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Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~

第56回 京都大学 学際融合教育研究推進センター 宇宙総合学研究ユニット(JL3ZLJ)の皆さん

Masacoの「むせんのせかい」 ~アイボールの旅~

あっという間に2020年も師走! 今年は新型コロナウイルスの影響で、身の回りでイレギュラーなことばかり起きた1年…。お仕事で、日常生活で、大変な苦労をされた方も多かったと思います。私はこの夏、新曲リリースの予定でしたが、全てがストップしてしまい手付かずの状態でした。なんだかボンヤリとしてしまった1年の締めくくりに、何か一つは形にしたいと少しずつ前向きなエネルギーに変わった今、いつも家族のように支えてくれているミュージシャンの力を借り、制作にエネルギーを注ぐ日々を過ごしています。当たり前の日常が本当は特別だということをひしひしと感じています。

2021年は落ち着きを取り戻し、オリンピック・パラリンピックが無事開かれ、アマチュア無線のイベントも再開することを念じています。

さて今月は、宇宙飛行士の土井隆雄さんを中心に、とってもユニークな研究を行っている京都大学にお邪魔しました。月や火星での衛星通信の研究のために、アマチュア無線のクラブ局も運用を始めたそうですよ♪

第56回 京都大学 学際融合教育研究推進センター 宇宙総合学研究ユニット(JL3ZLJ)の皆さん


私は最近、宇宙づいているのかも!? 今年9月号の「むせんのせかい」では日本大学の宇宙工学科にお邪魔して、超小型衛星「NEXUS」のお話などをとっても楽しく伺いましたが、それをお読みになった方から「京都大学では、宇宙飛行士の土井隆雄さんが中心になって、有人宇宙学というユニークな研究をしていますよ。最近はアマチュア無線のクラブ局も開設したそうです」という情報をいただき、面白そうな予感♪がしたので、編集部経由ですぐ取材依頼をさせていただきました!

取材OK!のご連絡をいただき、向かったのは京都市左京区の京都大学吉田キャンパス。北部総合教育研究棟にある「宇宙総合学研究ユニット」の研究室にお邪魔しました。


憧れの!? 京都大学にやってきました!


北部総合教育研究棟にある「宇宙総合学研究ユニット」にお邪魔しました

研究室で待っていてくださったのは、宇宙飛行士で、京都大学大学院総合生存学館特定教授である土井隆雄さん、京都大学宇宙総合学研究ユニット特定助教の田島知之さん、京都大学の「有人宇宙学」の履修経験がある工学部物理工学科4回生の曽束元喜さん、そして今回の取材を仲介してくださったJAMSAT(NPO法人 日本アマチュア衛星通信協会)のメンバーである石原正次さん(JH3BUM)です。


左からJAMSATの石原さん(JH3BUM)、宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館特定教授の土井隆雄さん、京都大学宇宙総合学研究ユニット特定助教の田島知之さん、工学部物理工学科4回生の曽束元喜さん

土井さんは毛利 衛さん、向井千秋さん、若田光一さんに次いで、4人目の日本人宇宙飛行士として1997年にスペースシャトル(コロンビア)に搭乗し、日本人では初めてとなる船外活動を行いました。さらに2008年にもスペースシャトル(エンデバー)で再び宇宙へ! 国際宇宙ステーション(ISS)に「きぼう船内保管室」の設置を担当されるなど活躍。2009年から2016年までは国連宇宙部で宇宙応用専門官を務め、2016年4月に京都大学の特定教授に就任されました。

土井さんはとっても暖かい雰囲気の方! 私が「実は、2017年の関西アマチュア無線フェスティバルで、JAXA宇宙飛行士の油井亀美也さん(KG5BPH)が講演された際に、私が司会を務めさせていただいたんです!」とお話しした時も、「そうでしたか! 油井宇宙飛行士はアメリカでアマチュア無線技士の免許を取りましたよね。私はもう40年以上前に、日本で取りましたよ」と目を細めてニコニコ。最初は私もちょっと緊張していたのですが、お話が面白くて、どんどん引き込まれていきました。

宇宙総合学研究ユニットと有人宇宙学部門

今回訪問した京都大学の宇宙総合学研究ユニットは2008年に発足したそうですが、大学によくある縦型の「学部」や「学科」ではありません。理学、工学から人文社会科学まで、宇宙に関係したさまざまな学問分野と連携・融合した「宇宙総合学」の構築を目指していて、京都大学の学生(おもに大学院生)なら所属を問わず参加できるカリキュラムがいっぱいです!

