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2025年7月1日掲載
ここで、田中本部長に、なぜ8Kを希望したかを尋ねてみた。これまで日本でアマチュア局に割り当てられていないプリフィックスの頭2文字は8Kと8Lの2つ。Kは関西のKなので、もし万博が大阪開催に決まったら、日本初の8Kプリフィックスである8K3EXPOを申請しようと、開催が決まる前から考えていたそうだ。
そして、大阪開催に決まった後は、要望書を近畿総合通信局に提出した。8Kのプリフィックスは本省決済と知っていたので、書類は本省に回っただろうと考えていたが、すぐには返事が来なかった。その後開局申請書を提出したが、4月になってもなかなか免許は降りてこず、前例のない8Kが許可されるかどうかも判らなかったため、ブースにコールサインの看板を掲げることができなかったという。
そして、万博開会直前の4/11、JA5SUD森田JARL会長が直接近畿総合通信局を訪問して免許状を受け取り、ギリギリ間に合った。そしてついにブースに8K3EXPOの看板も掲げることもできた。
万博開会日の4/13(日)、その日は朝から大雨だったが、アマチュア無線ブース内でささやかな開会式を執り行った。ささやかなというのは、ブース内のスペースが広くないため、限られた人数しか入れなかったからだそうだ。開会式後はさっそく森田会長が7MHz SSBでCQを出し、ファーストコンタクトを行った。
ここまでは順調にスタートしたように思えるが、実はネットワークのセットアップがうまくいかず、当日も朝早くからスタッフが対応して、なんとか1装置だけ動くようになり、ギリギリの状態で間に合ったそうだ。そのため、8K3EXPO開局後は、運用を続ける傍らで、その他の装置のセットアップを継続して行っていったという。
6/23の取材時点では5装置の同時運用ができる様になっていたが、ここまでこぎつけたのはごく最近だったそうだ。
8K3EXPOを運用中の月刊FBニュースのスタッフK
・南極昭和基地との交信
これは毎年JARL本部主催で開催している。子供たちが昭和基地にいる越冬隊員と交信するイベントで、JARL本部のJA1RLの後に、8K3EXPOが続くことになった。HF帯でのQSOを計画していたが、当日はあいにく南極側でオーロラが発生し、短波帯の電波が電離層まで届かなくなってしまったことでD-STARに切り替えた。JA1RLに集まった子供たち全員が交信を終えた後、8K3EXPOに集まった子供たちも全員が交信に成功した。交信内容は、ARISSスクールコンタクトの様に子供たちが越冬隊員に対して一つずつ質問を行い、越冬隊員が丁寧に答えた。
・CW WW WPXコンテスト電信部門
5/24~5/25に開催された世界規模のコンテストに参加した。目的は、日本初にして唯一のプリフィックスである8K3のマルチを参加者に提供することだった。そのために、前週に1kW出力への変更検査を受けて合格し、1kW出力の許可を得た。コンテスト当日は、電信のコンテストに長けた運用委員が中心となって運用を行い、世界に8K3プリフィックスのマルチを提供した。
・第1回SHFチャレンジ
アマチュア無線のアクティビティが低いマイクロ波のハムバンドを活性化し、ハンド防衛も兼ねる目的で、6/14(土)にSHFチャレンジを行い、1200MHz帯、2400MHz帯、5600MHz帯、10.1GHz帯で運用を行った。事前に周知したこともあり、当日はのべ115局の参加があったという。
・ARISSスクールコンタクト
現在の計画では、7/28の週に実施することが計画されている。すでに一般公募と各支部での公募により合計18名の小学生、中学生、高校生の参加が決まっている。
・ハムフェア会場から、8K3EXPO/1の運用
8月に東京で開催されるハムフェアの会場から、移動する局での運用を予定している。これは、WPX的にはプリフィックスが8K1としてカウントされるため、8K1初運用となり、注目度は高いだろう。
・第2回SHFチャレンジ
第1回が好評だったため、第2回を計画中とのこと。
大阪・関西万博の会期は10/13まであるため、万博に参加した際には、ぜひ8K3EXPOのブースに立ち寄ってみてはいかがだろうか。
参考サイト: https://jarl.gr.jp/jarl-kansai_expo2025/
ブースの位置: 大屋根リング73番付近
運用予約: 不要
運用可能時間: 09:00~20:15
大阪・関西万博のシンボル大屋根リング
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