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おきらくゴク楽自己くんれん

その22 軽トラック荷台移動運用シャックでQSOパーティ

JF3LCH 永井博雄

2023年2月1日掲載

皆さん、こんにちは。軽トラック荷台に載せる移動運用シャック造りを始めて10ヶ月を超え、ようやく当初思い浮かべていた形に近いものが出来ました。しかしまだまだ自由にあちらこちらに出かけることができるようにはなっておらず、色々な問題が発生し対策をしながらより使い勝手がいいようしていかなければいけない状態となっています。

1. 「アイコムフェアinならやま2号館」に軽トラックで訪問

そのなかでも時々移動運用に出かけたりするとつながった何局かの方から「一度実物を見てみたい」とのお話をいただいておりました。そこで聞いてみると多くの方が12月18日に行われる「アイコムフェアinならやま2号館」に参加されると聞きましたので軽トラで訪問することにしました。交信いただいた方以外にもタヌキワッチしていた方々にも実物を見ていただくこととなりました。


会場では目立たないよう? アンテナを上げていました

いろいろな質問などに答えながら参考になるアドバイスなどをいただき、楽しいひと時を送ることができました。会場駐車場奥までご訪問いただいた各局さまありがとうございました。

2. 収納機能を拡充

前号ではコンテスト使用での反省点として収納機能が少なく効率的に運用ができないことを上げていました。しかし軽量化と低コスト化を実現するため、梁や間柱がほとんどないので室内で収納機能を固定するのはかなり制限されています。それでもできる範囲で改善していきます。


木製ケース底の凸部分があり重ねることが可能

まずは出来るだけ大きな収納スペースが欲しいところです。懐の深い木製の箱をホームセンターで見つけました。これだけ大きければ同軸ケーブルや電源ケーブルを収納することができます。この箱は上に重ねることができるのでもう一つ購入。下になる箱を助手席側前部の角の下地に直接ネジで固定しました。重ねて載せる上の箱は固定できないので重くならず落ちても差しさわりのない衣類やタオルなどを収納する予定です。


100円木製小物入れを壁にねじ止め

窓の周りにも窓を支える下地が入っていますのでこれを利用します。この箱は小さく100円でしたので気軽に選択。リグを置く折りたたみテーブルの上になるのでキーや周辺機器の接続ケーブル類や変換コネクタなどを小箱に入れて収納します。


プラスティック製ファイルケース、ガス缶などを収納

これも100円のファイルケースです。薄いプラスティック製ですが下穴をあけてネジで止めると案外しっかりしています。そんなに重いものは入れることができませんがカセットガスコンロ用のガス缶などを縦に入れておくことができます。

3. 電源の容量アップ


バッテリーの容量アップと機能が充実した物を導入

直流12V系電源を外部から供給できるように工夫していたのですが、今のところリン酸鉄リチウムイオン電池は容量が大きくても軽くコンパクトなので、助手席側前部の下(先の木製ケースの下)に置いておけば特に問題にならない状態です。そこで容量100Ahの物を導入してみました。このモデルは電池内部にBluetoothが搭載されていて、スマートフォンでバッテリーの電圧・残容量・充放電の電流・温度・各セルの電圧バラツキなどの情報が確認できるので大変便利です。

バッテリーの容量がアップしたので、その電力で電気ヒーターを使って室温を上げることができないか実験をしてみました。これまで換気に気をつけながら(一酸化炭素中毒の予防)カセットガスコンロを活用して暖をとっていましたが、良く暖まる反面、隙間が多いとはいえ危険ですしガスの燃焼により空気中の水分が増えるため、冷たい状態のバッテリーや窓・壁に結露が発生してしまいます。


シャックの暖房に必要な熱量を探る

手持ちの100W(AC100V)の白熱電球を電気ヒーター代わりにして、120Wインバーター(冷却ファンレス)を使い暖房能力のテストをしました。外気温が10℃を少し切るくらいの時であれば室温はゆっくりですが上がっていきます。しかし外気温が5℃以下になるとなかなか温度を上げることができません。やはりヒーターの発する熱量が足りないようです。感覚では外気温0℃くらいなら200W程度の電気ヒーターがあれば室温を上げることができると感じました。しかし一般に市販のインバーターは、150Wを超えると運転時の冷却ファンが付いており、音が大変うるさいので狭いシャック内では使えないと判断しています。また仮に200Wのヒーターを使うと20A程度の電流が流れ、バッテリーの持ちも問題になってきますのでヒーター暖房は現実的ではないようです。他の暖房方法を検討した方がよいかもしれません。


超原始的ロックシステムを採用(笑)

