新・エレクトロニクス工作室
2026年5月15日掲載
第46回では、令和版KCS SSBジェネレータ基板を紹介しました。第47回ではKCSトランスバータ基板用に作ったDBM、第48回ではこの基板から分離した逓倍用のVXOを紹介しました。今回は、写真1のような令和版 熊本シティスタンダード トランスバータ基板になります。これでシングルバンドSSBトランシーバの自作が目前になります。

写真1 このようなトランスバータ基板を作製した
オリジナルと変更したポイントですが、まずVXOの部分を分離しました。40年前はVXOで良かったのですが、今はDDSやSi5351Aを使うのが普通になっています。そのため、この部分は別に作る事としました。もちろんVXOを否定するつもりは全くありません。逓倍用のVXO基板は前回紹介しましたし、基本波用のVXOも別途紹介しようと考えています。
オリジナルの基板では、基板上にコイルとダイオードでDBMを作っていました。今回は市販の8ピンのDBMを使う事を前提としました。もちろん小型に作ろうという目的もあります。写真2のような500MHz程度までのスタンダードなDBMを使う事ができます。最近までハムフェア等で入手のできたR&KのM-1や、昔々に秋月電子で入手できたMCLのSBL-1などです。また、ここで使える自作DBMを第47回で紹介しましたので、それでも良いと思います。その他はSSBジェネレータと同様です。

写真2 8ピンのDBMを使用
オリジナルのトランスバータ基板は100×100mmだったのですが、写真3のように64×37mmと相当に小さくなりました。VXOの部分を分離したのが主な要因です。また、コイルを7Kタイプにした事もあります。もう少しだけ幅広く作りたかったのですが、実は第43回のクリスタルフィルタと合わせて作りました。従って幅を同じにする必要がありました。そのため少々意味不明のサイズになっていますが、このような理由があります。また、どうしても4ヶ所にネジ穴を付ける事ができず、2ヶ所になっています。基板の裏側は写真4のようになります。

写真3 外注で作った基板

写真4 そのハンダ面
図1のように基本的にはオリジナルのKCSトランスバータ基板と同じです。旧型のデュアルゲートFETの3SK59等々を想定しています。VXOの部分は分離しているのですが、DDSやSi5351Aを使う時にレベル不足になってはいけません。そこで、VXO部分の最終段のアンプを残しています。前回のVXOを使う時はアンプをパスし、直接アッテネータに入力して下さい。あっても動作には問題ありませんが、VXO基板の出力トランジスタのエミッタに入る抵抗を100Ωから330Ωするのが良いと思います。
ここではT1~T3とT5,T6は送信、受信する周波数に同調するようにコイルとコンデンサの値を決めます。もちろん、T4だけはLOの周波数に同調するように値を決めます。但し、T1に入るC1とC2は合成で同調するようにします。C2はC1よりも3~5倍程度の値にします。それ程シビアではありません。CQ誌1981年7月号の記事では、50MHzの場合にはC1は18pFでC2は90pFと指定されています。しかし90pFという値はほとんど見かけませんので、私は82pFを使っています。
このトランスバータ基板はオリジナルの基板と同様に、50MHzまでの周波数に対応できるように考えられています。それにはコイルとLOの周波数を、問題の無いように設定する必要があります。もちろんSSBジェネレータの周波数も含めて考える必要があります。
LOの周波数は、送受する周波数よりIFだけ高いか、低い周波数にします。この選択は結構難しい部分があります。私も作ってみてから「ありゃ」となった事が過去に何回かありました。そのような事にならないように、前回のような計算シートを作っています。逓倍を使うとスプリアスの問題が出てくるのか良く解ると思います。少なくとも、LOが20MHz以下のVXOでは基本波を使うようにしましょう。
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