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日本全国・移動運用記

第83回 佐賀県東部移動

JO2ASQ 清水祐樹

佐賀県は、移動運用のリクエストが多い県の一つです。自分の車で自走すると10時間以上かかるため、なかなか行く機会がありません。そこで、飛行機とレンタカーを利用して、福岡空港から佐賀県東部に移動する、1泊2日の移動運用を計画しました。

1日目(7月2日)福岡空港から、福岡市城南区・那珂川市に移動

今回の移動ルートを図1に示します。飛行機とレンタカーで、それなりの費用がかかるので、忘れ物や故障による運用中止が無いように細心の注意を払って、荷物の発送や輸送を行いました。レンタカー移動セットの様子を写真1に示します。使用する機材は宅配便で発送しました。

無線機用の電源は、12V 36Ahのリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを2個使用して、走行中に充電していています


図1 今回の移動ルート


写真1 レンタカー移動セット。暑さ対策のため、バッテリー駆動式の扇風機を設置している。

福岡空港に到着後の最初の移動地は、サテライト通信でリクエストが多かった福岡市城南区に移動しました。市街地で広い公園や駐車場は少なく、移動運用の場所を確保することが困難です。この時間帯に使用できる衛星が東側のパスしか無かったため、東側だけ開けた駐車場で運用を開始しました。なお、民家に隣接した場所のため、写真はありません。

天気は曇り時々晴れで、雲の切れ間から強烈な日差しが照り付け、最高気温は36℃近くに達しました。運用場所のすぐ近くにコンビニがあり、運用準備や撤収の後は冷たい飲み物でクールダウンしました。市街地のためHFがノイズレベルが高く受信に苦労しましたが、28MHz帯まで交信できました。

那珂川市は2018年10月に市制施行した市で、その時の運用の様子は第38回の記事で紹介しています。この時は時期的にHFのハイバンドでの交信が難しかったため、今回の移動ではEスポで多くの局と交信できることを期待しました(写真2)。

コンディションはまずまずで、28MHz帯で7局と交信できるなど、需要の多さが伺えました。50MHz帯で交信できそうならば、2エレのアンテナを上げるつもりでしたが、28MHz帯がカスカスだったので可能性は低いと判断し、念のため釣竿アンテナで出てみたものの交信には至りませんでした。


写真2 福岡県那珂川市での運用の様子

脊振山地を超えて、佐賀県に移動

那珂川市から国道385号線で脊振山地を越えて、佐賀県に入りました。このルートは佐賀市なども通過します。時間の都合で今回の運用は断念し、運用リクエストが多かった杵島郡白石町に移動しました。

白石町は海岸に近い空き地で運用しました(写真3)。HF帯の運用時間が40分ほどしか無かったので、夏場のコンディションが良い時には国内遠距離との交信がやや難しい7MHzはパスして、10MHz CWから運用を開始しました。すると全国各地がどこも強力に入感しており、パイルアップが続いて88局と交信できたところで、衛星が来たため時間切れになりました。


写真3 白石町での運用の様子。

白石町の後は、東に移動して佐賀市を通過し、さらに筑後川の支流である早津江川を越えて福岡県大川市に移動しました。この辺りは、佐賀県と福岡県の県境が複雑に入り組んだ地域があり、佐賀県から福岡県に入ったといっても、実際の移動距離はわずかです。

大川市は、東側に大きな川がある場所で運用しました(写真4)。ここでも運用時間が限られていたため、7MHzか10MHzのどちらか一択の決断を迫られました。白石町で10MHzが強力に入感しており、18時を過ぎても国内向けのコンディションは良さそうだったため、10MHzを選択しました。


写真4 福岡県大川市での運用の様子

神埼市は堤防上の空き地で運用しました。20時近くになると、さすがに10MHz帯の近距離がスキップし始めて、すぐに7MHz帯に切り替えました。

神埼郡吉野ヶ里町は、公園の駐車場が夜間に閉まるので、路肩の空きスペースで運用しました。ここでは7MHz CWで多くの局から呼ばれ、3.5MHz帯や1.9MHz帯に出る時間が確保できませんでした。この暑さでは車中泊は困難で、近くのビジネスホテルに宿泊しました。

2日目(7月3日)は上峰町から東へ、最後は福岡県の広川町へ

三養基郡上峰町(みやきぐん かみみねちょう)は公園で運用しました(写真5)。午前5時過ぎ、太陽が昇って明るくなりかけの時間帯で、7MHzから運用を開始すると出足は好調でした。しかし、早朝で出ている局が少なく、可能な局とは全て交信できてしまったようで、すぐにCQ空振りになったので、10MHz帯も運用しました。


写真5 上峰町での運用の様子

三養基郡みやき町は空き地で運用しました。ここは衛星の時刻の都合で、短時間運用になりました。鳥栖市は川の堤防上の空き地で、次の基山町まで距離が遠く、基山町のリクエストが多かったことから、サテライトのRS-44だけを運用しました。この衛星は1パスが20分以上あり、最後はCQ空振りの連発でした。

三養基郡基山町(きやまちょう)は公園の駐車場で運用しました(写真6)。幸い、天気は曇りで、蒸し暑いながらも強烈な日差しは無かったため、扇風機のみで暑さをしのぎました。時間に余裕があり、7MHz帯から順にハイバンドを運用しました。コンディションはそこそこで、伝搬が不安定でQSBを伴いながらも、28MHz帯まで交信できました。しかし、1日目と同様に、50MHz帯は交信できませんでした。


写真6 基山町での運用の様子

この日は午後から天気が崩れる予報で、基山町の運用後には運用予定を入れていませんでした。ところが、予報が外れて雨の気配が無いため、需要が多そうで、かつ、短時間で行ける場所として、福岡県にある八女郡広川町に移動することにしました。この町は、いわゆる1郡1町です。

インターネット上の地図で広川ICに近い公園を探して、駐車場の片隅で設営しました。7MHzは近距離しか聞こえず8QSOに終わってしまい、ハイバンドのコンディションが良いとみて、ハイバンドを素早く回ることにしました。

予想通り各バンドともパイルアップになり、28MHzで+20dB近くで入感する局がいたことから、これなら釣竿ホイップアンテナで50MHzも可能性があると判断しました。QSBが激しいものの、1エリアからの信号が時々浮いてきて、9QSOできました。今回の運用で50MHz帯の交信は広川町だけでした。

結果

運用日、QTHごとのQSO数を表1に示します。短時間で多くの場所から運用したため時間が限られており、HF帯の複数バンド運用は最初と最後の各2か所になりました。


表1: 運用日・QTH別のQSO数。城南区、那珂川市、大川市、広川町は福岡県、他は佐賀県。7~50MHzはCW、サテライトはCW/SSB。

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次号は 10月 3日(月) に公開予定

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