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Summits On The Air (SOTA)の楽しみ

その58 山頂からのFT8について-2

JH0CJH・JA1CTV 川内徹

本当に暑い毎日ですね。今年の梅雨明けの猛暑が少し収まったようでしたが、7月後半からまたとんでもない記録的な暑さが続いています。更にコロナの第7波も猛威を振るっておりとても油断ならぬ毎日です。山に出かけるかたは、特に熱中症、そしてコロナ対策に十分気を付けて、山からの無線運用を楽しみましょう。

前回からスタートしました山頂からFT8運用を楽しむための300g足らずの追加機器ですが、今回から作成をしていきましょう。Windows PCしか触ったことのない人でも判るようにできるだけ簡単に説明していきたいと思いますが、それでも少し専門的な内容も出て来るかも知れません。

今回はまず材料を集めてラズベリーパイをとにかく動かすところまで説明していきたいと思います。現在コロナ禍で電子部品のサプライチェーンが乱れとても入手しにくいようですのでタイミング的にはあまりよくないのですが、市場に出てきた時に確保していただいたら良いかと思います。

ラズベリーパイ関連で必要なもの
(1) ラズベリーパイ3B以上: 現在ラズベリーパイは4Bが主流となっており、おそらく3B、3B+の方が入手困難だと思います。性能的にも4Bの方が高いので4Bを準備されるほうが良いと思います。ラズベリーパイ2以前ですと性能が追いつかない可能性があります。写真はラズベリーパイ3B+です。ケースも準備しておく必要があります。


(2) Micro SDカード16GB以上: 初期設定時にWindows PCにもつなぐので読み書き用のアダプターが必要です。左がMicro SDカード、真ん中はそれを入れてSDメモリーカードに入れて読み書きするアダプター。右は直接USBで読み込むアダプターです。


(3) クロックモジュール: ラズベリーパイ内部の時計は時間の保持ができません。スイッチをOffにすると時計時刻も消えてしまいますので必ず必要です。Switch Science社の扱っているラズベリーパイ用RTCモジュールを準備しました。(市場には安いデバイスを使ったものがあるようですが、ちゃんとDS1307というデバイスを使ったものを選ばないと時刻精度が出ない場合もあるようなので注意してください。)


このようにラズベリーパイに取り付けて使いますが、ラズベリーパイの初期設定をしていく時はまだ取り付ける必要はありません。


(4) リグ(IC-705)とラズベリーパイの接続ケーブル: USB接続ケーブルが必要です。IC-705のUSB端子はマイクロUSB Type-Bと呼ばれるものです。ラズベリーパイ側は通常のUSB Type-Aです。通信が可能なケーブルである必要があります。安いものは単に充電だけに使われるものがありますので注意が必要です。


USB接続コネクタ形式、左からマイクロUSB Type-B、真ん中がUSB Type-C、右がUSB Type-Aです。


(5) ラズベリーパイの電源: 通常のモバイルバッテリーで大丈夫ですが、ラズベリーパイの種類で電源コネクタが違います。ラズベリーパイ3B、3B+だとマイクロUSB Type-B、ラズベリーパイ4BだとUSB Type-Cですので購入時は注意してください。写真の電源ケーブルはラズベリーパイ3B+用のマイクロUSB Type-Bです。


(6) ディスプレイケーブル: ラズベリーパイを初期に設定するときに必要です。立ち上げることができたらWindows PCからリモートログインすることが可能になりますので、その時まで必要なケーブルです。これもラズベリーパイの種類で異なります。ラズベリーパイ3Bの場合はHDMIケーブルType A(TVなどに使っているもの)、ラズベリーパイ4Bの場合はHDMIケーブルType D(Type Cよりも更に小さいもの)です。ディスプレイ側はお持ちのディスプレイに合わせることになりますが通常はType Aではないかと思います。

写真の左がHDMI Type A、右がHDMI Type Dです。


(7) USBマウス、USBキーボード: これらもディスプレイ同様最初の立ち上げだけに使用します。一度設定ができてしまえばWindows PCからリモートログインできますので、わざわざ買うのではなくWindows PCのモノをちょっと借りて使うということで良いと思います。

(8) 立ち上げのために使う設備としてWindows PCが必要です。

これらが準備できましたら、ラズベリーパイのOSをダウンロードします。以前はOSのイメージファイルをダウンロードしてそれを別のイメージファイル焼き付けソフトでMicro SDカードに焼き付けていく必要がありましたが、現在はOSのインストーラーをWindows PCにインストールした後、ダウンロードしてMicro SDカードに焼き付けてくれるので各段に楽になりました。

このサイトにWindows PCでアクセスします。
https://www.raspberrypi.com/software/

ラズベリーパイのOSの作成をWindows PCで行う場合、このサイトで[Download for Windows](赤矢印)をクリックします。


これでImagerというソフトがダウンロードされます。2022年7月15日現在Version1.7.2ですのでファイル名はimager_1.7.2.exeという実行ファイルです。これ自体はラズベリーパイのOSを含んでいませんので19MB程度のサイズです。これをダブルクリックしてImagerをWindows PCにまずインストールします。

下のようなWindowが出ますので[Install]をクリック


PCの環境により確認画面が出る場合もありますが、これだけでImagerのインストールは完了。


[Run Raspberry Pi Imager]がチェックされていることを確認し[Finish]をクリック。

ここからがラズベリーパイのOSのダウンロードと書き込みです。このような画面が出てきます。


まずはOSを選びます。私の場合は既にダウンロードしてあるので下記ようにPC内にキャッシュとして残っているという表示になっていますが、[Raspberry Pi OS (32-bit)]を選びます。


次にラズベリーパイOSを入れるMicro SDカードをWindows PCに入れます。そして下の[ストレージを選ぶ]からそのMicro SDカードのドライブを指定します。



ドライブを指定すると先ほどの画面に戻ります。OSとストレージを確認し[書き込む]をクリック。初めて行う場合はOSのダウンロードもあるので相当時間が掛かります。通信回線の容量にもよると思いますが1時間以上かかると思います。


OSのイメージファイルのダウンロードとSDカードへの書き込みが完了すると下のようなWindowが出てきます。


これでMicroSDカードにラズベリーパイOSがインストールされました。この時同時にWindows PCがMicroSDカードの中身をみてWindowsではないファイルシステムのため、SDカードをフォーマットするか? というポップアップが出てきます。


これは絶対にディスクのフォーマットをクリックしないようにしてください。せっかく作ったMicro SDカードの中身が消えてしまいます。
今回の説明はここまでとします。

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