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おきらくゴク楽自己くんれん

その24 軽トラモバイルシャックで行く西日本ハムフェア

JF3LCH 永井博雄

2023年4月3日掲載

皆さん、こんにちは。おなじみの自作軽トラモバイルシャックは、アンテナチューナーAH-730の簡単取付けを可能にして、気軽にHF運用を楽しめて室内のシートなど快適さを向上させました。これで各所を廻って移動運用を楽しむ準備が整ったわけです。

このタイミングで3月12日(日)に福岡県京都郡苅田町(みやこぐんかんだまち)で、西日本ハムフェアが開催されるということで、少し遠いのですが思い切って軽トラモバイルシャックの本領を発揮する為に行ってみようと思い立ちました。


出発前にガソリン満タンに!

私は開局以来各所で移動運用を重ねていて、いつの頃からか「47都道府県全部で移動運用をする」という事を意識するようになりました。


未移動運用の残りはあと6県

今年の初めには未運用が9県残っていましたが、1月に東北3県を一気に回り7エリアをクリアしていました。これで残りは鳥取・島根・山口・愛媛・佐賀・長崎の6県となりました。そこで今回は会場までの往き帰り途中で4エリア3県の未運用県をクリアすることを旅の目標に加えて楽しもうというもう一つの楽しみも思いつきました。またこのことは軽トラックには酷である連続高速走行を緩和できるというメリットもあります。12年目を迎え11万kmを超える車ですからいたわりが必要です(笑)。

1. 準備・ルート検討

先月でも触れましたがモバイルシャック作り始めた時は、床に直接ソファーベッドをソファの形にして置いていました。長時間の着座では窮屈さを感じましたのでテーブル高さもそれに合わせて床から300mm以上の高さに上げ、ソファベットはベッドモードにして下に工具運搬用の丈夫なプラスチック製カゴ3つをベッド台にしました。そうすることで狭い室内に収納スペースを確保することができます。

それぞれのカゴにはアルコールランプや固形燃料やヤカンなどのキャンプ用小物・同軸ケーブル他無線用小物・そして黄色のカゴにはAH-730と専用ケーブルを入れて分けています。

九州へのルートですが、途中の移動運用を考慮し、往きは中国自動車道を使い、途中米子道を通り鳥取県で運用後、中国道へ戻り九州方向に走りその途中に島根県にあるサービスエリアを見つけたのでそこで運用して時間があればその後に山口県でもサービスエリアで運用する計画をたてました。このように途中何度も停車することは軽トラックには過酷な長距離連続走行を避けることもできるので一石二鳥です。一度移動運用を始めると1時間以上車は休ませることができます。


スーパーの買い物カゴより頑丈な工具用カゴ3つをシート台に

2. 出発

本当は3月10日(金)の内に出発しようと考えていたのですが、何だかんだと準備をしているうちに時間が過ぎてしまい、結局3月11日(土)0時を過ぎての出発となりました。軽トラックキャリイの燃料タンク容量は40Lあるのですが、シャックを載せた時の高速道路での燃費は13L/km程度なので航続距離は最高で520km。給油なしでは650kmを超える距離がある福岡県の会場までは着けません。途中給油する必要がありますが、ガソリン代の高い高速道路ではあまり給油したくないので満タンにして余裕をもって走り出します。

事前の計画通り中国自動車道に入り西に向かいますが、しばらく走ると眠気が襲ってきます。必死に耐えて頑張って走っていましたが、今夜のうちに岡山県津山市を越えてから休もうと考えていたのですが、兵庫県内で限界が来たので上月サービスエリア(兵庫県佐用郡佐用町)に滑り込むように入りました。入口に近いスペースに駐車してシャック内に移動し速攻で眠りました。


眠くなり入ったパーキングエリアで仮眠(翌朝撮影)

就寝時の寒さ対策として電気毛布を使いました。寝袋とブランケットも組み合わせて使います。50Ahの予備のリチウムイオン電池で安物の矩形波インバーターを駆動して毛布の電源にしました。よく矩形波インバーターでは電気毛布は使えないと言われますが、私の持っているインバーターは運よく電気毛布の温度コントロールも問題なく使うことができぬくぬくでした。

翌朝トレーラーのエンジン音で目が覚めました。朝の気温は2℃前後、室内は11℃でしたが寒さ対策のおかげでよく眠ることができました。起きて昨夜買っておいたパンを食べて走り出します。


撮影者の後ろには雪が残っていました。

津山市を過ぎ、寄り道先のある米子道に入りました。

3. 鳥取県日野郡江府町移動

鳥取県内で移動運用するにはどこが良いかを考えます。鳥取市や米子市などは運用も多いと思うので、山間部のどこかで岡山県内から鳥取県に入ったすぐの所でいい場所を探していたところ日野郡江府町にいい感じの公園駐車場がみつかりました。到着すると思った通り訪れる人も少なくて大変FBな環境でした。こちらで7MHzと10MHzで運用を楽しみました。