「自然科学分野ばかりでなく、人文社会科学の専門家も集まって“学際融合”という観点から宇宙に関連する新しい学術分野を創出する」という目的から、担当する先生方も、専任教員(2名)、非常勤教員(11名)のほか、学内の人文、工学、理工など22部門の教員80名が併任で参加しているのが特徴だそうです(京都大学にはこうした“ユニット”が20近くあるそうです)。

この宇宙総合学研究ユニットには「宇宙環境学部門」「宇宙センシング学部門」「宇宙文明学部門」など5つの部門があり、そのうちの1つが今回お邪魔した「有人宇宙学部門」です。2016年4月に土井さんが宇宙ユニットの特定教授に着任されたことをきっかけに、「人類が宇宙に展開するための新しい学問(有人宇宙学)を作り、教育・研究活動を実践していく」という目的で設けられました。

「簡単に言えば“宇宙に移住したときに、人はどう生活し社会を作っていくか?”を学生に考えてもらうのが有人宇宙学です」と田島さん。そして土井さんから「宇宙で生活する場合、ライフラインとして無線が不可欠です。月にも火星にも電離層はありませんから、お互いの連絡手段はV/UHF帯で、遠方とは衛星通信をせざるを得ないと考えられます」と宇宙生活における無線の重要性を教えていただきました。


京都大学が行う「有人宇宙活動のための総合科学教育プログラム」のコースツリー。さまざまな講義や実習、セミナー、広報活動を行っています

--宇宙で生活するというのは、ISSの中での生活を想定していらっしゃるのですか?

「ISSのフェーズが終わって、その次の段階ということで、学生には月や火星での生活を想定してもらっています」

--宇宙飛行士が月や火星に行くのは、いつ頃になりそうですか?

「アメリカは2024年を目標に有人月面着陸を行うことを発表していて、日本もこの計画に協力を表明しています。JAXAも宇宙飛行士の募集を来年秋に始める予定ですが、選ばれた人たちは月に行けるはずです。そして2030年代には火星に宇宙飛行士を送り込む計画もあり、あと15年もすれば火星に滞在できるようになります」

--わあ、そんなに早く! ビックリです!!

土井さんに伺ったところ、国内の大学で宇宙関係の教育プログラムを行っているところはいくつかあるそうですが、有人宇宙学を行っているのは京都大学だけということで、文部科学省の宇宙航空人材育成プログラムの支援も受けているそうです。

今年の実習では衛星からの電波を受信体験

有人宇宙学部門では、有人宇宙ミッションを模擬して、学生が共同生活を送りながらさまざまな課題に取り組む「有人宇宙学実習」という教育プログラムも行っています。これは京都大学付属の花山天文台(京都市山科区)の敷地に、グループごとにテントを張り、寝食を共にしながら5泊6日で「天体観測実習」「微小重力実験」「閉鎖環境実習」などの実験や実習を行うというもの。ちなみに夕食は交代で自炊をして、スマホは“緊急時以外電源OFF”なのだそうです!


毎年、有人宇宙学実習の参加者に配られる「クルーノートブック」。実習における細かい注意事項が書かれているほか、実験の観察記録が記入できるようになっています。実習中のすべての体験はこれに記録することを義務づけ、その完成度で成績が評価されるそうです! ちなみに実際の宇宙飛行士も宇宙ミッションのときにクルーノートブックを肌身離さず持ち歩き、発見のすべてを書き込みます


今年の有人宇宙学実習に参加した学生さんの「クルーノートブック」を見せていただきました。どのページも書き込みがビッシリ(スケジュールもビッシリ!)。成績をつけたあとは本人に返還されるので、良い思い出になりそう!

さらに2017年度と2018年度は、5名ずつ小型ジェット機に乗り込んで、放物線飛行(パラボリックフライト)を繰り返すことで発生する「微少重力状態」と「過重力状態(2G)」を体験する実習も行われました! 無重力に近い状態になった飛行機の中で、文字を書いてみて空間認知がどう変わるか…とか、ストップウォッチで10秒間経ったと思うところでストップボタンを押し、時間認知の変化を体験したりと、いろいろ面白くて貴重な実習だったそうですよ。


小型ジェット機を使った「パラボリックフライト」。微少重力を体験できるのは1回あたり20秒程度だそうです。私もやってみたい!

