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39,000名の入場者で賑わった「ハムフェア2018」リポート

今年で42回目を迎える日本最大のアマチュア無線のイベント「ハムフェア2018」が8月25日(土)と26日(日)に東京ビッグサイト 西展示場2ホール(東京都江東区)で開催され、初日は過去最高となる27,000人、2日目は12,000人の合計39,000人が来場した。


「ハムフェア2018」の会場、東京ビッグサイト


今年のハムフェアは大学生(22歳未満)までだけでなく、女性も入場料が無料になった。そのせいか、女性の姿も多く見かけた

8月中の開催に戻った今年の「ハムフェア2018」は、2日間とも快晴で最高気温が35度を超える猛暑の中での開催となった。初日は来場者の出足も早く、午前9時30分には開幕を待ちわびる熱心なアマチュア無線家の長蛇の列が入場ゲート前にできていた。


開場を待つ長い行列ができた(25日9時30分撮影)

9時45分からは開幕セレモニーが開催され、髙尾義則JARL会長(JG1KTC)が「今年のハムフェアは、楽しい交信を通じて広がる人と人の出会いやふれ合い、アマチュア無線の可能性を新たにする展示や催事、数々の講演を企画しました。ご来場の皆様には楽しい出会いや新しい発見が必ずあると思います。2日間ハムフェアを存分に楽しんでください」と挨拶を行い、続いて国内外の来賓が紹介された。


テープカットを行う髙尾JARL会長(中央)と来賓代表者


ハムフェア2018特別記念局の8J1HAMから“第一声”を出す髙尾JARL会長

10時のテープカット後、来場者はJAIAなどのメーカー展示コーナーやおよそ200のアマチュア無線クラブなどが出展するクラブコーナーなど、思い思いのコーナーへと足早に進んでいった。

アイコムが新製品IC-9700、IC-DRC1を展示。さらに「AI Communication BOX」を参考出品

アイコムは、今年もアマチュア無線家の期待に応える製品を意欲的に展示していた。


来場者で混雑するアイコムのブース

ブース内には昨年のハムフェア2017で参考出品を行ったトリプルバンド(144/430/1200MHz帯)オールモード機のIC-9700を複数台展示。来場者はVHF/UHF帯までダイレクトサンプリング(1200MHz帯はダウンコンバージョンIFサンプリング)を採用した受信部や、高速リアルタイムスペクトラムスコープ&ウォーターフォールの快適さ、使いやすいタッチ操作などを体感し、ID-1以来となる1200MHz帯DDモードの搭載で128kbpsのデータ通信(PC接続時)ができるといった説明を聞き、強い関心を示していた。


144/430/1200MHz帯オールモード機、IC-9700

また、新たに制度化された142/146MHz帯の「デジタル小電力コミュニティ無線」に対応したハンディ機のIC-DRC1は、無線局免許や登録手続きが不要で誰でも手軽に使え、GPSレシーバーの搭載により相手局の位置情報がわかるなど“ご近所の安心安全を図るコミュニケーションツール”として普及を期待する声が多く聞かれた。


地域の安心・安全を守るための、GPS搭載ライセンスフリートランシーバー、IC-DRC1。142/146MHz帯で0.5W出力でFMラジオも内蔵

さらに技術の一端を示す展示として、マイクロホンで音声を認識し、アイコム製無線機の各種コントロールができる「AI Communication BOX」が参考出品され、来場者は「電源入れて」「7メガに変えて」「Sメータ数えて」といった言葉の通りに、接続されたIC-7610が動作する様を興味深げに体験していた。


アイコム製無線機の各種コントロールができる「AI Communication BOX」(参考出品)


ハムフェア2018開催前日の8月24日にはIC-7610のファームアップが行われ、I/Q信号の出力が可能になり、CW skimmerも使ったデモンストレーションコーナーが設けられた


自分のD-STARトランシーバーを持参すると缶バッチをプレゼント。さらに抽選でオリジナルTシャツが当たるという企画も大好評だった

JAIA各社が魅力的あふれる製品を展示

JVCケンウッドは、8月初旬に発表したばかりのHF/50MHz帯ハイエンドトランシーバーのTS-890を展示し、優れた受信性能や直観的に操作できるパネルレイアウトなどが体験できる試聴コーナーを設けた。


JVCケンウッドはTS-890を展示し、試聴コーナーを設けた

またアツデンは、EME用リニアアンプとして144MHz帯のAZR-5002と430MHz帯のAZR-5007(いずれも最大出力は500W)を参考出品した。さらにエーオーアールは広帯域受信機のAR-DV1をタブレットから操作できるインターフェースを参考出品するなど、各社が意欲的な製品展示を行っていた。


アツデンのEME用144MHz帯リニアアンプ(500W出力)、AZR-5002


JAIA加盟メーカー各社の展示ブース

さまざまなイベントと個性豊かなブース

ハムフェアは、メーカー展示だけでなく、クラブコーナーの研究発表を見たり、ジャンク品・オリジナル商品の購入したり、各種の体験ブースやステージイベントなどを楽しんだりと、男性ハムだけでなく女性や子供も楽しめる内容になっている。特に今年は女性や子供たちが楽しむ姿を多く見かけた。


シンガーソングライターのMasacoさんはイベントコーナーでのミニライブ(左上)のほか、放送ブースからトークショー(左下)を行った(写真:FMぱるるん提供)。高校アマチュア無線連盟は「高校コンテスト」の表彰式を行い、多数の高校生ハムが集合(右上)。FMぱるるんは小中学生によるガールズバンド「ZKB59」の結成を披露(右下)


クラブコーナーやJARLコーナーでは、さまざまな展示が行われたほか、体験コーナーも設けられた。また25日の夕方からはJARL主催の「アイボールパーティー」が開かれ、200名が参加した

月刊FB NEWSのブースでは、新デザインのクリアファイル新デザインのクリアファイルの配布、アンケート回答者へオリジナルナップザックのプレゼントを行ったほか、夏らしい「水中コイン落とし」というゲームを行って、来場者がひっきりなしの状態となった。

また、MasacoさんのニューCD「晴れおんな」や、このCDとオリジナルマグカップと缶バッチ2種類がセットになった「超応援セット」も販売。Masacoさんは購入者一人ひとりにサインをして、握手や記念写真の撮影にも応じていた。


手作り感あふれる飾り付けと美しい壁紙がひときわ目を引く月刊FB NEWSのブース。MasacoさんのCD購入やアイボールのために訪れる人も多かった


あーちゃん考案、涼しげな「水中コイン落とし」ゲーム。水面からコインを落とし、水槽内の小さな富士山の上にコインを乗せることができたら賞品をプレゼント!! かな~り難しい!?

なお来年のハムフェアは、2019年8月31日(土)と9月1日(日)の2日間、東京ビッグサイトの敷地内に来夏オープンする「南展示棟 3・4ホール」で開催される予定だ。

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次号は 12月 1日(木) に公開予定

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