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海外運用の先駆者達 ~20世紀に海外でアマチュア無線を運用した日本人達~

その93 今回の記事は1994年の北米 1994年(4)
「あの人は今 (第18回)」JG2CNS木田貢氏

JA3AER 荒川泰蔵

今回の記事は1994年の北米

今回は1994年の4回目で北米ですが、米国は勿論、当時はカリブ海や中米諸国からも日本人の運用が多くありました。尚、今月の「あの人は今 (第18回)」は、JG2CNS木田貢氏の紹介です。

1994年 (米国 4U1WB, W0/AH0AL)

JR1SWB中山幹康氏は5年振りの海外で、ワシントンで仕事に従事し、世界銀行の4U1WBをN7FDAの免許を基に1994年4月から運用している旨、アンケートを寄せてくれた。「世界銀行のクラブ局4U1WBは、世界銀行のスタッフで、米国のライセンスを有する者にのみ運用が許可されている。ゲストオペは一般には不可。HF全バンド~2mまでQRV可能。国際連合と米国FCCの合意に基づいて運用されている。(1995年1月記)」

JA6VZB森山聡之氏は、アイオワ大学からの運用についてアンケートを寄せてくれた。「W0/AH0ALの免許で、アイオワ州のアイオワ学から、TS-50+サガ電子製モービルホイップアンテナで、10/14MHzのCW/SSB/RTTYを運用し、12局とQSOしました。(1994年3月記)」

1994年 (パナマ HP1/JG2CNS)

JG2CNS木田貢氏は、駐在地のパナマで、HP1/JG2CNSの免許を得て運用した時の記録を、アンケートで寄せてくれた(写真1及び2)。「1994年2月、アパ-トの屋上にアンテナを設置する事が許可され、14, 21MHzの2Band DPを設置しました。しかし、屋上から部屋までRG58Uで約50m引いており、ロスが大きく受信感度も悪いため、あまりアクティブな活動が出来ていません。また仕事で出張のためパナマを離れることが多く、運用が限られますが、週末にはワッチする様に努めています。2月の開局当時はいくらか21MHzでJA局とQSOしましたが、その後コンディションが悪くJAが入感しなくなりました。尚、コ-ルサインについてWの局はHPのコ-ルサインを入手していますが、日本人である私に対しては外国人だからという理由でコ-ルサインが与えられていません。これは日本とパナマの間に相互運用協定がないのを意味しているのかもしれませんが、免許だけは入手出来ました。免許取得に当たり、1. 日本での無犯罪証明。2. 健康診断書。3. 日本の無線局免許状と従事者免許証の英文証明。4. その他いくらかの書類(弁護士に依頼したためよく分かりませんが、申請に当たっては弁護士作成のドキュメント)が必要でした。免許の証明以外はパナマのビザ取得に必要な物ばかりで、パナマ滞在者であれば当地の免許は問題なく取得出来ると思います。私は全て弁護士に依頼して取得しました。申請料はUS$25.-。弁護士への費用は親しい人なので小額(JAで免許を取得する程度)でした。(1994年6月記)」


写真1. (左)HP1/JG2CNSを運用する木田貢氏と、(右)そのQSLカード(倉本は旧姓)。


写真2. (左)HP1/JG2CNS木田貢氏の免許状(倉本は旧姓)。(右)HP1/JG2CNS木田貢氏のログの一部。

1994年 (グァテマラ TG9/NX1L)

JH1VRQ秋山直樹氏はグァテマラでのTG9/NX1Lの運用について、アンケートを寄せてくれた(写真3)。「FRACAPコンベンション(中米のハムの大会)が1994年10月21~23日にグァテマラで開催された際に、ARRLを代表して出席。その折にCRAG(同国のIARU団体)が、私の運用許可を取り計らってくれた。コンベンションのプログラムの合間に、TG9AJR及び、TG9GIのシャックを訪問し、そこからオンエアした。総交信局数400の内、JAは14MHzのCWで1局、21MHzのCWで183局、21MHzのSSBで98局であった。(1995年2月記)」


写真3. (左)TG9/NX1L秋山直樹氏のQSLカードと、(右)それを含むアンケートが送られてきたARRL本部の封筒。

1994年 (ケイマン諸島 ZF2AC)

JA7KAC佐々木公咲氏は、ケイマン諸島でのZF2ACの運用について、CQ ham radio編集部を通じてアンケートを送ってくれた(写真4及び5)。「免許証には日本のように周波数や電力(出力)が記されておらず、単にA,B等のクラスのみ記されている。このため正確な周波数については事前に把握しておく必要がある。免許については申請料を払うことで1年毎の更新が可能であるが、リグの輸入許可証はその都度申請しなければならない。公称電圧は110V/220Vであるが、実際は117~120V / 230~240Vであった。しかし電圧ドロップがかなりあり不安定なので、リニアの使用は230Vでないと苦しかった。230V用のコンセントプラグは特種な仕様なので事前に入手しておいた方がよいが、島でも意外と電気材料はあるようである。グランドケイマン島はまっ平らな島なのでロケーションは特にどこかを選ぶ必要はない。夏期は朝夕雷雨がありノイズがひどいので運用が制限されてしまいます。(1994年10月記)」尚、佐々木氏は1994年7月に3.8MHzやWARCバンドに力を入れてQRVされ、JAの開けた3日間で約700局のJA局とQSO されたそうです。


写真4. (左)ZF2AC佐々木公咲氏の免許状。(右上)ZF2ACを運用する佐々木公咲氏と、(右下)そのQSLカード。


写真5. 月刊59誌1994年10月号に掲載された、ZF2AC佐々木公咲氏のケイマン諸島の記事。

1994年 (タークス・カイコス諸島 VP5/AB5MF)