2020年は新型コロナウイルスの影響から、「有人宇宙学実習」は会場を吉田キャンパスに移し、9名の参加者は自宅やホテルから毎日通う形になりました。その実習ではクリノスタットという装置を使って、微少重力を模擬した状態で植物の根の成長がどのようになるかの観察、閉鎖環境で自分自身のストレスの測定のほか、今年初めてJAMSATの協力で「宇宙無線通信実験」が行われました!


微少重力を模擬した状態で植物の根の成長がどのようになるかが観察できる「クリノスタット」を見せていただきました。装置の円盤部分に発芽した植物を置き、モーターで回転させるそうです

--宇宙無線通信実験って、なんだかワクワクする名前ですね。どんな実験をされたのですか?

「はい、屋上でISSやアマチュア衛星(SO-50:サウジサット1C)からの信号をキャッチする実験です。3人1組になって、スマートフォンのアプリ(ISS Detector、pxSatelliteTracking)を操作し、衛星が飛んでくる方位と角度を伝える係、小型アンテナ(144MHz帯3エレ/430MHz帯7エレとして動作)を手に持って、衛星の方向に向ける係、受信機を操作して信号をキャッチする係に分かれて行いました」


宇宙無線通信実験で使った144/430MHz帯の八木アンテナ。米国製で手持ちができる形状が特徴です


実際の宇宙無線通信実験のシーン。3人が連携しながら衛星を追尾中!

--面白そう! チームワークが重要ですね!

「実験の前には、JAMSATの石原さんに電波教室と衛星通信についての講義を行っていただきました」

--参加した学生さんには好評でしたか?

「最初、工学系の学生に“アマチュア無線で通信”というと、なんとなく時代遅れのような反応が返ってきたのですが、宇宙における無線通信の重要性やアマチュア無線の意義を説明すると理解してくれました。これから少しずつ無線に興味を持つ学生を増やしていきたいと思います」

実は昨年、京都大学と米国のアリゾナ大学が共同で、アリゾナ州にある人工半閉鎖生態系施設「バイオスフィア2」で、日米の学生10名による「スペースキャンプ(SCB2)」を開催したそうです。参加者は火星に基地を造ることを想定して「閉鎖環境や宇宙空間における健康」「宇宙放射線について」「火星の環境」などの授業を受け、甲子園球場ぐらいのドームの中にある熱帯雨林、海、砂漠で実習を体験するという本格的なものでした!

今年も8月にバイオスフィア2でスペースキャンプを行う計画でした。今回は参加者にアマチュア無線と衛星通信のことも勉強してもらい、実際に衛星経由の通信実験も行う計画で、田島さんは2月にバイオスフィア2に行き、アリゾナ大学アマチュア無線クラブとAMSATの協力で衛星通信用のアマチュア無線機とアンテナの設置を進めていたそうです。ところが新型コロナウイルスの感染拡大で、今回のスペースキャンプは2021年に延期になってしまったそうです…。


今年2月、田島さんたちが米国に行き、アリゾナ大学アマチュア無線クラブの協力で「バイオスフィア2」に衛星通信用アンテナを建てました(写真下はそのときに受け取ったアイボール記念のQSLカード)。しかしコロナ禍の影響で8月に予定されていた「スペースキャンプ(SCB2)」は延期に…

いつか、アリゾナでスペースキャンプをする学生の皆さんと、京都大学にいる皆さんがアマチュア衛星を通じて交信できると楽しいでしょうね~。でも低軌道衛星だと難しいのかな!?

衛星通信用のアンテナと無線機を見学

ここで田島さんに「Masacoさん、学生の皆さんに衛星通信を学んでもらうために、この研究室にも衛星通信用の無線機とアンテナが設置されているんですよ」と教えていただきました。


研究室に設置された「京都大学宇宙ユニット無線局(JL3ZLJ)」を見せていただきました

研究室の一角にIC-9700があり、衛星追尾用としてローテーターのコントローラやデスクトップPCも置かれています。コールサインはJL3ZLJ、クラブ局名は「京都大学宇宙ユニット無線局」だそうです。

屋上を見せていただくと、大きなルーフタワーに144MHz帯の9エレ八木と430MHz帯の13エレ八木が設置されていました。もちろん衛星追尾に不可欠な、水平仰角ローテーターも付いています。


屋上には144MHz帯の9エレ八木と430MHz帯の13エレ八木を設置。水平仰角ローテーターもついています。後ろに見えるのは大文字の送り火でおなじみの如意ヶ岳。「避雷針の保護角や、景観条例の関係で、もっと高い位置にアンテナが建てられないのがちょっと残念です」というお話も!?

