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Summits On The Air (SOTA)の楽しみ

その54 山頂からの7MHzについて-2

JH0CJH・JA1CTV 川内徹

桜前線も日本全国を縦断中、だいぶ暖かくなりました。これから本格的な移動運用の季節ですね。前回からアマチュア無線の王道とも言える人気バンド7MHzで山頂からQRVすることについて考えています。今回も続いて考えていきましょう。

前回説明したように7MHz、HFローバンドにおいて、低い周波数のアンテナはその物理的な大きさとカバーする周波数帯域幅の狭さでなかなかハードルが高い所があります。

私は普段SOTA運用で山頂から運用する場合、HFでは14MHz~28MHzまでをカバーするギボシアンテナを使用しています。このギボシアンテナを14MHzまでにしているのは、まずアンテナの大きさの制限によるものです。そして14MHzくらいまでならバンド幅350kHzをギボシ端子の切り替えたあとの14MHz用ダイポールで十分カバーできます。しかし7MHzのバンド幅200kHzをカバーするには3月号で紹介した比帯域の問題で難しくなります。

※比帯域: 周波数が高くなるほどアンテナのカバーする周波数帯域が広く取れ、低い周波数で出る場合はカバーする周波数帯域が狭くなる。

山岳移動からは少し話がずれてしまいますが、私は自宅で1.9MHzを運用する場合、3.5MHzのアンテナの両端にローディングコイルと多少の延長エレメントを付けることでアンテナを作りました。このため、山岳移動で使っているギボシアンテナにも両端にコイルを追加することで、なんとか7MHzにもQRVできないものかと思いコイルを作ってやってみましたが、最初の挑戦は失敗しました。これはアンテナの短縮のために入れるローディングコイルはアンテナの先端に行くほど巻き数も多くなり、さらにコイルから先に少しは延長エレメントが必要となるため、結局大きくなってしまうことが原因です。巻き数の多い重いコイルを付けてさらに延長エレメントが必要というのは山岳移動には合いません。

試しに14MHzのダイポールの先端にコイルを付けて10cm程度の延長エレメントを先につけた場合に必要なコイルのインダクタンスは406μH、これは4.5cmのボビン径の空芯コイルで0.5mmのポリウレタン銅線で100回巻き程度になります。これでは相当重くなることに加え両端が10cm長くなってしまいます。

逆に給電点に近いほうにコイルを入れてもいいのですが、給電点付近は電流分布が高いところであり、コイルでの抵抗値が問題になります。コイルの抵抗値が上がれば飛びも耳も悪化します。

そこでギボシアンテナの途中にあるギボシ端子の間にコイルを入れてみることにしました。ギボシアンテナはアンテナの途中に接続端子となるギボシ端子がありますので、簡単にコイルをアンテナの途中に挿入することができます。

この写真のようにギボシ端子をコイルの両端に取り付けてギボシ端子を外した部分にコイルを入れる形になります。


ホイップアンテナに例えると両端に付ける場合がトップローディング、給電点近くにつける場合がベースローディング、そしてギボシ端子で中間点辺りにつける場合がセンターローディングという形になります。

コイルを何処に入れるかはいろいろなケースが考えられます。たとえば24MHzのアンテナの両端に入れて、ダイポール全体を21MHz長で使用する場合などです。

下記のような組み合わせを考え、それぞれのローディングコイルに必要なインダクタンスとコイルの巻数を計算してみます。


ここでインダクタンスの計算には下記のサイトを使わせてもらいました。
ゲルマラジオの試作工房

このサイトでは給電点からコイルまで、そしてコイルからアンテナの末端までをセンターローディングコイルを使って構成した時に必要なコイルのインダクタンスを計算します。

アンテナの構成としては下の図のようになり、ギボシ端子部分にコイルを入れる形になります。


仮にケース5の場合はコイルを入れるのは28MHzのギボシ部分ですので、給電点からコイルまでは28MHzの1/4波長となり、全体長が18MHzですのでコイルからアンテナ末端までは、18MHzの1/4波長から28MHzの1/4波長を引いた長さとなります。

下のように中心周波数とそれぞれの長さ、そして線材の太さを入れて計算します。ケース5の場合に必要になるコイルは46.8μHとなりました。


出典: ゲルマラジオの試作工房

そしてコイルの巻き数の計算には下記のサイトを使わせていただきました。
塚田浩二さんのページの中の短縮コイルの計算・インダクタンスの計算

先ほどの計算でケース5の場合、コイルのインダクタンスが46.8μHと計算できましたので次にコイルの巻き数を計算してみます。コイルに使用する線材の太さ、コイルの形状、比透磁率を入れます。


出典: 塚田浩二さんのWebサイトページ

ケース5の場合で計算すると、28.26回となりました。これらは使用するコイルの直径や線材の太さに依存し、それぞれどんな材料を使うかで変わってきます。また比透磁率について空芯では1.0となりますが、実際にアンテナを作って同調させた結果から逆算すると、私が使ったコイルのボビン材質(プラスチック製の雨どい)では、これより少し大きく1.1~1.2くらいになるようです。

表の数字は比透磁率1.0の数字です。実際の巻き数は少し減ることになるようです。


このように例として5つのケースを考えてみましたが、全部作るわけにはいきませんので、試しにインダクタンスが大きなケース1と小さなケース3について作ってみようと思います。

今回はアンテナの構成について設計と検討を進めました。次回はいよいよ製作に掛かりたいと思います。

さて、SOTA日本支部ではいままでメーリングリストを使って様々な情報交換を行ってきましたが、新たにSlackを使ったコミュニティプラットフォームで情報交換をすることに変更しました。すでに100人以上のSOTA愛好家の方々の参加となり、続々とメーリングリストから移行されています。このコミュニティに新たに参加する場合、いままでのメーリングリストから移行する場合、両方ともご案内をしています。ご希望の方は私宛のメール、jh0cjh599アットマークgmail.comでも結構ですし、SOTA日本支部のホームページの問合せのページから連絡を頂いても結構です。登録案内を送らせていただきます。

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