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おきらくゴク楽自己くんれん

その57 カセットガスストーブ暖房導入とインバーター発電機ノイズの対策

JF3LCH 永井博雄

2026年3月2日掲載


カセットガスストーブ

皆さんこんにちは。軽トラモバイルシャックでDC13.8Vが得られる新たな電源にということでインバーター式ポータブル発電機を購入しました。これは無線機用電源としてだけではなくユーティリティ電源としての活用も期待しての選択でした。寒い時期、これまでは大容量リチウムイオン電池とインバーターによるAC100Vで使っていたセラミック電気ヒーターの新たな電源が増えたことになりますが、発電機は使える場所が限定されます。電池の容量に制限があるのでセラミック電気ヒーターもあまり大きいものを使えず、300W程度のヒーターでは速攻温めには不向きで十分に室内を暖めるには時間がかかっていました。そこでもう少し早くに暖がとれてどこでも使える新たな暖房方法を考えていました。

1. カセットガスストーブ

最近キャンピングカーなどの暖房で話題になっているFFヒーターがあります。これは燃焼に必要な空気を外から取り込み、燃焼後の排気ガスは外に排出するため、一酸化炭素中毒の心配がなく安全に使うことができます。最近は車中泊用途やキャンピングカー専用に設計された手軽に使えるモデルが出ていますがまだ高価ですし、取付けが手軽になったとは言え吸排気ダクトの設置などの手間があるのでこれは対象外となりました。次に考えたのは家庭用カセットガスをつかうストーブです。電源は不要でカセットガスだけで暖が取れますのでモバイルシャックだけはではなく災害など非常時にも心強い味方になります。国内メーカーのモデルの価格が手ごろでしたので購入しました。


軽いタッチの側面操作部

購入したカセットガスストーブは国内トップブランドのモデルです。大きなツマミで点火・消火が容易で安心して使うことができます。点火ツマミの上にある運転モードツマミで燃焼モードを選択できて、弱モードで約15%ガス消費量を節約できます。標準モードで約3時間20分使用できます。ネットでは多くの海外製モデルもありましたが安全性を重視して今回はこのモデルを選びました。暖房能力は1.0kWでこれまで使ってきた電気ヒーターと比べ、ハイパワーで急速に室内温度を上げることができます。燃焼音もとても静かなのでPHONEでの運用に支障がでることはなさそうです。


カセットの装てんは簡単

この機種では安全装置としてガス圧力感知・立ち消え・不完全燃焼・転倒時消火装置と多くの機能が装備されています。これまでモバイルシャック内部でのガス機器の使用は隙間が多いとはいえ、狭い空間では一酸化炭素中毒の危険性が高いので極力避けていました。そこで今回安全性を確保する為に一酸化炭素チェッカーを使う事にしました。

2. 一酸化炭素チェッカー

購入した一酸化炭素チェッカーには中国製でフォントがあれな感じの日本語取扱説明書、ストラップ、携帯袋が付属しています。起動時や動作状態などのタイミングに女性の声で日本語アナウンスがなされます。30ppm~999ppmまでを60秒ごとに測定する仕組みとなっており計測の度に赤いLEDが点灯します。一酸化炭素濃度と共に温度と湿度も表示します。単三電池を2本使用します。取扱説明書には乾電池寿命についての表記はありませんが、前記の間欠動作から考えてかなりの長期間電池交換無しで使うことができそうです


一酸化炭素チェッカー

一酸化炭素濃度と時間により警報が鳴るタイミングが変わります。50ppm以下の濃度であれば2時間以上、50から100ppmで60分から90分以内、100から300ppmで10分から40分以内で警報が発せられ、より高い300ppm以上になると3分以内で警報が出ます(警報は警報音と赤色LEDが点滅)。

実際に扉と窓を閉めた室内体積約4m3のモバイルシャック内でカセットガスストーブを点火し、同じ室内に設置した一酸化炭素チェッカーを、室外で様子をうかがいながらテストします。私自身がシャック内にとどまっていると万一の場合危険なのでテスト中はシャックの外で待機します。テスト開始時の気温は0℃以下でしたがすぐに室内気温が上昇しました。点火後40分程経ち18℃まで上昇したところでストーブの安全装置が働き自身で消火していまいました。動作を知らせる装置がないので定かではありませんが、その時点でのチェッカー指示値は54ppmでした。不完全燃焼防止が働いたのでしょうか。それであれば過信は禁物ですがストーブを密閉状態で使用しても不完全燃焼状態が生まれにくいため安心して使うことができるでしょう。もちろん基本的にストーブ使用時には少し窓を開けるようにして濃度が上がらないようにしておくことは必須としておきます。

ちなみに自宅の10畳個室で石油ファンヒーターを数時間21℃設定で使いましたが、指示値が0ppmから上がることはありませんでした。このセンサーは30ppm以下では正確な数値は指示できないようなので一酸化炭素がないという事ではないようですから表示される数字を鵜呑みにしない方がよさそうです。

今回のテストでどのように一酸化炭素濃度が高くなっていくのか? ストーブの安全装置は役に立つのか? などの確認が取ることができました。カセットガスストーブはすぐに暖まる速攻性があるので冷え切った室内を暖めることに使い、ある程度温度が上昇したらAC電源のセラミックヒーターに切り替えて使うのがベストであるとわかりました。また炎が室内に存在することになるのでガスストーブを使う時は火災が起こらないように十分な注意が必要なことはいうまでもありません。

またガスを直接燃やす器具を使い冷えた室内を急激に暖めると、燃焼で発生する水蒸気が未だ冷たいところに触れることで結露が発生しやすいことにも注意が必要です。実際に先のテストで室内に置いていたIC-7300MK2の側面に結露が発生していましたのですぐにふき取って事なきを得ましたが、万一内部の基板に結露が発生した場合、直接故障につながるのでストーブから遠ざける、カバーなどを被せるなどの対策が必要となります。

3. インバーター発電機ノイズ対策

前回発電機使用でインバーター発電機のノイズ対策を検討していましたが、日頃から仲良くしていただいているOMさんからご自身がインバーター発電機で使っていたACノイズフィルターを使っていないので貸していただけるという事で使わせていただきました。早速フィルターの効果を確認してみます。


フィルターテスト運転状況

テストの環境は移動運用で無線機はIC-7300MK2M。アンテナは給電部高さ約7mの逆Vダイポール。発電機は新ダイワのiEG900M。発電機からのAC100Vを30A安定化電源でDC13.8Vを得ます。


試用ノイズフィルターなしの状態


試用ノイズフィルターを使った場合

御覧のとおり効果はてきめんでした。7MHz SSBモードではノイズによる支障を感じることはなく快適に運用することができるようになりました。他のバンドでも大きな効果が確認できましたが一部のバンド・周波数でまだ影響が残ります。全てのバンドは確認できていませんがとりあえず支障がない程度といった感じで使えそうです。

実際に7MHz SSBモードでCQを出してみますとすぐに呼んでいただき10局以上と交信することができましたが、安定してノイズレスな環境で楽しむことができました。今のところまだ10MHzなどで比較的影響が大きいことがわかっていますが、それでもあるとないでは大きな違いがあります。


テストしたTDK製ノイズフィルター

これはインバーター発電機を使う上で必須の装備だという事がわかりましたので早々に自分用を手配しようと考えています。

それではまた。

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