--まだピカピカの新品ですね!

「アンテナは今年の8月に、地元の無線ショップに依頼して、石原さんにもお手伝いいただいて建てたばかりです。あ、Masacoさん、向こうに8月16日の五山送り火(大文字の送り火)で有名な東山の如意ヶ岳(大文字山)が見えますよ」

--本当だ!“大”の字がよく見えますね。8月16日にこの屋上で送り火を見てみたいです(笑)


アンテナの向こうに如意ヶ岳の「大」の字がよく見えました♪

このアンテナと無線機を使って、まだ数は少ないのですがISSのクロスバンドレピータ機能を使った交信や、SO-50を使った衛星通信にも成功しているそうです。そして京都大学(土井さんも所属する大学院の総合生存学館)では、同大学初の超小型人工衛星の開発も進行中!「そのためにも、学生にはまずこの設備で衛星通信に慣れてもらおうと思います。超小型衛星の打ち上げが近づいたら、管制局も整備しなくてはいけませんが」と教えていただきました。

--ところで、宇宙総合学研究ユニットで学ばれる学生の皆さんに、アマチュア無線の資格取得を勧めたりしていらっしゃいますか?

「関心を持った学生には3アマの取得を推奨して、“取れる人は1アマまで頑張れ”と言っています(笑)。今後数名が受験する予定です」

実は、同席してくださった工学部物理工学科4回生の曽束さんは、去年の国家試験で3アマを取得! そして今年9月期の国家試験では1アマに一発合格したんですって!! ご本人は「今年の有人宇宙学実習にはサポート担当で参加したのですが、その時に3回ぐらい交信しただけです」と謙遜していましたが、これからは有人宇宙学で無線通信を推進するのに欠かせない人になっていく気がします。

曽束さんにインタビュー

ここで、その曽束さんにいろいろインタビューをさせていただきました。


工学部物理工学科4回生の曽束さん。宇宙に憧れて京都大学に入学しました

曽束さんは実家も京都で、石原さんと同じく府立嵯峨野高校の出身だそうです。高校の先生が京都大学への進学を強く勧めてくるので、自分も京大を目指そうと考え、宇宙好きだったことから、宇宙基礎工学コースがある工学部物理工学科を志望することにしました。

残念ながら現役での合格は果たせず、一浪中の秋ごろに新聞で「土井先生が京都大学に着任し、有人宇宙学部門を作る」という記事を見て、“京大に入学したら、土井先生に会いに行こう! 宇宙を見てきたお話を聞かせてもらおう”と思い、一気にモチベーションが高まったとか!!

そして翌年は無事に京都大学に合格、物理工学科は1学年で約240名が在籍していましたが、2年次からのコース分けで、曽束さんが希望する宇宙基礎工学コースは一番人気が高いにもかかわらず、定員はわずか20名。志望のコースには成績順で入れるため、曽束さんは1年次にものすごく頑張って勉強し、希望を叶えました。

曽束さんは現在、宇宙基礎工学コースで「はやぶさ」でも使われているイオンエンジンの寿命予測の研究を行っていて、そのまま大学院に進む予定ということでした。

--ところで、曽束さんの「土井先生に会いに行こう」という思いは、どのようにして叶ったんですか?

「2回生になった春、履修登録できる授業を調べていたら、土井先生の有人宇宙学の履修案内が出ていたんです。参加できるのは在学中に1回だけということで人気も高く、1回生は抽選で10倍ぐらい、2回生からは書類選考で3倍程度の競争率がありました」


曽束さんが参加した、2018年度の「有人宇宙学実習」の履修案内(一部)です♪

--じゃあ、曽束さんは書類選考を突破して履修できたんですね! 土井さんにはすぐ名前と顔を覚えていただけたんですか?

