2016年2月号

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JJ1KXB 大石藤夫さん

東京都三鷹市からRTTYにアクティブな大石さん。大石さんは終戦の年、1945年に北海道岩内町で生まれた。中学生になると科学クラブのラジオ班に入り、短波受信機を作っては、海外からの放送を受信し胸を躍らせた。またすでに開局してした先輩の家に何度も遊びに行っては、自作の送受信機も見せてもらった。たまたま入手した中古の807を使って、簡単な送信機も作ってみたという。

大石さんが免許を取得したのは東京で就職後、仕事が一段落した1976年、職場の仲間に誘われたのがきっかけで、仲間と一緒に10人くらいで電話級を受験した。免許を取得し開局した後は社宅の庭先に建てたアンテナで21MHzを主体に運用した。その後、電信級を取得すると、運用モードはほぼCWオンリーとなり、2012年にRTTYを始めるまで、電信一筋でアマチュア無線を楽しんできた。

大石さんは仕事柄、大きなプロジェクトに関わると土日の出勤や徹夜も多かったが、アマチュア無線での気分転換が最も効果があったという。深夜や早朝に運用しても、電信なので家人に迷惑をかけずに集中して運用することができた。「KCJ(全国CW同好会)に入会後は、全国に知り合いができ、温泉やキャンプ、移動運用を楽しめました。2001年にメンバー5人でサイパン島に運用に行ったことが一番思い出です。この時は全員で合計8445QSO(うちCWが7816QSO)を行いました」、と話す。

大石さんは、アンテナ工事は基本的に1人で行い、ルーフタワーも1人で建てた。諸事情で自立タワーは建てられなかったが、2基のルーフタワーには各バンドのビームアンテナを上げて、自分でダイヤルを回してワッチすることを信条にし、国内、国外を問わず電信一筋で交信を続けた。「他人に迷惑をかけず、自分が楽しめればよいと思ってやってきたので、アマチュア無線で特に苦労したことはありません。あえて今の悩みを言うなら膨大な数のQSLカードの管理です」と話す。


大石さんの現用アンテナ群
上から1.9MHz EHアンテナ、7/10MHzロータリーDP、18/24MHz 4エレビーム、3.5MHzロータリーDP、14/21/28MHzロータリーDP。奥に見えるのはサテライト用144/430MHzビーム (写真には写っていないが1.9MHzのGPもある)

これまでの運用成果として、まず国内QSOは1.9~24MHzの全8バンドとサテライトでCW特記のWACA、WAGAを完成させた。HF帯では伝播的に最も難しい28MHzだけが市郡ともまだ若干残っている状況。AJA(CW)は17546ポイントに達した。一方、海外QSOはDXCCのエンドーズメントが315まで進み、残りは約20エンティティとなっている。ただルーフタワーの老朽化でメインの1基を撤去し、それに伴って主力に使っていた14/21/28MHzの5エレビームアンテナを下ろしてからは、なかなか増えなくなっている。


大石さんが受賞したアワードその1 (AJAとWASA-HF)


大石さんが受賞したアワードその2 (JCAとDXCC)

大石さんが、現在一番力を入れているのは、RTTYモードの運用である。RTTYを始める前は、機械が解読する通信の何が面白いのか、と思っていたが、2012年6月にいざ始めてみたところ、大きな出力も要らず、CW同様に7MHzと10MHzで国内全てがカバーできることがわかり、RTTYで、WACA WAGA WAKUに挑戦しようと考えた。

RTTYの運用も、自力でのワッチを信条に運用し、移動運用でRTTYにオンエアする局が増えたことや、2015年1月から7MHzのRTTYで運用できる周波数が拡張したことなどの好要因も味方して、2015年11月、RTTYを始めてから3年半足らずで、全市(813)、全郡(380)、全区(175)とのQSOを達成した。2016年1月時点ではQSO相手からのQSLカード待ちの状態で、カードが揃い次第、WACA WAGA WAKUを申請する予定だという。

大石さんは今後の目標として、まずは残り約70となっているRTTYでの全市町村区(全部で1896ある)とのQSOと、RTTY-AJAのポイントアップ。また、残り約240となっているサテライトCWでの全市町村区とのQSO、それに、28MHz CWでのWACA WAGAの達成を挙げる。また、「14/21/28MHzのビームアンテナがなくなったので達成は難しいと思いますが、次のサイクルで、できればDXCCオナーロールも狙ってみたいです」、と話す。

このコーナーでは、アマチュア無線の様々な楽しみ方に挑戦するハム(アマチュア無線家)を紹介します。
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