鳥取県日野郡江府町移動

江府町を出発する前に携帯のナビで西日本ハムフェア会場である福岡県京都郡苅田町にある日産自動車九州株式会社までの案内を設定して走り始めます。途中通る中国道に島根県鹿足郡吉賀町(かのあしぐんよしかちょう)にある朝倉サービスエリアがありますのでそこを目指して走りだします。しばらくは一般道で景色を楽しみながら中国道新見インターチェンジを目指すルートです。気持ちよく走り続けるとお昼過ぎに新見インターチェンジに到着。高速に入る前に新見市内で美味しいものをいただきたかったのですが、下調べも何もしていなかったのでいいお店が見つからずコンビニで弁当を買い駐車場で食べていていたら、反対車線正面の横においしそうなラーメン屋さんがありました。新見市グルメは次回訪問時までお預けです(笑)。

4. 島根県鹿足郡吉賀町移動

新見インターチェンジから中国道に入り一路西に向かいます。2時間半ほど走り島根県境を越えたところでパーキングエリアに入ります。


島根県にあるサービスエリアで運用

ここ朝倉パーキングエリアは中国自動車道がわずかに島根県を通る箇所にある小さなパーキングエリアです。ここで休む車も少なく落ち着いて10MHzでの運用を楽しむことができました。当然のことですが距離的に1エリアが繋がりやすい場所なので3エリアでは今一つと感じるようなコンディションでも絶対数の多い1エリアの局と沢山交信することができました。

5. 九州に到着 温泉付き道の駅は最高

朝倉パーキングアリアを出発し程なく17時前に九州に入ることができました。今夜は会場のある苅田町を通り越して、少し離れた温泉施設が併設されている道の駅で泊まることにしました。施設には同じ目的地であろうアンテナが沢山ついている車が10台くらい停まっていました。同業者? も多いようですし停まっている車が多いので、ここでの移動運用は見送ることにしました。いったん道の駅を離れ近くのラーメン屋さんで本場の豚骨ラーメンをいただき、その後道の駅に戻って温泉に入ってゆっくりしてからシャックで寝ることに。昨夜よりは少し気温が高かったので安心して休むことができました。

開けて3月12日(日)朝6時前、大きなトレーラー型のキャンピングカーが長時間暖機運転するので目が覚めてしまいました。もう少し周りのことを考えて行動してほしいものですね。おかげで寝坊をせずにすみましたが早めに道の駅を後にして会場である日産自動車九州株式会社に向かいます。

6. 会場に到着 プチ展示会!?

会場駐車場に到着、早速釣り竿を立ててワクワクしながら各バンドのチューンをとって確認していると、シャック周りには何人もの見学の方に囲まれていました。うち2人の方がキャンピングカーの製作を仕事としているプロの方で色々な話をしていただきました。1人の方はシャックの壁をコンコンたたいて「この中の断熱材はスタイロフォームですね?」と当てられてしまいました。さすがはプロだなと感心してしまいました(笑)。


大勢の人に興味を示していただきました


中はどんなものかな? どれどれと(笑)

会場がオープンすると多くの方であふれてスゴイ熱気です。久しぶりの感覚を味わうことができました。


会場は4年ぶりの熱気であふれていました

一通り予定を終了して軽トラックに戻るとまた見学している方がおられます。挨拶すると色々と質問をうけました。しばらくして戻るとまた人がいて質問を受けると言うように何人もの方に見学していただきました。近くにいた人に聞くと私がいない間も沢山の方が眺めておられましたよと教えていただきました。もっと積極的に軽トラの近くにいるべきだったのかも知れないなと反省しています。

お昼前から月刊FB NEWS連載「日本全国・移動運用記」の筆者の講演を聞くことができました。レンタカー使った移動運用をノウハウを学びました。

終了まで居たかったのですが、昼過ぎに雨が降りだす天気予報でした。高速道路では何かと走りづらい軽トラックですので、雨の中での長距離走行はできるだけ避けたいと思っていました。15時前に雨が降り出したので慌てて片付けて帰ることにしました。


岩国市での運用であたりが暗くなりました

急いで九州を脱出し山陽自動車道で東に進みます。昨日山口県での移動運用ができませんでしたので、山口県にいる間に雨の止んでいるパーキングエリアで停まることができないか雨雲から逃げながら探しながら走っていきます。もうすぐ広島県に入ってしまうのではと心配してた頃、まだ雨が降っていない玖珂パーキングエリアに停まることができました。ここでアンテナを上げた時10MHzが賑やかでしたのでCQをだすとたくさん呼んでいただきました。目まぐるしく変わる天候やコンディションに合わせて運用が臨機応変に楽しめる。軽トラモバイルシャックの真骨頂です。

その後適度に休みを何度も取りながら一人高速走行を続け、翌3月13日(月)2時を過ぎた頃、無事奈良の自宅に到着しました。


帰宅時のオドメーター

今回の総走行距離は1400kmを超える大移動でしたが無理のない余裕を持った予定が功を奏し、移動運用やアイボールQSOと地元グルメと十分に楽しむことができました。移動運用を楽しむツールとして作った軽トラモバイルシャックですがイベント等で知らない方とアイボールを楽しむツールとしても使えるアイテムとして新しい一面を見つけた気分です(笑)。

それではまた。

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