「それが、土井先生はとっても凄い方で…、恐れ多くて自分から話しかけるなんて、とてもできなかったんです。それが有人宇宙学のオリエンテーションが終わった後、緊張していた僕に“実習は楽しみですか?”と気さくに話しかけてくださいました。それがとっても嬉しくて、一気に心が開けた感じがしました!」

そして曽束さんは9月の有人宇宙学実習に参加、テントを張って5泊6日の実験を経験! 慣れないテント生活でお尻が冷えて大変でしたが、実習はとても楽しく勉強になり、今年度はアシスタントとして有人宇宙学実習のサポートをするようになったそうです。また超小型衛星の開発にも加わり「気付いたらアマチュア無線の資格も取り、通信系の担当ということになっていた」そうです(笑)。


通常、有人宇宙学実習ではこのようなテントを張って5泊6日の共同生活を行います

「小さい頃、テレビでアニメのドラえもんを見ていたら、JAXA宇宙飛行士の若田光一さんが、ISSから“ドラえもんを見ている皆さん、こんにちは、若田光一です!”と登場したことがあったんです。そのシーンにときめいて“自分も宇宙に行きたい”という気持ちが固まりました」という曽束さん、「将来も少なくとも宇宙産業には携わりたい。ベストは火星に行くことです」とおっしゃっていました。ぜひ“初の京都大学出身の宇宙飛行士”を目指してください!

宇宙飛行士になるための条件

最後に、土井さんに「どんな人が宇宙飛行士に向いていますか?」と伺いました。

「健康であることは絶対条件ですが、頑張り屋で中途半端にせず、最後までやり遂げられる人。そして忍耐強い人、チームプレイができる人ですね」

--なるほど! 宇宙でミッションを行うには大切なことですよね!

「ただJAXAの宇宙飛行士募集の場合“3年以上の実務経験”という条件があります。募集も5年に1回程度なので、タイミングが合わない方もいるかもしれません」(※前回の募集では「自然科学系分野における研究、設計、開発、製造、運用等に3年以上の実務経験があること、修士号取得者は1年、博士号取得者は3年の実務経験とみなす」となっていました)

--そうすると、応募もなかなか大変なんですね…。

ちなみにJAXAのホームページには「宇宙飛行士募集に関する資料集」が掲載されていて、過去の応募条件や選考方法、採用履歴などが出ていますよ!
https://www.jaxa.jp/press/2020/10/files/20201023-1_requirement01.pdf


JAXAの「宇宙飛行士募集に関する資料集」より。宇宙飛行士の競争率は毎回300倍以上です!!


JAXAの「宇宙飛行士募集に関する資料集」に、前回の宇宙飛行士の応募条件(抜粋)が載っていました。私はこの条件に全然当てはまらないなあ~

京都大学 学際融合教育研究推進センター 宇宙総合学研究ユニットの土井さん、田島さん、学生の曽束さん、そしてご協力いただいたJAMSATの石原さん、ありがとうございました。


左から石原さん、土井さん、曽束さん、田島さん、ありがとうございました。貴重なお話がとても楽しかったです!

私は人類が再び月面に降り立ったり、火星に初めて行ったりなんて、まだまだずーっと先の夢だと思っていました。今日、お話しを伺い、人間が宇宙で生活をすることを真剣に考える時期に来たんだなあ~と感じています。

今の子供たちが大人になったら、「今度の夏休みは宇宙に行ってくるよ~」「火星に引越しするよ~」なんて会話が飛び交っているのかなぁ。日々起こる出来事で悩んだりつまずいても、広い宇宙を想像したら、まだまだ自分自身の可能性を信じていいんだよ! と問いかけてくれているようで、気持ちが大きく豊かになっていく自分がいました。近い未来にワクワクしながら、宇宙生活の最前線でアマチュア無線が活躍する日がとても楽しみです! 私もスマートフォンにアプリを入れて、頭上を通るISSや衛星に思いを馳せてみたいと思います!!

(JH1CBX Masaco)

<お知らせ>
京都大学 学際融合教育研究推進センター 宇宙総合学研究ユニットでは2021年2月13日(土)と14日(日)に、第14回宇宙ユニットシンポジウム「人類は宇宙に居住できるのか? -宇宙生物学を踏まえた教育と展望-」をオンライン配信で開催する予定です。宇宙飛行士の山崎直子さんが講演されます!! 参加は無料ですので、興味のある方はぜひご覧ください。詳細は下記URLアドレスで発表されます。
https://www.usss.kyoto-u.ac.jp/symposium14.html

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次号は 12月 1日(木) に公開予定

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