写真5 一本だけはハンダ面に付ける
この基板をトランスバータ基板等に載せる時には、写真6のようにピンヘッダーの樹脂部分を使って浮かせる必要があります。特に1SS106の場合は写真7のように基板裏ハンダ面にダイオードをハンダ付けしていますので、そのスペース分を浮かせる必要があります。従って、あまり高い周波数には不向きでしょう。まあ、元々50MHz以上に使う予定はありませんので、問題はないのですが・・・。

写真6 ピンヘッダーを切って8ピンの足にする

写真7 1SS106の場合
基板を作る事を考えると、実際の配置を考慮しておくべきでしょう。まあ、DBMを作ろうとすると、少なからず混乱します。そこで487C1-3Rの場合は図1の回路としました。一般的には1ピンをRFとし、2ピンはそのGND側にします。3ピンと4ピンをショートして共にIFとし、5ピンと6ピンをそのGND側にします。8ピンをLOとし、7ピンはそのGND側にします。実際には180度回転させても全く同じように動作しますし、こだわる必要もありません。ただ、ダイレクトコンバージョン受信機のような場合は、3,4ピンと5,6ピン間をAFの出力にします。DCから使えるのはこのポートだけです。

図1 487C1-3Rを使った回路(コイルはT-25#10のトリファイラ巻き9回)
1SS106を使った方は図2の回路としました。ダイオードの向きを487C1-3Rに合わせています。もちろん、合わせる必要はないのですが・・・。どちらも基本的には変わりません。

図2 1SS106を使った回路(コイルはT-25#10のトリファイラ巻き9回)
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