JF0VCY尾原栄氏は、タークス・カイコス諸島で、VP5/AB5MFの免許を得て運用した経験を、CQ ham radio 編集部を通じてアンケートを寄せてくれた(写真6~8)。「VP5JM, Jodyさんのゲストハウスから運用しました。彼女のゲストハウスには現在IC-751A、及びアンテナはMosley Pro 67Bとロ-バンド用ダイポ-ルが設置されており、HFオ-ルバンドが運用可能です。リニアアンプ、電鍵及びヘッドホンはありません。免許は米国の免許を持っていれば相互運用協定による許可が与えられますが、日本の免許でも可能です。コンテスト期間は希望によりVP5のプリフェックスを持つコ-ルが与えられますが、それ以外はVP5/申請者のコ-ルでの運用となります。申請は現地の無線クラブのSecretaryでもあるJudyさんが代行してくれます。ただし、現地の事務の進行がすごく遅いため、半年前から申請していたにもかかわらず現地に到着しても許可証がきておらず、代りに到着後すぐに運用してもよい旨が書いてある手紙をもらいました。結局正式な許可証は、運用終了後数ヶ月たってから自宅に郵送されてきました。許可証は申請時の年の間有効です(当時の申請料は$11)。ゲストハウスの南側は小高い丘となっていますが、北側は海に面しており、日本方向に障害物はありません。私が運用した時はコンディションがよくなかったので、日本とはあまり多く交信できませんでしたが、特にWARCバンドの電信ではヨ-ロッパからのパイルが絶えませんでした。ゲストハウスはラジオル-ムの他にシャワールーム、ベッドル-ム、キッチン、スリーピングソファー、ケ-ブルテレビが完備されていますし、屋上から見る海の景色は最高です。ここから海へは歩いて5分程度で、ダイビング、シュノケ-リングが楽しめます。リゾート地としてはあまり目立たない島なのですが、島内には日本人の口にもあうシーフードレストランや、中華レストランもあり、家族連れでも楽しめるところです(ちなみに私は無線にまったく興味のない妻と生後4ヶ月の息子を連れて行きました Hi)。このゲストハウスについては、彼女がQST誌に広告を出していて、コンテストの期間中はかなり前から予約が入り、必ず誰かがこのシャックからコンテスト運用をしています。(1995年1月記)」


写真6. (左)VP5JM, JodyさんのレンタルシャックにてVP5/AB5MF尾原栄氏。(右)VP5/AB5MF尾原栄氏のQSLカード。


写真7. (左)VP5/AB5MFを運用する尾原栄氏と、(右)そのレンタルシャックのアンテナ。


写真8. (左)VP5/AB5MF尾原栄氏の運用許可レターと、(右)遅れて届いた免許状。

1994年 (アンギラ VP2E/JA1CMD)

JA1CMD宮盛和氏はアンギラでVP2E/JA1CMDの免許を得て運用したと、アンケートを寄せてくれた(写真9及び10)。「ライセンスは誤って、私のライセンス証明をした関東電監局長の佐藤氏宛に発行されてしまいましたが、訂正サインを貰ってあります。従ってQTHも関東電監です!! VP2EEのシャックを借りての運用で、気軽なオペレ-ションにはFB、Keyのみ持参でOKです。アンテナ設備はFBで、Tribander 3/4ele, Sloper(80m), R-7(WARC), 2ele(40m)、これに比べRigはIC-735でした。Condxはプア-でJAは聞こえず、JANETにはチェックインしましたが、JAとはQSO出来ませんでした。それでも、WARCバンドを含む3.5MHzから28MHzまでで、744QSO(85%はCW)出来ました。(1994年6月記)」


写真9. (左)VP2E/JA1CMD宮盛和氏のQSLカード。(右)VP2EEのシャックにて宮盛和氏。


写真10. (左)VP2E/JA1CMD宮盛和氏の免許状。(右)アンギラを示すカリブ海の地図。QSLカードとしても使ったのか、コールサインとデーターを書き込めるラベルが貼ってある。

「あの人は今 (第18回)」JG2CNS木田貢氏

今月号のパナマの項で紹介しましたJG2CNS木田貢氏は、シャープ株式会社の現役社員ですが、現在大阪府にお住まいで、移動局JG2CNSの他、固定局JO3XCKの免許も得て、コンテストにもアクティブに参加しておられます。その木田氏から最近の様子をアンケートでお寄せ頂きましたので紹介させて頂きます(写真11)


写真11. (左)JG2CNS木田貢氏の近影。(右)JG2CNS木田貢氏の最近のQSLカード。

「2004年に大阪から三重県への赴任に伴って、暇つぶしの為FT-817NDを購入してアマチュア無線を再開。復帰後の第一声は2005年3月、買い物で出かけた大阪難波のパーキングから50MHzでの交信でした。その後、2006年に大阪に戻り、休日にコンテストで運用する機会が増えました。交信の90%強はコンテストの運用で、2007年頃からはCWの運用も開始。パソコンまたは縦振れ電鍵で運用しています(写真12)。CQ誌のアンケートでパドルが当たりましたが、うまくキーが操作できず、眠っています。大阪に戻ってからは固定局も開設、JO3XCKで年に数回運用しています。


写真12. (左)自作2エレHB9CVアンテナで50MHzの移動運用中。(右)縦振れ電鍵で運用する、車中の移動運用無線設備。

また、仕事の合間をみてアンテナの製作や測定器、無線機の製作を行っています。只、現役サラリーマンですので時間もあまり取れず、細々と時間をかけて作っています(写真13)


写真13. (左)約11年かけて最近完成した50MHz AMトランシーバーキット。(右)ケース加工が苦手で、やっと完成した周波数カウンターの基板キット。

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