シャック後方の跳ね上げ式出入口扉は、外側はダイヤル式南京錠でカギをすることができます。しかし中に居る時は扉の自重と枠のすり合わせだけで閉まっていました。風が強い日の移動運用中、勝手に開いてしまうことがありました。そんな人はいないだろうとは思いますが、誰でも外から扉を開けて侵入することができる状態でした。安価な内側ロックの方法を考えていたのですが、市販のモノはとても高価ですし、取付加工も難しそうなのでためらっておりました。しかし待ったなしの状態になりましたのでキーとなる角材を扉の持ち手に突っ込むだけのかんぬき方式の安価なロックを設置しました。上開きドアだからこそできる技です(笑)。

4. 軽トラシャックでQSOパーティに移動運用で参加

昨年と同じ場所からQSOパーティをスタートしました。この場所は25年以上1月2日に移動運用している場所であります。残念なことに今年からここで一緒に移動運用していたローカル局が参加できなくなってしまったのですが、他のローカル局さんと一緒に移動運用することができました。

・1/2 奈良県山辺郡山添村移動 63QSO


初日はいつもの山辺郡山添村で運用


右下に見えるのは小型ローテーターのコントローラー

430MHzは15エレメントの八木アンテナを使ったのですが、呼ばれ方が少ないような感じがしました。遠くと交信する必要が少ないQSOパーティでは、全指向性のアンテナの方が能率がいいような気がしました。

・1/3 奈良県生駒郡平群町移動 46QSO
昨日の反省に基づいて、この日は屋根にマグネット基台を付けて長いモービルホイップアンテナを使うことにしました。430MHz FMと144MHz SSBで運用です。結果は良好で初日より沢山呼んでもらうことができました。


屋根上のマグネット基台に付けたモービルホイップだけを使用
430MHz FMと144MHz SSBを運用しました。

・1/4 愛知県新城市移動 46QSO
2023年なのでJCC#2023で運用してみました。


愛知県新城市のJCC番号は2023

これまで、軽トラックシャックや過去の連載記事について、色々アドバイスをいただいていた愛知県の方にお披露目の意味も込め「今年2023年にふさわしい場所で移動運用しよう」となり、軽トラックシャックの初めての他エリア遠征移動運用に行ってきました。JCC番号2023の大変FBな移動運用地を教えていただきました。

天気予報は悪くなかったのですが、山の上は雪が降り、案内いただいた方には大変ご心配をおかけしました。ありがとうございました。

・1/5 奈良県宇陀市・奈良市 73QSO
今回まだHF帯での運用をしていなかったので、午後の休み時間に近くの宇陀市の公園駐車場から7MHz帯で45QSOを楽しみました。そしてその夜....(コラム参照)。

【くんれんコラム】
気になる過去記事のその後


1/5夜の運用で使ったリチウムイオンサブバッテリー

1年前のQSOパーティの移動運用で電源としての性能をレポートしてからも、普段から乗っている軽乗用車に搭載しているリチウムイオンサブバッテリーシステムですが、この日の夜、奈良市内の高台で430MHz FMモード 50WでCQを出し、約3時間で28局との交信に使用しFBに働いてくれました。容量的にも変化はないようです。当時の記事をお読みいただき、システムの継続使用に疑問を持っていた方もおられたと思います。簡易なシステムなだけに過充電・過放電をしないように手動で充電の入り切りなど、バッテリーへのいたわり行動を実施した結果、現在も問題なく機能してくれています。これからも何か変化があれば報告させていただきます。

・1/6 奈良県奈良市 1QSO
この日は普通に仕事があり移動運用する時間が取れなかったので家から1QSOだけしかできませんでした。これで何とか全日運用をキープします。

・1/7 奈良県吉野郡黒滝村移動 58QSO


運用終了時の屋根上ローテーターの状態

QSOパーティ最終日となるこの日は、思い切って昨年のクリスマス寒波の雪が残る標高約800mの山に行きました。軽トラックは切替え式4WD車で、タイヤは雪道対応のものに交換してあります。当然現地の気温は低く、結露を気にしながらガス暖房で乗り切りました。移動する局も少なかったのでしょうか、沢山交信することができました。運用中に雪が降っていましたが、ここに来るまでの残雪の方が多かったので問題なく帰ることができました。

1/6に移動運用ができなかったのは残念でしたが、初の遠征移動運用も実施できて今年も充実したQSOパーティを楽しむことができました。まだまだ気になるところがあるのですが、とりあえず思っている仕様には応えてくれる形にはなったのではないかと思っています。

これから季節が良くなれば活用する機会も多くなるでしょう。昨年は良い気候の時期は、ほとんどこのシャック製作に時間を取りました。今年はこのシャックでいろいろなところで移動運用ができればと考えています。

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