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Summits On The Air (SOTA)の楽しみ

その49 IC-705を使ってみて6

JH0CJH・JA1CTV 川内徹

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皆さま、こんにちは。IC-705を使ってみた感想を交えたレビューも今回で6回目となりました。今回もこのIC-705というリグについて、いくつか感想も交えながらあまり他の人に語られていないところをひっそりとレビューしてみたいと思います。

前回まで5回に渡り、IC-705の素晴らしい機能についてレビューをしてきましたが、今回はちょっと有ったらいいなと思うことも含めて、このリグが持つ様々な音声の制御機能について見てみたいと思います。

1. ビープレベル、ビープレベルリミットの設定

まずIC-705が持っている機能で「ビープレベルリミット」という機能について説明してみたいと思います。

これはIC-705のボタンを押した時や、画面にタッチした時に「ピッ」というビープ音が出て操作したことの確認ができる機能です。この音量はAFゲイン(音量ツマミ)に連動しており、音を大きくすればビープ音も大きくなります。しかしAFゲインを最大近くにした時までこのビープ音を大きくする必要はありません。操作した時の「ピッ」という音が鳴っていることが判ればよいだけで、その聞き取りやすさにはあまり意味がないためです。このためIC-705には「MENU」-「SET」-「機能設定」-「ビープレベル」という機能と「ビープレベルリミット」という機能が備わっています。


これを判りやすいように図で示すと、ビープ音量は基本的にはAF Gainに連動するが、その大きさを「ビープレベル」で可変できます。


次は「ビープレベルリミット」ですが、これも判りやすく図にすると、基本的にはビープ音量はAFゲインに連動するが、このようにAF Gainを上げていったときに上限を決めているためそれ以上ビープ音は上がらない形になります。


「ビープレベル」と「ビープレベルリミット」を同時に図にするとこんな感じになると思います。


とても細かい配慮かと思います。

2. 音声信号系の送信モニター

同様にSSBやRTTY、AM、FM、DVモードなどでの送信モニター機能について見てみます。SSBや他の音声レベルのモニターはボイスメモリーを使った場合などに何処を送信しているかがモニターできます。RTTYでも送信確認のため音声モニターは必須の機能です。

これは信号レベルのモニターですのでビープ音のようなレベルリミットはありません。この送信モニターの音量はマルチファンクションダイヤルで「送信モニターレベル」の調節ができます。これはビープ音よりも調節する頻度が高いと思うため「設定機能」ではなくマルチファンクションダイヤルで調節できるようにしている点がまず良いと思います。これも図にすると、このように基本的にはモニター音量はAFゲインに連動しますが、「送信モニターレベル」で音量が調節できるものです。


3. CW送信モニター

CWの場合ですが、こちらは送信時のサイドトーンの音声モニター出力は当然ありますが、モニターレベルの可変がAFゲインだけでしかできません。これも図にしてみると、このようにAFゲインに連動するだけとなります。


これはおそらく設計ポリシーに基づくものだろうと思います。しかし、山岳移動運用では多少この設計ポリシーを変えてもらったらいいのにと思うことがあります。

山岳移動運用では、まず外来ノイズレベルがとても低い、とてもノイズ環境の良い場合が多いです。一方で山岳移動ではアンテナの大きさに制限があることから、とても弱い信号を受ける場合も多いです。このような条件の場所で運用するシーンにおいて、ノイズが低いため、AFゲインを最大に近くなるまで上げて運用する場合が時々あります。市街地ではとてもノイズで耳が割れそうでも山頂ではノイズレベルが低いためです。相手のノイズレベルギリギリの信号を受信するため、AFゲインを仮に最大近くまで上げていた時に、CWで送信するとモニター音がとても大きく驚いてしまうことになります。またヘッドホンをするのが山頂運用でのエチケットですが、ヘッドホン無しだと周りの人を大音量で相当驚かしてしまうことになります。なんとかこのAFゲインと送信モニターレベルの連動を止めて個別に設定できないものかと思います。図にするとこんなイメージです。


AFゲイン連動を外すことがだめでも、少なくとも、SSBやRTTYのようにCWにも送信モニターレベル調節機能を付けてもらえると良いと思います。

どうでしたでしょうか。今回はIC-705の音声制御機能について見てきました。とても細かく配慮されている点、そしてCWにおいても少し改善されると、この素晴らしいIC-705というリグが更によくなるのではないかと思います。

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